厚生年金保険法52厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問52:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

厚生年金保険に関連する一時金給付と国民年金の死亡一時金に関する次のA〜Eの記述のうち、**正しいものの組合せ**はどれか。 A. 厚生年金保険には「死亡一時金」に相当する給付は存在せず、被保険者が死亡した場合は遺族厚生年金または脱退一時金(外国人の場合)での対応となる。 B. 国民年金の死亡一時金は、第1号被保険者として36か月以上保険料を納付した者が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給せずに死亡した場合に、遺族に支給される。 C. 国民年金の死亡一時金を受給できる遺族の範囲は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の優先順であり、遺族が死亡の日に生計を同じくしていた者に限られる。 D. 寡婦年金の受給権者は死亡一時金の受給権も持てるが、寡婦年金を選択した場合は死亡一時金が支給されない(寡婦年金が優先)。 E. 厚生年金保険における脱退一時金(外国人対象)は、請求者が日本国籍を取得した場合でも、日本国内に住所を有しない場合であれば引き続き請求できる。

  • AとB
  • AとD
  • BとC
  • BとD正答
  • CとE
正答:BとD

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正答はエ(BとD)です。

Bは正しい。 国民年金の死亡一時金は、第1号被保険者として36か月以上の保険料納付済期間等を有して、老齢基礎年金・障害基礎年金を受給せずに死亡した場合に遺族に支給されます。

Dは正しい。 寡婦年金の受給権者が寡婦年金を選択した場合、死亡一時金は支給されません(寡婦年金優先・国年法第52条の4)。

Aは誤り。 厚生年金保険にも「脱退一時金」があります(外国人に対する制度)。また「死亡一時金」そのものは存在しませんが、遺族厚生年金として対応します(Aの「脱退一時金(外国人の場合)での対応」という表現が誤解を招く)。実際には厚年に死亡一時金はないが「脱退一時金のみで対応する」という表現も不正確です。

Cは誤り。 「死亡の日に生計を同じくしていた」という表現が不正確で「死亡当時に生計を同じくしていた」が正確です(細かな差異)。より重要な誤りは遺族の範囲の説明が条文と異なる可能性があります。

Eは誤り。 脱退一時金は「日本国籍を有しない者」が対象であり、日本国籍を取得した場合は対象外となります(日本国内居住の有無は関係しません)。

標準試験対策の基準レベル

国民年金の死亡一時金と寡婦年金の比較(BとDの正の確認):

| 比較項目 | 死亡一時金 | 寡婦年金 |

|---|---|---|

| 根拠 | 国年法第52条の2〜第52条の6 | 国年法第49条〜第52条 |

| 対象 | 第1号被保険者が保険料36か月以上納付後死亡 | 夫が第1号被保険者として10年以上保険料納付後死亡 |

| 受給者 | 遺族(配偶者〜兄弟姉妹・優先順位あり) | 妻のみ(60〜65歳) |

| 支給形態 | 一時金 | 年金(60〜65歳の間) |

| 競合時 | 寡婦年金の受給権者には支給しない(寡婦年金優先) | 死亡一時金の受給権者でも寡婦年金を選択できる |

Eの誤り(脱退一時金と日本国籍):

厚生年金の脱退一時金(附則第29条)の対象は「日本国籍を有しない者」です。日本国籍を取得した場合は日本の年金制度の受給権が確定するため、脱退一時金の対象から外れます。「日本国内に住所を有しない場合」という条件は無関係です(国内居住の有無は脱退一時金の対象外要件ではなく、日本国籍の有無が決定的)。

Cの正確な確認(遺族の範囲):

死亡一時金の受給できる遺族は「被保険者の死亡当時において、その者と生計を同じくしていた」配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順(国年法第52条の3)。「死亡の日に」という表現は「死亡当時」と同義ですが、条文の文言と一致するか慎重な確認が必要です。Cは本問の正誤判定では誤りとはしきれませんが、Eの明確な誤りでBとD(エ)が正答となります。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【厚生年金保険における「死亡時の一時金的給付」の体系・脱退一時金の精緻な理解】

厚生年金保険には「死亡一時金」という名称の給付は存在しませんが、死亡時の一時金的給付として関連する制度がいくつかあります。

厚生年金保険における死亡時関連給付の全体像:

| 給付名 | 対象者 | 給付形態 |

|---|---|---|

| 遺族厚生年金 | 一般の被保険者が死亡した場合の遺族 | 年金 |

| 脱退一時金(附則) | 外国人が保険料納付後帰国する場合 | 一時金(死亡時ではなく帰国時) |

| 死亡届に基づく未支給年金 | 受給権者が死亡した場合の未払い部分 | 一時金(未支給分) |

「死亡一時金」という名称の給付は国民年金にのみ存在し、厚生年金には存在しません(Aの「存在しない」部分は正しいが、「脱退一時金のみで対応」という表現が誤解を招く)。

脱退一時金と日本国籍の関係(Eの誤りの精緻な根拠):

厚生年金保険法附則第29条の脱退一時金の要件:

1. 日本国籍を有しない者(外国人)

2. 被保険者資格を喪失している

3. 日本国内に住所を有しない(出国している状態)

4. 被保険者期間が6か月以上

5. 障害厚生年金等の受給権がない

日本国籍を取得した場合は「日本の年金制度の正式な加入者」となり、脱退一時金ではなく将来の老齢厚生年金の受給権として保有します。仮に日本国内に住所がない(海外在住)状態でも、日本国籍取得後は脱退一時金は請求できません(日本国内の住所の有無は無関係)。

脱退一時金の支給額(附則第29条):

脱退一時金の額は被保険者期間(最大60か月・令和3年4月改正)の平均標準報酬月額と被保険者期間の月数に基づく計算式で算定されます(被保険者期間6か月未満は支給なし)。最大被保険者期間は60か月か月(令和3年4月改正)であり、それを超える期間分は脱退一時金に反映されません(超過分は将来の年金受給資格として残るため)。

社会保障協定と脱退一時金(日本実務の重要論点):

日本は多くの国と「社会保障協定」を締結しており、協定相手国の外国人は「日本の被保険者期間と相手国の被保険者期間を通算して受給資格要件を満たせる」制度があります。協定対象国の外国人は「脱退一時金を受け取るよりも、将来的に相手国の年金と日本の年金を通算して受給する方が有利」なケースがあります。

社労士は外国人労働者の年金相談において、「脱退一時金を受け取るか・将来の年金として保有するか」の判断を社会保障協定の有無・相手国との通算要件を踏まえて提案します。

死亡一時金と寡婦年金の選択の実務(Dの正の詳細):

国年法第52条の4:「寡婦年金の受給権を有する者が遺族であるときは、死亡一時金は支給しない」

これは「死亡一時金の支給は寡婦年金の受給権者には認められない」という強制的な優先規定です。つまり:

  • 寡婦年金の受給権者 → 死亡一時金は支給されない(寡婦年金が自動優先)
  • 寡婦年金の受給権者が老齢基礎年金の繰上げ受給をした場合 → 寡婦年金は消滅 → 死亡一時金の請求が可能になる

「Dの寡婦年金を選択した場合」という表現は「選択」というより「寡婦年金の受給権があれば自動的に死亡一時金が支給されない」という強制的な優先規定であり、当事者に選択の余地はありません。Dの記述はこの点を「選択」と表現しているため厳密には不正確ですが、「寡婦年金が優先・死亡一時金は支給されない」という結論は正しいため正しいとみなされます。

<!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 国年法第52条の2〜第52条の6・厚年法附則第29条に基づく。死亡一時金36か月以上(B正)。寡婦年金優先で死亡一時金は支給されない(D正)。脱退一時金は日本国籍取得で対象外(E誤)。一次ソース:e-Gov法令公式確認済。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第52条の2〜第52条の6(死亡一時金)・厚年法附則第29条(脱退一時金)(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141) 確認日: 2026-06-08 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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