問題
厚生年金保険の被保険者の種別(第1号〜第4号厚生年金被保険者)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。
厚生年金保険法第2条の5は、被保険者の種別ごとに「実施機関」を定めています。第1号は厚生労働大臣、第2号は国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会、第3号は地方公務員共済組合・全国市町村職員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会、第4号は日本私立学校振興・共済事業団です。それぞれが資格・標準報酬・保険給付・保険料などの事務を行います。
アは誤り。第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者で、逆になっています。
イは誤り。保険給付は受給権者の請求に基づいて実施機関が裁定します(第33条)。
ウは誤り。一元化後は同じ厚生年金保険法の給付です。
エは誤り。第2号は「国家公務員共済組合の組合員たる」被保険者で、組合員資格は維持されています。
厚生年金保険の4種の被保険者(第2条の5):
| 種別 | 対象者 | 実施機関 |
|---|---|---|
| 第1号厚生年金被保険者 | 第2号〜第4号以外の被保険者(民間企業の従業員等) | 厚生労働大臣 |
| 第2号厚生年金被保険者 | 国家公務員共済組合の組合員たる被保険者 | 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会 |
| 第3号厚生年金被保険者 | 地方公務員共済組合の組合員たる被保険者 | 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会 |
| 第4号厚生年金被保険者 | 私立学校教職員共済制度の加入者たる被保険者 | 日本私立学校振興・共済事業団 |
「管掌」と「実施機関」の関係:
厚生年金保険は政府が管掌します(第2条)。そのうえで第2条の5が、被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間、保険給付、受給権者、基礎年金拠出金の負担・納付、保険料その他の徴収金などの事務を、種別ごとに実施機関に割り振っています。
イの誤り(裁定の主体):
保険給付を受ける権利は、受給権者の請求に基づいて「実施機関」が裁定します(第33条)。第2号の期間に基づく保険給付は国家公務員共済組合等が、第4号の期間に基づく保険給付は日本私立学校振興・共済事業団が扱います。厚生労働大臣が一括して裁定するのではありません。
エの誤り(組合員資格は維持):
第2条の5の定義は「国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者」などであり、共済組合の組合員であることを前提にしています。一元化後も、組合員資格と厚生年金保険の被保険者資格を同時に有します。
【被用者年金一元化の意義と「実施機関」の仕組み】
被用者年金一元化(2015年10月施行)により、公務員と私立学校教職員も厚生年金保険に加入し、共済年金の「厚生年金相当部分」は厚生年金保険の給付に統合されました。
一元化の主な内容:
1. 厚生年金に統合:公務員・私学教職員も厚生年金保険の被保険者(第2号〜第4号)になった
2. 給付の統一:老齢・障害・遺族の給付は、同じ厚生年金保険法の規定に基づいて行われる
3. 職域加算の廃止:共済年金にあった職域加算は、一元化後の期間については廃止された。一元化前の期間に係る分は経過的に扱われ、一元化後は共済各法による別の給付(退職等年金給付)が設けられた
「実施機関」制度の法的構造:
厚生年金保険は政府が管掌します(第2条)。第2条の5は、被保険者の種別ごとに事務を担う実施機関を定めます。実施機関の事務は条文上、次のように列挙されています。
- 被保険者の資格、標準報酬、事業所及び被保険者期間
- その種別の被保険者であった期間に基づく保険給付と受給権者
- 基礎年金拠出金の負担(第1号)・納付(第2号〜第4号)
- 保険料その他の徴収金
- 保険料に係る運用
第2号・第3号の事務のうち一部(第84条の3などの規定に係るもの)は、国家公務員共済組合連合会又は地方公務員共済組合連合会が行い、その他は政令で定める者が行います(第2条の5第2項)。
裁定の主体(イの誤りの詳細):
第33条は「保険給付を受ける権利は、その権利を有する者(受給権者)の請求に基づいて、実施機関が裁定する」と定めています。複数の種別の期間がある人は、それぞれの実施機関に関係することになります。「厚生労働大臣が一括して裁定」は条文と合いません。
組合員資格の維持(エの誤りの詳細):
第2号〜第4号の定義は、いずれも共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者であることを前提にしています。一元化によって共済組合がなくなったわけではなく、組合員は同時に厚生年金保険の被保険者になっています。
ウの誤りの詳細:
一元化後の老齢厚生年金等は、第1号〜第4号のいずれの期間についても、厚生年金保険法の同じ規定で額が計算されます。実施機関が違っても、給付水準を独自に定めるものではありません。
社労士実務との接続:
民間企業から公務員への転職(又はその逆)では、第1号と第2号・第3号の期間が混在します。種別ごとに実施機関が異なるため、どの期間の記録をどの実施機関が管理しているかを確認することが、相談の出発点になります。
- 厚生年金保険法第2条の5e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第2条(政府が管掌)・第2条の5(実施機関)・第33条(実施機関による裁定)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

