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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 厚生年金保険法 問38|実施機関間の費用調整

問題

社労士 | 厚生年金保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

厚生年金保険における実施機関相互間の費用調整(交付金・拠出金)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエ(誤っている記述)です。

実施機関が納付する拠出金の額を算定する按分率は、標準報酬按分率と積立金按分率の2つの率を用いて定められます(第84条の6第1項)。「標準報酬按分率のみ」とするエは誤りです。積立金按分率は、各実施機関の前年度における積立金額が、厚生年金勘定の積立金額との合計額に占める割合を基準とする率で(同条第4項)、積立金の多寡が算定に反映されます。

ア(交付金の交付)・イ(拠出金の納付)・ウ(拠出金算定対象額の定義)・オ(控除後の政府負担)はいずれも条文どおりです。

実施機関間の費用調整の流れ(第84条の3〜第84条の6):

手続内容根拠
交付金の交付政府が、実施機関(厚生労働大臣を除く)ごとに、その実施機関に係る厚生年金保険給付費等の額を交付第84条の3
拠出金の納付実施機関(厚生労働大臣を除く)が、毎年度、拠出金を納付第84条の5第1項
政府の負担拠出金算定対象額から拠出金の合計額・基礎年金拠出金保険料相当分の合計額を控除した額は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担第84条の5第2項
拠出金の額の算定拠出金算定対象額×標準報酬按分率+拠出金算定対象額×積立金按分率-当該実施機関の基礎年金拠出金保険料相当分第84条の6第1項

エの誤りの核心(按分率は2つ):

第84条の6第1項は、拠出金算定対象額に「それぞれ次に掲げる率を乗じて得た額の合計額」として「一 標準報酬按分率」「二 積立金按分率」の2つを列挙しています。第3項が標準報酬按分率を、第4項が積立金按分率を定め、積立金按分率は実施機関の積立金額の割合を基準とします。「積立金の多寡は反映されない」というエの記述は、第2号(積立金按分率)を無視した誤りです。

「基礎年金拠出金保険料相当分」とは:

第84条の5第2項括弧書きは、基礎年金拠出金から、その2分の1に相当する額(厚年法第80条第1項の国庫負担、共済各法の対応規定による負担)を控除した額と定義しています。

【被用者年金一元化と拠出金・交付金制度の設計】

被用者年金一元化の後、厚生年金保険の第2号〜第4号厚生年金被保険者に係る事務は、国家公務員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会・日本私立学校振興・共済事業団などの実施機関が行います。保険料の徴収・納付についても、第2号〜第4号厚生年金被保険者に係るものは共済各法の定めによります(第84条の2)。そのうえで、給付費の財源を実施機関の間で調整するのが、交付金(第84条の3)と拠出金(第84条の5・第84条の6)です。

交付金(第84条の3):政府→各実施機関

政府は、政令で定めるところにより、毎年度、実施機関(厚生労働大臣を除く)ごとに、その実施機関に係る保険給付に要する費用等として政令で定めるもの(厚生年金保険給付費等)として算定した金額を、交付金として交付します(アのとおり)。

拠出金(第84条の5):各実施機関の納付

実施機関(厚生労働大臣を除く)は、毎年度、拠出金を納付します(第1項・イのとおり)。拠出金算定対象額から、拠出金の合計額と、政府等が負担し又は納付する基礎年金拠出金保険料相当分の合計額を控除した額は、厚生年金保険の実施者たる政府の負担です(第2項・オのとおり)。

拠出金の額(第84条の6)の組み立て:

拠出金の額 = 拠出金算定対象額 × 標準報酬按分率 + 拠出金算定対象額 × 積立金按分率 - その実施機関の基礎年金拠出金保険料相当分

  • 拠出金算定対象額(第2項):当該年度の厚生年金保険給付費等の総額+政府等が負担・納付する基礎年金拠出金保険料相当分の合計額(ウのとおり)
  • 標準報酬按分率(第3項):「実施機関における標準報酬の総額÷厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬の総額」を基準に厚生労働省令で算定した率に、保険料財源比率を乗じた率
  • 積立金按分率(第4項):「前年度の実施機関の積立金額÷(厚生年金勘定の積立金額+実施機関の積立金額)」を基準に厚生労働省令で算定した率に、1から保険料財源比率を控除した率を乗じた率
  • 保険料財源比率(第3項第2号):直近の財政の現況及び見通しにおける財政均衡期間の各年度について、拠出金算定対象額の予想額に対する保険料等の予想額の割合を平均したものとして厚生労働省令で算定した率

つまり、拠出金算定対象額のうち保険料でまかなう部分は標準報酬の割合で、残りの部分は積立金の割合で各実施機関に割り振る構造です。按分率の具体的な数値は厚生労働省令で定められ、本問の正誤には使っていません。厚生労働大臣は、第3項・第4項の省令を定めるときは、実施機関を所管する大臣に協議しなければなりません(第5項)。

社労士試験での位置づけ:

厚生年金保険の費用負担の分野では「国庫負担(第80条・第81条)」と「実施機関間の拠出金・交付金(第84条の3〜第84条の10)」が別の論点として出題されます。前者は国と被保険者・事業主の負担、後者は複数の実施機関の間の費用調整という違いを押さえることが、選択肢を正確に判定する鍵になります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第84条の3(交付金)・第84条の5(拠出金及び政府の負担)・第84条の6(拠出金の額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_84_3) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 実施機関間の費用調整(交付金・拠出金の仕組み
  • 頻出度B

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