厚生年金保険法34厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問34:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

障害厚生年金の額に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 障害厚生年金の1級は、2級の報酬比例部分の計算額に1.25倍を乗じた額に、配偶者加給年金額(生計維持配偶者がいる場合)を加えた額である。
  • 障害厚生年金3級の最低保障額は、令和8年4月現在は635,500円/年円(昭和31年4月2日以後生まれの場合)であり、3級にも配偶者加給年金額が加算される。正答
  • 障害厚生年金の1・2級を受給する者に、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金額が加算される。
  • 被保険者期間が短い(300か月未満)場合、障害厚生年金の計算においては300か月(25年)あったものとして計算するみなし規定が設けられている。
  • 障害厚生年金の受給権者が死亡した場合、遺族厚生年金を受給できる遺族がいれば、障害厚生年金は死亡月の分まで支給される(障害厚生年金の失権は死亡の翌月から)。
正答:障害厚生年金3級の最低保障額は、令和8年4月現在は635,500円/年円(昭和31年4月2日以後生まれの場合)であり、3級にも配偶者加給年金額が加算される。

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正答はイです。

障害厚生年金3級には配偶者加給年金額は加算されません(厚年法第50条の2は1級・2級のみを対象)。3級の最低保障額自体は635,500円/年円(昭和31年4月2日以後生まれ)で正しいですが、「3級にも配偶者加給年金額が加算される」という記述が誤りです。

アは正しく、障害厚生年金1級=2級の報酬比例部分×1.25+配偶者加給年金額です。

ウは正しく、配偶者加給年金額は1・2級のみに加算されます。

エは正しく、被保険者期間300か月未満の場合は300か月みなしの規定があります。

オは正しく、受給権者死亡月分まで支給され、失権は死亡日の翌日からです。

標準試験対策の基準レベル

障害厚生年金の額の計算構造:

| 等級 | 年金額の計算 |

|---|---|

| 1級 | 報酬比例部分(5.481/1000×平均標準報酬額×月数)×1.25+配偶者加給年金 |

| 2級 | 報酬比例部分(5.481/1000×平均標準報酬額×月数)×1.0+配偶者加給年金 |

| 3級 | 報酬比例部分(5.481/1000×平均標準報酬額×月数)×1.0(ただし最低保障額 635,500円/年円以上) |

| 障害手当金(一時金) | 報酬比例部分×2.0(ただし最低保障額 1,271,000円円以上) |

イの誤りの詳細(3級に配偶者加給年金額は加算されない):

配偶者加給年金額(厚年法第50条の2)は障害厚生年金の1級・2級のみが対象です。3級と障害手当金には加算されません。これは「3級は労働能力の一部喪失レベル」「障害手当金は症状固定後の一時金」と位置づけられ、家族扶養を支える定期給付として配偶者加給を加える制度設計ではないためです。

3級最低保障額自体の内容確認(額は正しい):

障害厚生年金3級の最低保障額は「老齢基礎年金満額の3/4」です。令和8年4月現在:

  • 昭和31年4月2日以後生まれ: 635,500円/年円/年
  • 昭和31年4月1日以前生まれ: 633,700円/年円/年

額の数値そのものは正しいですが、3級への配偶者加給年金額加算という記述部分が誤り。

エ(300か月みなし)の意義:

被保険者期間が短い若年の障害者(例:22歳で障害認定)の場合、実際の被保険者期間が少なく年金額が極端に低くなる問題を防ぐため、300か月(25年)のみなし規定があります。

ウ(配偶者加給年金)の内容:

障害厚生年金1・2級の受給権者に65歳未満の生計維持配偶者がいる場合、配偶者加給年金額(423,700円/年円/年)が加算されます。3級・障害手当金には配偶者加給年金はありません。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【障害厚生年金の設計思想と「報酬比例」原則の意義・3級と障害手当金の段差】

障害厚生年金は1〜3級の3段階+障害手当金(一時金)という構成を持ち、国民年金の障害基礎年金(1〜2級のみ)より細かい等級区分が特徴です。

国民年金(障害基礎年金)との根本的な違い:

| 項目 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |

|---|---|---|

| 等級 | 1・2級のみ | 1・2・3級+障害手当金 |

| 金額の性質 | 定額(等級別の一律額) | 報酬比例(賃金に比例) |

| 配偶者加算 | なし | 1・2級にあり |

| 最低保障 | 2級=満額・1級=満額×1.25 | 3級に最低保障額あり |

「報酬比例」の意義:

障害厚生年金が報酬比例方式を採用するのは、「就労前の賃金水準を反映した保障を行う」という保険原理に基づきます。高賃金労働者は障害認定前の収入も高く、その水準に応じた補償が適切とされます。これは「均一的な最低保障」を目的とした障害基礎年金とは対照的です。

300か月みなし規定(エ)の詳細:

障害認定日における厚生年金の被保険者期間が300か月未満の場合、年金額の計算に際して300か月あったとみなします(厚年法第50条第3項)。

適用例:

  • 20歳で就職し22歳で障害認定 → 実際の被保険者期間24か月 → みなし300か月で計算
  • 36歳で障害認定で実際288か月 → みなし300か月で計算
  • 40歳で障害認定で実際384か月 → みなし不要(300か月以上のため)

このみなしにより、若年の障害者が働き始めてすぐに障害を負っても、一定水準の年金額が保障されます。

障害手当金(一時金)の仕組み:

「治った後に一定の障害状態が残る」場合に支給される一時金(年金ではなく一括払い)です:

  • 支給要件: 傷病が治り(症状固定)、障害厚生年金3級より軽い障害(障害等級4〜7級相当)が残った場合
  • 支給額: 報酬比例部分の2倍(最低保障額 1,271,000円円)

一時金のため受給した後は年金受給権は発生しません(症状固定して治癒とみなされる場合のみ)。

配偶者加給年金額の詳細(ウ):

障害厚生年金1・2級に付加される配偶者加給年金額:

  • 生計維持を受ける65歳未満の配偶者がいること(年間収入850万円未満の要件)
  • 受給権発生時点に配偶者の加給年金要件を満たす者が対象
  • 加給年金額: 423,700円/年円/年(昭和18年4月2日以後生まれの受給権者の場合)

配偶者が65歳に達すると加給年金は消滅し、配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算が付きます(kokunen_29の振替加算との接続)。

3級と障害手当金の「最低保障額」の政策的意義:

3級の最低保障(老齢基礎年金満額の3/4・635,500円/年円)は「報酬比例が極端に低くなるケース(短期加入・低賃金)でも一定の生活保障を確保する」ための安全網です。

障害手当金の最低保障(1,271,000円円)は「症状固定後の一時的補償として最低限の生活再建資金を確保する」意図があります。

社労士実務(障害年金申請代理):

社会保険労務士の独占業務として、障害年金の申請代理(社会保険労務士法第2条第1項第2号)があります。等級判定のポイントは:

1. 初診日の確認(厚生年金加入中の初診日が第2号要件)

2. 診断書の等級該当性の確認

3. 報酬比例部分の計算と300か月みなしの適用確認

上位資格との接続:

FP1級では「障害認定日と社会保険の加入状況の組み合わせによる受給可能な障害年金の種類と額の計算」が出題されます。年金アドバイザー2級では「障害厚生年金と障害基礎年金の合計額の計算(配偶者加給年金・子の加算を含む)」が頻出です。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 厚年法第50条(額の計算式)・第50条の2(配偶者加給年金額は1級・2級のみ)・第50条の3(最低保障額)・第51条(300か月みなし)に基づく。改訂前の設問アは「1・2級の額の比率は1.25倍」(事実として正しい記述)を誤り選択肢にしようとしており、ロジックが不成立であったため、設問アを「1級は2級×1.25+配偶者加給」(明確に正しい記述)に修正、設問イを「3級にも配偶者加給年金額が加算される」(明確な誤り)に書き換えて正答をイに変更。3級・障害手当金には配偶者加給年金額は加算されない。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第50条〜第50条の3(障害厚生年金の額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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