社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 厚生年金保険法 問32|脱退一時金の額の計算

問題

社労士 | 厚生年金保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

厚生年金保険の脱退一時金の額の計算に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はオ(誤っている記述)です。

支給率の基礎となる保険料率は、「請求をした日」ではなく「最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月)」の属する年を基準とします(附則第29条第4項)。しかも「最終月が1月から8月までの場合には、前々年10月の保険料率」を用います。請求日を基準とし、1月〜8月も同じとするオは、基準時点・例外のいずれも条文と異なり誤りです。

ア(額=平均標準報酬額×支給率)・イ(平均標準報酬額の定義)・ウ(支給率の算定方法と四捨五入)・エ(受給後のみなし規定)はいずれも条文どおりです。

脱退一時金の額の計算式(附則第29条第3項・第4項):

```

脱退一時金の額 = 平均標準報酬額 × 支給率

平均標準報酬額 =(被保険者期間各月の標準報酬月額+標準賞与額の総額)÷ 被保険者期間の月数

支給率 =(最終月の属する年の前年10月の保険料率 ※)× 1/2 × 政令で定める数

(小数点以下1位未満の端数は四捨五入)

※ 最終月が1月〜8月なら前々年10月の保険料率

```

最終月の定義と基準年の特例(オの誤りの核心):

最終月の時期保険料率の基準
9月〜12月最終月の属する年の前年10月の保険料率
1月〜8月最終月の属する年の前々年10月の保険料率

「最終月」は「最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月」であり、請求をした日ではありません。オは基準となる時点を「請求をした日」としている点、および1月〜8月の例外(前々年10月)を無視している点の2つで誤りです。

エ(みなし規定)の確認:

脱退一時金の支給を受けたときは、支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされます(第5項)。

【附則第29条第3項〜第5項を1文ずつ読む】

脱退一時金の額は、附則第29条第3項で「被保険者であつた期間に応じて、その期間の平均標準報酬額…に支給率を乗じて得た額」と定められ、支給率の中身は第4項、受給後の扱いは第5項に置かれています。

支給率の基準となる年(第4項)の当てはめ:

第4項は、保険料率の基準を「最終月の属する年の前年十月の保険料率(最終月が一月から八月までの場合にあつては、前々年十月の保険料率)」としています。

  • 最終月が令和7年10月の場合:最終月の属する年(令和7年)の前年=令和6年10月の保険料率
  • 最終月が令和8年3月の場合:1月〜8月なので、最終月の属する年(令和8年)の前々年=令和6年10月の保険料率

このように、基準は常に「最終月」から決まり、いつ請求したかは関係しません。請求が出国から1年後でも、最終月が同じなら用いる保険料率は同じです。

平均標準報酬額の違い(第3項と第43条第1項):

老齢厚生年金の額の計算(第43条第1項)でいう平均標準報酬額は、各月の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じて得た額の総額を月数で除した額です。一方、脱退一時金の平均標準報酬額(附則第29条第3項括弧書き)は、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を月数で除した額で、再評価率を乗じる規定はありません。同じ言葉でも定義が違う点が出題されます。

「政令で定める数」(施行令第12条の2):

第4項の「被保険者であつた期間に応じて政令で定める数」は、厚生年金保険法施行令第12条の2の表で定められ、被保険者期間が6月以上12月未満なら6、12月以上18月未満なら12と6月刻みで増え、60月以上は60です。したがって支給率は「保険料率×1/2×(6〜60の数)」となり、60月を超える期間があっても数は60のままです。

受給後の効果(第5項):

脱退一時金の支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間について、被保険者でなかったものとみなされます。エはこの第5項のとおりです。

正誤判断のポイント:

本問の誤りの肢は、基準を「請求をした日」に置き換え、さらに1月〜8月の例外を消しています。「最終月」の定義(資格喪失日の属する月の前月)と、括弧書きの例外(前々年10月)の2点を条文の文言で押さえることが得点の分かれ目です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法附則第29条第3項・第4項・第5項(脱退一時金の額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115)・厚生年金保険法施行令第12条の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/329CO0000000110) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 脱退一時金の額の計算(平均標準報酬額×支給率・支給率の基準となる年の特例
  • 頻出度A

関連する問題

ページの先頭へ