問題
老齢厚生年金の加給年金額の支給停止及び加算の終了に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
配偶者の加給年金額は、配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金などの「支給を受けることができるとき」に支給停止されます(第46条第6項)。日本年金機構は、実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合(在職により支給停止となっている場合等)は加給年金額が支給停止されると説明しています。「実際に受け取っている場合に限る」とするイは誤りです。
アは正しい(第46条第6項)。ウは正しく、子の18歳年度末の終了は加算の終了事由で、翌月から年金額が改定されます(第44条第4項)。エは正しく、配偶者の障害厚生年金も停止事由です(全額が支給停止されている場合を除く)。オは正しく、配偶者の死亡で配偶者分の加算はなくなりますが、子の分は続きます。
「支給停止」と「加算の終了(減額改定)」の区別:
| 事由 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金の支給を受けることができるとき | 配偶者分の支給停止 | 第46条第6項 |
| 配偶者が障害厚生年金・障害基礎年金などの支給を受けることができるとき | 配偶者分の支給停止(障害の給付が全額支給停止されている場合を除く) | 第46条第6項・令第3条の7 |
| 配偶者の死亡・離婚・生計維持の終了・65歳到達 | 配偶者分を加算しない(翌月から改定) | 第44条第4項第1号〜第4号 |
| 子の18歳年度末の終了(障害の状態にある子を除く)・子の死亡・婚姻など | その子の分を加算しない(翌月から改定) | 第44条第4項 |
イの誤りの核心:
第46条第6項の文言は「支給を受けることができるとき」です。日本年金機構は、令和4年4月以降について、「実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合(在職により支給停止となっている場合等)は、配偶者加給年金額は支給停止されます」と説明しています。配偶者の老齢厚生年金が在職老齢年金で全く支払われていなくても、加給年金額は停止されます。
障害の給付だけの例外:
施行令第3条の7ただし書は、「障害を支給事由とする給付であつてその全額につき支給を停止されているもの」を除いています。例外があるのは障害の給付だけで、老齢厚生年金には同様の除外はありません。
【加給年金額の「支給停止」と「加算の終了」を条文で区別する】
加給年金額(第44条)は、老齢厚生年金の受給権者(年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上)が、権利を取得した当時、生計を維持していた65歳未満の配偶者や18歳年度末までの子などを有するときに加算されます。令和8年度の配偶者の加給年金額は、基本額243,800円に、受給権者の生年月日に応じた特別加算を加えた額で、昭和18年4月2日以後生まれの受給権者では合計423,700円です。
加算がなくなる場面は、条文上2種類に分かれます。
1. 加算の終了(第44条第4項):
配偶者又は子が各号のいずれかに該当するに至ったときは、その者に係る加給年金額を加算しないものとし、該当するに至った月の翌月から年金の額を改定します。
| 号 | 事由 |
|---|---|
| 1 | 死亡したとき |
| 2 | 受給権者による生計維持の状態がやんだとき |
| 3 | 配偶者が離婚又は婚姻の取消しをしたとき |
| 4 | 配偶者が65歳に達したとき |
| 5〜10 | 子の養子縁組・離縁・婚姻、18歳年度末の終了(障害の状態にある子を除く)、障害の状態の終了、20歳到達など |
ウ・オはこちらの話で、「支給停止」ではなく加算そのものがなくなります。
2. 配偶者の加給年金額の支給停止(第46条第6項):
配偶者が、老齢厚生年金(年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上のものに限る)、障害厚生年金、障害基礎年金その他の老齢若しくは退職又は障害を支給事由とする給付で政令で定めるものの「支給を受けることができるとき」は、その間、配偶者に係る加給年金額に相当する部分の支給を停止します。政令(施行令第3条の7)は、障害を支給事由とする給付でその全額が支給停止されているものを除いています。
「支給を受けることができるとき」の読み方(イの誤りの詳細):
日本年金機構は、令和4年4月以降、配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金の受給権を有する場合などには、実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合(在職により支給停止となっている場合等)は加給年金額が支給停止されると説明しています。イの「在職による支給停止で全く支払われていなければ停止されない」は、この説明と逆です。一方、障害の給付は全額が支給停止されていれば停止事由から外れる(令第3条の7ただし書)ので、老齢と障害で扱いが違う点に注意します。
エ(正)の障害厚生年金:
第46条第6項は「障害厚生年金」と定め、等級を1級・2級に限っていません。配偶者が3級の障害厚生年金の支給を受けることができるときも、配偶者の加給年金額は停止されます。ただし、その障害厚生年金の全額が支給停止されているときは、停止事由になりません。
20年の要件の数え方:
第46条第6項の要件は「その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上」です。配偶者の被保険者期間が240月未満であれば、配偶者が老齢厚生年金を受けていても、この規定による停止にはなりません。
実務での確認点:
年金相談では、配偶者が厚生年金に加入して被保険者期間が240月に達するかどうか、配偶者が障害の年金を受けられるかどうかが、加給年金額の停止の分かれ目になります。配偶者の年金が在職で全額止まっていても、老齢厚生年金(240月以上)の受給権があれば加給年金額は停止される、という点を押さえておきます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第44条第1項・第4項(加給年金額の加算と加算の終了)・第46条第6項(配偶者の加給年金額の支給停止)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115)・厚生年金保険法施行令第3条の7(第46条第6項の政令で定める給付)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329CO0000000110)/日本年金機構「加給年金額と振替加算」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

