厚生年金保険法51厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問51:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

厚生年金保険の標準報酬月額の上限・下限に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 厚生年金保険の標準報酬月額の上限(第32等級)は令和8年度試験基準日(令和8年4月10日)時点で650,000円/月円であり、令和9年9月1日から68万円に引き上げられる予定であるが、令和8年度社労士試験の出題対象は650,000円/月円である。
  • 健康保険(協会けんぽ)の標準報酬月額の上限は厚生年金と同額であり、双方とも650,000円/月円(令和8年度試験基準日時点)が上限である。正答
  • 厚生年金保険の標準報酬月額の下限(第1等級)は8万8千円であり、健康保険の第1等級(5万8千円)より高い。
  • 厚生年金保険の標準報酬月額の上限は、国会の立法手続(法律改正)によってのみ変更が可能であり、政令や省令では変更できない。
  • 厚生年金保険の標準報酬月額の上限が引き上げられる場合、それに伴い厚生年金保険料の事業主負担も増加するが、標準報酬月額の上限を超えた報酬部分には引き続き保険料が課されない。
正答:健康保険(協会けんぽ)の標準報酬月額の上限は厚生年金と同額であり、双方とも650,000円/月円(令和8年度試験基準日時点)が上限である。

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正答はイです。

「健康保険の標準報酬月額の上限は厚生年金と同額」という記述が誤りです。健康保険(協会けんぽ)の標準報酬月額の上限は1,390,000円/月円(第50等級)であり、厚生年金の上限650,000円/月円(第32等級)とは大きく異なります。健保の上限(139万円)は厚年の上限(65万円)の約2倍です。

他の選択肢はすべて正しい内容です。令和8年度試験では65万円が出題対象(令和9年9月の68万円は対象外)(ア)、厚年の下限8万8千円は健保の5万8千円より高い(ウ)、上限変更は法律改正が必要(エ)、上限超の報酬に保険料は課されない(オ)はいずれも正確な内容です。

標準試験対策の基準レベル

健康保険と厚生年金の標準報酬月額の比較(イの誤りの核心):

| 項目 | 厚生年金保険 | 健康保険(協会けんぽ) |

|---|---|---|

| 等級数 | 32等級 | 50等級 |

| 下限(第1等級) | 88,000円(8万8千円) | 58,000円(5万8千円) |

| 上限 | 650,000円/月円(第32等級) | 1,390,000円/月円(第50等級) |

| 2027年9月予定の変更 | 68万円(試験対象外) | 変更予定なし |

健保の上限(1,390,000円/月円)が厚年の上限(650,000円/月円)の約2倍である理由:高収入者の健康保険料は傷病手当金・出産手当金の計算基礎になるため、実態に合った上限が設定されているためです。

エ(正)の上限変更と法律改正要件:

厚生年金保険の標準報酬月額の等級区分は法律(厚年法第20条の別表)に規定されているため、等級の追加・上限変更には国会の法律改正が必要です。令和9年9月の68万円引上げも法律改正によって決定されています(令和5年改正法附則)。

ウ(正)の下限の違い(実務的意義):

厚年の下限(8万8千円)が健保の下限(5万8千円)より高い理由:低報酬のパートタイム労働者は健保の適用対象(5万8千円以上で健保被保険者)でも、厚年の強制適用の基準(8万8千円相当・月20時間等の要件)を満たさない場合があります。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【標準報酬月額の上下限が異なる制度的背景・2027年改正の政策的意義・賃上げ圧力との接続】

標準報酬月額制度は、変動する月給を32〜50の等級に区分して保険料・給付額の計算を簡略化する仕組みです。厚生年金と健康保険で等級数・上下限が異なるのは、両制度の保険料・給付の性格の違いを反映しています。

なぜ等級数が異なるのか(厚年32 vs 健保50):

健保が50等級の理由:

  • 傷病手当金・出産手当金の日額計算に標準報酬月額を使用
  • 高収入者の実際の収入に見合った給付を実現するために等級を細分化・上限を高く設定
  • 健保組合によっては独自の付加給付(一部負担金払戻等)の計算基礎にも使用

厚年が32等級の理由:

  • 老齢厚生年金の計算では高収入者と低収入者の差が拡大しすぎないよう上限を設定
  • 年金の「所得再分配機能」の観点から上限を設けることで、超高収入者の年金額が無限に増えない設計
  • 32等級(65万円上限)超の報酬部分には保険料が課されないことで事業主負担を制限

令和9年9月の68万円引上げ(試験対象外)の政策的意義:

68万円への引上げの背景:

1. 賃金水準の上昇(直近数年の賃上げトレンド)

2. 上限650,000円/月円超の高収入被保険者の割合が増加

3. 厚生年金財政への保険料収入増加(財政安定化)

4. 上限超の高収入者の年金額が低すぎるという指摘への対応

令和8年度試験(基準日令和8年4月10日)では650,000円/月円が出題対象(68万円は未施行)。

標準報酬月額の上限超の取扱い(オの正の詳細):

月収が650,000円/月円を超えていても、標準報酬月額は650,000円/月円に固定されます(上限の壁)。

影響:

  • 保険料:650,000円/月円×保険料率(18.3%)が上限
  • 老齢厚生年金額:650,000円/月円ベースで計算
  • 超過分の月収:保険料計算・年金額計算の対象外

仮に月収200万円の者は、標準報酬月額は650,000円/月円として計算され、超過分の135万円分は保険料も年金計算にも影響しません。

下限の実務的意義(ウの正の詳細):

厚年の下限(第1等級:88,000円)より低い標準報酬月額は存在しません。月収が88,000円未満の者でも、厚生年金に加入している限り第1等級(88,000円)として保険料計算されます。これは事業主が「月収5万円の従業員」に対しても88,000円ベースで保険料を支払う義務があることを意味します(本人の実収入より高い保険料基礎となる場合)。

なお月収88,000円未満の者は短時間労働者の適用要件(月8.8万円以上の賃金要件・社保適用拡大)を満たさない可能性があり、そもそも厚生年金の被保険者にならない場合が多いです(2026-10-01で2026-10以降は賃金要件撤廃予定・試験対象外)。

年次見直しの仕組み(健保との連動):

健保と厚年の標準報酬月額は相互に連動する場合と独立して変更される場合があります。2024年3月の健保上限引上げ(1,390,000円/月円)は、厚年の引上げとは独立して健保単独で行われた改正です。厚年の2027年9月引上げ(68万円)も厚年単独の改正です。両制度は「基本的な等級の考え方を共有しながら、上限・等級数は独立」という設計です。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 厚年法第20条に基づく。健保の上限は1,390,000円/月円(50等級)・厚年の650,000円/月円(32等級)と異なる(イ誤)。令和9年9月68万円は試験対象外(ア正)。上限変更は法律改正要(エ正)。一次ソース:e-Gov厚年法・健保法・日本年金機構公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第20条(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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