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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 厚生年金保険法 問49|遺族厚生年金の受給権者の順位と転給

問題

社労士 | 厚生年金保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

厚生年金保険の遺族厚生年金を受けることができる遺族の範囲に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエ(誤っている記述)です。

厚生年金保険の遺族厚生年金には転給の制度はありません。第59条第2項は「父母は、配偶者又は子が…受給権を取得したときは、(当初から)遺族厚生年金を受けることができる遺族としない」と定めており、これは順位が低い者が最初から受給権者に含まれないという仕組みです。先順位者(配偶者・子)が後から失権しても、後順位者(父母等)へ受給権が新たに移ることはありません。エは誤りです。

ア(遺族の範囲)・イ(妻以外の年齢等要件)・ウ(父母の除外要件)・オ(孫の除外要件)はいずれも条文どおりです。

遺族厚生年金を受けられる遺族の範囲(第59条第1項):

遺族妻以外の要件(第1項ただし書)
配偶者(妻)要件なし
配偶者(夫)・父母・祖父母55歳以上であること
子・孫18歳到達年度末までの間にあるか、20歳未満で障害等級1・2級に該当し、かつ現に婚姻していないこと

順位制(第2項)=転給の否定:

順位除外される条件
配偶者・子最優先(除外規定なし)
父母配偶者又は子が受給権を取得したときは、遺族としない
孫配偶者・子・父母のいずれかが受給権を取得したときは、遺族としない
祖父母配偶者・子・父母・孫のいずれかが受給権を取得したときは、遺族としない

エの誤りの核心(転給は行われない):

第2項は「配偶者又は子が…受給権を取得したときは(父母を)遺族としない」という表現であり、これは当初から父母を遺族の範囲外に置くという意味です。配偶者・子が受給権を取得した後にその受給権を失権(再婚・死亡等)しても、この第2項の判定は当初の受給権取得時点で確定しており、後から父母・孫・祖父母に受給権が「新たに」発生することはありません。労災保険の遺族補償年金(転給あり)との違いが試験で問われやすい点です。

【厚生年金の遺族厚生年金には「転給」がない:労災保険との対比で理解する】

遺族に対する年金給付の仕組みには、大きく分けて「転給あり型」と「転給なし型」の2つの設計思想があります。

転給とは何か:

転給とは、最先順位の受給権者が失権(死亡・再婚等)した場合に、次順位の遺族に新たに受給権が発生する仕組みです。労働者災害補償保険法の遺族補償年金にはこの転給制度があり、先順位者が失権すると、次順位の遺族が改めて受給権者となります。

厚生年金保険の遺族厚生年金は「転給なし型」:

第59条第2項は、父母・孫・祖父母について「配偶者又は子(父母の場合)/配偶者・子・父母(孫の場合)/配偶者・子・父母・孫(祖父母の場合)のいずれかが遺族厚生年金の受給権を取得したときは、遺族厚生年金を受けることができる遺族としない」と定めています。

この規定の読み方の急所は、「受給権を取得したときは」という表現です。これは「配偶者・子等が受給権を取得した時点」で、父母等が遺族の範囲から外れることを意味し、その後に配偶者・子の受給権がどうなったか(失権したかどうか)は関係ありません。つまり、被保険者の死亡時点で配偶者や子がいれば、その時点で父母・孫・祖父母は最初から遺族厚生年金を受けられる遺族の範囲に含まれず、後になって配偶者・子が失権しても、父母等に受給権が新たに生じることはありません。

失権の規定との関係(第63条):

第63条は遺族厚生年金の受給権の消滅事由(死亡・婚姻・直系血族及び直系姻族以外の者の養子となったとき等)を定めていますが、労災保険法第16条の4第1項後段のような「同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に…支給する」という規定は置かれていません。先順位者が失権しても、後順位者に受給権を生じさせる条文がないということです。

具体例:

被保険者が死亡し、妻(配偶者)と子がいる場合、父母は当初から遺族厚生年金の遺族の範囲に含まれません(第2項)。その後、妻が再婚して失権し、子も18歳到達年度末を過ぎて失権したとしても、父母に新たに遺族厚生年金の受給権が発生することはありません。

労災保険の遺族補償年金との対比(試験の頻出比較):

制度転給の有無根拠
厚生年金保険(遺族厚生年金)なし第59条第2項(受給権取得時に後順位者を遺族から外す)・第63条に転給の規定なし
労働者災害補償保険(遺族補償年金)あり労災保険法第16条の4第1項後段「同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する」

社労士試験では、遺族厚生年金と労災保険の遺族補償年金を対比させて「転給の有無」を問う出題が定番です。条文の書き方(厚年は「遺族としない」、労災は「次順位者に支給する」)で区別しておくと確実です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第59条第1項・第2項(遺族)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_59) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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  • 遺族厚生年金の受給権者の順位と転給(先順位者失権後に後順位者へは移らない・第59条
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