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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 厚生年金保険法 問45|老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給調整

問題

社労士 | 厚生年金保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給調整に関する次のA〜Eの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 A. 65歳に達している遺族厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、遺族厚生年金のうち、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止される。 B. 65歳に達している者が老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権をともに有する場合、第38条第1項(併給の調整)により、いずれか一方の年金の支給が停止されることはない。 C. 65歳以上の者が老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権をともに有する場合、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金の側であり、遺族厚生年金の額に相当する部分について老齢厚生年金の支給が停止される。 D. 65歳未満の者が老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権をともに有する場合も、第64条の2の規定により、老齢厚生年金の額に相当する部分について遺族厚生年金の支給が停止される。 E. 老齢厚生年金の受給権を有する配偶者に係る遺族厚生年金の額は、常に、通常の算定額(死亡した被保険者等の報酬比例部分の4分の3に相当する額)の3分の2に相当する額とされる。

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正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

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解説

正答はア(AとB)です。

Aは正しい。 第64条の2は「遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する」と定めており、停止されるのは遺族厚生年金の側です。

Bは正しい。 第38条第1項は老齢厚生年金と遺族厚生年金を互いに併給調整の対象から除いており、附則第17条の読替えで、その除外は受給権者が65歳に達している場合に限られます。65歳以上なら第38条第1項による一方の停止はありません。

Cは誤り。 停止の方向がAと逆になっています。停止されるのは老齢厚生年金ではなく遺族厚生年金の側です。

Dは誤り。 第64条の2は「受給権者が65歳に達しているもの」に限定されており、65歳未満には適用されません。

Eは誤り。 老齢厚生年金の受給権を有する配偶者の遺族厚生年金の額は、通常の算定額と、別の算定方法(3分の2+2分の1方式)の合算額のいずれか多い額であり、常に3分の2の額に固定されるわけではありません。

65歳以上の老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給の仕組み:

年齢第38条第1項(附則第17条で読替え)第64条の2
65歳以上老齢厚生年金と遺族厚生年金は互いに調整の対象外(B)遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分を停止(A)
65歳未満互いに調整の対象。一方を受けることができるときは他方の支給を停止(第2項の申請で停止を解除できる)適用されない(Dの誤り)

Cの誤り(停止の方向):

第64条の2の文言を正確に読むと、「遺族厚生年金は…老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する」とあり、主語は遺族厚生年金です。老齢厚生年金の側が停止されるという理解は条文と逆です。

Dの誤り(適用年齢の限定):

第64条の2は括弧書きで「その受給権者が六十五歳に達しているものに限る」と明記しており、65歳未満の受給権者には適用されません。65歳未満の場合の調整は、附則第17条で読み替えた第38条第1項によります。

Eの誤り(額の算定方法の誤読):

老齢厚生年金の受給権を有する配偶者の遺族厚生年金の額は、第60条第1項第2号により「通常の算定額」と「通常の算定額×2/3+老齢厚生年金額(加給年金除く)×1/2」のいずれか多い額とされ、常に2/3固定ではありません。

【第38条・附則第17条・第64条の2の3つを組み合わせて読む】

① 第38条第1項(併給の調整)

第38条第1項は、老齢厚生年金について「他の年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)」を、遺族厚生年金について「他の年金たる保険給付(老齢厚生年金を除く。)」を受けることができる場合に支給を停止すると定めています。本則の文言だけを見ると、老齢厚生年金と遺族厚生年金は互いに調整の対象から外れています。

② 附則第17条(当分の間の読替え)

附則第17条は、当分の間、第38条第1項の「遺族厚生年金を」を「遺族厚生年金(その受給権者が六十五歳に達しているものに限る。)を」と、「老齢厚生年金を」を「老齢厚生年金(その受給権者が六十五歳に達しているものに限る。)を」と読み替えます。この結果、調整の対象から除かれるのは65歳以上の場合だけになり、65歳未満では老齢厚生年金と遺族厚生年金は第38条第1項の調整の対象です(第2項の申請により、停止の解除を受けた一方を受けます)。Bは、65歳以上の場合を述べているので正しい内容です。

③ 第64条の2(65歳以上の遺族厚生年金の停止)

65歳以上で両方を受けられるときは、第64条の2により、遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止されます。条文の主語は遺族厚生年金で、老齢厚生年金は同条による停止の対象ではありません(Cの誤り)。

「老齢厚生年金の額に相当する部分」の意味:

停止される額は「老齢厚生年金の額に相当する部分」であり、遺族厚生年金の額そのものではありません。したがって:

  • 遺族厚生年金の額 > 老齢厚生年金の額 の場合:遺族厚生年金は「遺族厚生年金の額-老齢厚生年金の額」の差額分だけ支給される(老齢厚生年金は第64条の2による停止を受けない)
  • 遺族厚生年金の額 ≦ 老齢厚生年金の額 の場合:遺族厚生年金は全額停止(老齢厚生年金のみ支給)

第60条第1項第2号との関係(算定方法の選択):

遺族厚生年金の額そのものは第60条で決まります。老齢厚生年金の受給権を有する配偶者については、第60条第1項第2号により「通常の算定額(4分の3相当額)」と「通常の算定額×2/3+自身の老齢厚生年金の額(加給年金額を加算しない額)×1/2」のいずれか多い額です(同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の支給を受けるときは第1号の額=第60条第1項ただし書)。「常に3分の2」とするEは誤りです。第60条で額を決めた後に、第64条の2で老齢厚生年金の額に相当する部分が停止される、という順序になります。

社労士試験での位置づけ:

「65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方の受給権がある場合、第64条の2でどちらの年金が停止されるのか」という方向と、「65歳未満なら第38条第1項(附則第17条)の調整」という年齢による切り分けを正確に読むことが、この分野の得点の分かれ目です。条文の主語(遺族厚生年金は…支給を停止する)を確認しましょう。

この問題の根拠根拠: 厚生年金保険法第64条の2(支給停止)・第38条第1項(併給の調整)・附則第17条(併給の調整の特例)・第60条第1項第2号(年金額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_64_2) 確認日: 2026-09-30
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第64条の2(支給停止)・第38条第1項(併給の調整)・附則第17条(併給の調整の特例)・第60条第1項第2号(年金額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_64_2) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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