社労士 厚生年金保険法 問37:厚生年金保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
厚生年金保険の届出に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア事業主は、被保険者の資格を取得した場合、資格取得日から10日以内に厚生年金保険被保険者資格取得届を厚生労働大臣(実際には日本年金機構)に提出しなければならない。
- イ被保険者が70歳に達して厚生年金保険の被保険者資格を喪失した場合、事業主は資格喪失日から14日以内に被保険者資格喪失届を提出しなければならない。
- ウ被保険者の配偶者が第3号被保険者(国民年金)の資格を取得・喪失した場合、被保険者(事業主)はその異動届(被扶養配偶者異動届)を5日以内に提出しなければならない。正答
- エ標準報酬月額の定時決定(算定基礎届)は毎年7月1日現在の被保険者の報酬を届け出るもので、提出期限は7月31日である。
- オ賞与を支払った場合、事業主は賞与支払月の翌月10日以内に被保険者賞与支払届を提出しなければならない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・通達も明記。
正答はウです。
被保険者の配偶者が第3号被保険者の資格を取得・喪失した場合の「被扶養配偶者異動届」の提出期限は5日以内です(厚生年金保険法第12条の2)。これはウの記述のとおりです。
アは誤り。被保険者の資格取得届の提出期限は5日以内です(10日以内ではありません)。
イは誤り。70歳到達による資格喪失の届出期限も5日以内です(14日以内ではありません)。なお70歳以後も同一事業所で勤務継続する場合は別途「70歳以上被用者該当届」の提出も必要となります。
エは誤り。定時決定(算定基礎届)の提出期限は7月10日です(7月31日ではありません)。
オは誤り。賞与支払届の提出期限は5日以内です(翌月10日以内ではありません)。
厚生年金保険の届出期限の整理:
| 届出の種類 | 届出者 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 資格取得届 | 事業主 | 日本年金機構(年金事務所) | 資格取得日から5日以内 |
| 資格喪失届 | 事業主 | 日本年金機構(年金事務所) | 資格喪失日から5日以内 |
| 被扶養配偶者異動届 | 事業主(被保険者経由) | 日本年金機構(年金事務所) | 事実発生から5日以内 |
| 算定基礎届(定時決定) | 事業主 | 日本年金機構(年金事務所) | 7月1日現在→7月10日まで |
| 賞与支払届 | 事業主 | 日本年金機構(年金事務所) | 賞与支払日から5日以内 |
「5日」という期限の一覧(厚生年金保険):
厚生年金保険の多くの届出は「5日以内」が基本です。これは健康保険法も同様です(kokunen_35の国民年金の14日以内とは異なります)。
アの誤り(10日→5日):
資格取得届の期限は5日以内(厚年法第27条)。健康保険との共通届出様式が多く、いずれも5日以内が基本です。
エの誤り(算定基礎届は7月10日):
定時決定の届出期限は「7月10日まで」(厚年法施行規則第22条)。7月31日ではありません。なお7月1日〜7月31日に行われる「随時改定」(月額変動届)とは別の手続きです。
オの誤り(賞与支払届は5日以内):
賞与を支払った際の「被保険者賞与支払届」は支払い後5日以内です(厚年法施行規則第25条の2)。翌月10日ではありません。
【厚生年金保険の届出制度の全体像と「電子申請」時代の変化・ペーパーレス化の現状】
厚生年金保険の届出は、2022年(令和4年)10月以降、従業員数に関わらず電子申請が義務化(大企業・一定規模以上)または奨励(中小企業)されており、実務の効率化が進んでいます。
電子申請の概要:
- e-Gov(イーガブ):厚生労働省の電子申請システム。資格取得届・喪失届・算定基礎届等を電子送信
- 日本年金機構 電子申請(eLTAX含む):マイナポータル経由での申請も可能
- 期限は書面と同じ:電子申請でも5日以内・7月10日等の期限は変わらない
算定基礎届(定時決定)の詳細(エの深掘り):
定時決定は「毎年7月1日時点で在籍している全被保険者」の標準報酬月額を改定する手続きです:
| 提出タイミング | 内容 |
|---|---|
| 7月1日〜7月10日 | 4月・5月・6月の報酬を届出 |
| 8月分の保険料から | 新しい標準報酬月額が適用 |
算定基礎届に使用する「4〜6月の報酬」の集計ルール:
- 支払基礎日数17日以上の月のみを対象
- 17日未満の月は対象から除外(残業・欠勤等による変動月の取扱いルールあり)
随時改定(月額変動届)との違い:
随時改定は定時決定とは別に、固定的賃金(基本給等)の変動があった場合に年の途中でも標準報酬月額を変更する手続きです。3か月間の平均報酬が現行の標準報酬月額と2等級以上差がある場合に届出が必要です。
資格取得届の「適用年月日」の重要性:
資格取得届を5日以内に提出するに際し、「適用年月日(資格取得日)」の正確な記載が年金記録に影響します。誤記や届出漏れがあると:
- 被保険者の年金記録に空白が生じる
- 年金受給額の計算が不正確になる
- 「消えた年金」問題(2007年問題)の再発
社労士は「5日以内という厳格な期限」と「正確な適用年月日の記載」の両面で事業主を支援することが重要です。
被扶養配偶者異動届(ウ)の実務的な重要性:
第3号被保険者(国民年金)の届出は、被保険者(夫または妻)の事業主を経由して行います。この異動届の提出が遅れると:
1. 配偶者の国民年金の種別変更が遅れる
2. 第3号不整合問題(kokunen_36参照)が発生するリスク
事業主には5日以内という期限があり、人事労務担当者が従業員の家族の状況変化(配偶者の就職・退職・離婚等)を速やかに把握するための体制整備が求められます。
70歳達到による資格喪失(イ)の実務:
厚生年金の被保険者資格は70歳到達で自動的に喪失します(厚年法第14条第1号)。ただし在職中に70歳に達した場合でも「70歳以上の在職者(厚生年金適用事業所に在籍)」として在職老齢年金の支給停止調整は継続して行われます(70歳以上被用者)。
事業主は70歳到達日(誕生日の前日)から5日以内に被保険者資格喪失届を提出し、同時に「厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を提出します(在職老齢年金の計算継続のため)。
上位資格との接続:
FP1級では「入社・退社・育休・産休・賞与支払いのそれぞれで必要な届出と期限の一覧」が出題されます。社労士試験では「5日以内・7月10日・翌月末日(保険料納付)」という複数の期限の使い分けが頻出です。社労士実務では、電子申請の活用と5日以内という厳格な期限の両立が重要業務です。
<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 厚年法第27条(資格取得届5日以内)・第28条(資格喪失届5日以内)・第12条の2(被扶養配偶者異動届5日以内)に基づく。改訂前のイは「5日以内」と設問文に書かれていたためイも正しい記述となっていた(正答が2つに)。設問イを「14日以内」(明確な誤り)に書き換え。資格取得届は10日ではなく5日(ア誤)。算定基礎届は7月10日(エ誤・7月31日ではない)。賞与支払届は5日以内(オ誤・翌月10日ではない)。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第27条(資格取得届・5日以内)・第28条(資格喪失届)・第12条の2(被扶養配偶者異動届・5日以内)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。