厚生年金保険法40厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問40:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

厚生年金保険の被保険者期間に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 厚生年金保険の被保険者期間は、資格取得した月から資格喪失した月の前月まで月単位で計算される。
  • 被保険者が月末に資格を喪失した場合(退職日が月末日の場合)、喪失日は退職日の翌日となり、翌月が喪失月となるため、退職月も被保険者期間に算入される。
  • 被保険者が1日でも在籍した月は1か月として被保険者期間に算入されるため、月途中に資格を喪失した月は算入されない。正答
  • 同一月に資格取得と資格喪失が生じた場合(1か月未満の在籍)、その月は被保険者期間に算入される(1か月として計算)。
  • 厚生年金保険の被保険者期間が1か月しかない場合であっても、老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算において1か月分として反映される。
正答:被保険者が1日でも在籍した月は1か月として被保険者期間に算入されるため、月途中に資格を喪失した月は算入されない。

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正答はウです。

「月途中に資格を喪失した月は算入されない」という記述が誤りです。厚生年金保険の被保険者期間は「資格取得した月から資格喪失した月の前月まで」で計算されます(厚年法第19条)。つまり月の途中に喪失した場合、喪失した月は算入されません(これ自体は正しい)が、「月の途中に資格を取得した月」については取得月から算入されます。ウの「月途中に資格を喪失した月は算入されない」という主旨は部分的に正しいですが、「被保険者が1日でも在籍した月は1か月として…」という前段が誤りを含みます。

エは正しく、同一月に取得・喪失した場合も1か月として算入されます(厚年法第19条但書)。

イは正しく、月末退職は翌月が喪失月となるため、退職月も算入されます。

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厚生年金保険の被保険者期間の計算ルール:

基本ルール(厚年法第19条):

```

被保険者期間 = 資格取得月 から 資格喪失月の前月 まで(月単位)

```

ケース別の計算:

| ケース | 資格取得日 | 資格喪失日 | 算入される月 |

|---|---|---|---|

| 4月入社・11月15日退職 | 4月1日 | 11月15日(喪失日は翌日16日) | 4月〜10月(7か月) |

| 4月入社・10月31日退職(月末) | 4月1日 | 11月1日(翌月1日が喪失日) | 4月〜10月(7か月) |

| 4月1日取得・4月15日喪失(同一月) | 4月1日 | 4月15日 | 4月1か月(特例) |

「月末退職」の重要性(イ):

退職日が月末日の場合、資格喪失日は「退職日の翌日(翌月1日)」となります。喪失月は翌月であるため、「喪失月の前月」は退職月(月末日がある月)となり、退職月が被保険者期間に算入されます。

一方、月途中(例:10月15日)に退職した場合、喪失日は翌日(10月16日)、喪失月は10月。被保険者期間は9月まで(10月は算入されない)となります。

ウの誤りの詳細:

「被保険者が1日でも在籍した月は1か月として算入される」という記述が誤りです。「資格を喪失した月」は算入されません。被保険者期間は取得月から喪失月の「前月」まであることを忘れないことが重要です。

エ(同一月取得喪失)の特例:

同一月に資格取得と喪失が生じた場合(例:4月1日入社・4月15日退職)、その月(4月)を1か月として被保険者期間に算入する特例があります(厚年法第19条但書)。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【被保険者期間の計算と「退職日の翌日喪失」ルールの実務的意義】

厚生年金保険の被保険者期間の計算は「月単位」が基本ですが、退職日・資格喪失日の関係が複雑なため、実務上のミスが生じやすい領域です。

「資格喪失日は退職日の翌日」の根拠:

厚生年金保険法第14条第1号では、被保険者は「適用事業所に使用されなくなった日の翌日」に資格を喪失すると規定されています。退職日まで使用関係が継続するため、翌日が喪失日となります。

「月末退職が有利」という実務常識の理由:

| | 月末退職(例:10月31日)| 月途中退職(例:10月30日)|

|---|---|---|

| 喪失日 | 11月1日 | 10月31日 |

| 喪失月 | 11月 | 10月 |

| 被保険者期間に算入 | 4月〜10月(10月を含む) | 4月〜9月(10月を含まない) |

| 10月分の保険料 | 徴収あり | 徴収なし |

| 10月分の健保給付資格 | 継続 | 終了 |

月末退職では退職月も被保険者期間に算入されるため、年金額の計算に1か月分追加されます。また退職月の保険料は被保険者負担分(最後の給与から控除)が発生しますが、退職月の健康保険の利用が可能(翌月1日喪失のため退職当月は健保が使える)という実務上の利点があります。

転職時の空白月の問題:

10月15日に前職を退職し(10月は被保険者期間に算入されない)、11月1日から新職場に入社した場合、10月は国民年金第1号被保険者(自営業扱い)となります。この1か月の国民年金保険料(17,920円/月円)の負担義務があります。

転職時の手続き漏れ(10月分の国民年金保険料の未納)が「国民年金未納」として記録される典型的なケースです。社労士は転職相談時に「空白月の国民年金手続き」を必ず案内する必要があります。

同一月取得喪失(エ)の実務的ケース:

同一月に資格取得・喪失する典型ケース:

1. 試用期間中の即日解雇

2. 派遣社員の短期派遣(1か月未満)

3. アルバイト・パートの超短期雇用

この場合「1か月分」として年金計算に算入されますが、保険料は1か月分(資格取得月の分)が徴収されます(ただし日割りではなく月割りで徴収)。

被保険者期間の「月数」と受給資格期間・年金額の関係:

  • 受給資格期間: 厚生年金被保険者期間は国民年金の受給資格期間(10年・120か月)に算入される
  • 年金額: 被保険者期間が1か月でも報酬比例部分として反映(オの内容)

被保険者期間が1か月でも老齢厚生年金として反映されるため、短期在職者も年金を受け取れますが、300か月(25年)未満の場合は障害厚生年金のみなし規定(300か月)が適用される場合があります(受給権の種類によって取扱いが異なります)。

社労士実務での活用:

退職時の年金手続き相談では「退職日を月末日にするか月途中にするか」が被保険者期間・保険料・健保資格に影響します。社労士は:

1. 月末退職のメリット(被保険者期間1か月追加・健保が退職月も使える)

2. 月末退職のデメリット(退職月の保険料負担)

3. クライアントの健康状態・転職予定・収入水準に応じた最適な退職日のアドバイス

この判断は社労士の専門的な付加価値の一つです。

上位資格との接続:

FP1級では「複数の職歴がある場合の通算被保険者期間計算と老齢厚生年金の計算」が頻出です。年金アドバイザー3級では「月末退職と月途中退職の被保険者期間・保険料の違い」が定番問題です。社労士試験では「月単位の計算・喪失月の前月まで・月末退職の取扱い」が正確に問われます。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 厚年法第19条(被保険者期間・取得月から喪失月の前月まで)・第14条(資格喪失日は退職日の翌日)に基づく。「1日でも在籍した月は算入」は誤り(喪失月は算入されない)=ウが誤り。同一月取得喪失は1か月算入(特例)。一次ソース:e-Gov・日本年金機構公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第19条(被保険者期間の計算)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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