問題
雇用保険法における基本手当の受給期間の延長に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はエです。
受給期間の延長制度は「受給できる期間(受給期間)」を延長するものであり、「所定給付日数」(受給できる日数の上限)は変更されません。例えば所定給付日数が90日の者が受給期間を1年延長(合計2年)しても、90日分の基本手当しか受給できない点は同じです(エが正しい)。受給期間が長くなることで「就職できない状態が続いても期間切れにならずに受給機会を確保できる」という意義があります。
アは誤りで、原則受給期間は「離職の翌日から起算して1年間」(法第20条第1項)であり「2年間」ではありません。イも誤りで、延長加算の上限は「最大3年」(法第20条第1項括弧書き)であり原則1年+3年=最大4年が正しい数値です。ウも誤りで、申出は理由に該当するに至った日の翌日から、基準日の翌日から4年を経過する日までの間に行います(則第31条第3項)。「理由が終了した後30日以内」ではありません。オも誤りで、親族の介護は「管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの」(則第30条第2号)として延長の対象になります。
受給期間の原則と延長(法第20条):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原則受給期間 | 離職の翌日から起算して1年間(この間に所定給付日数を使い切る) |
| 延長できる理由 | 妊娠・出産・育児(法第20条第1項)、疾病・負傷(傷病手当の対象を除く)・管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの(則第30条。親族の介護等)で引き続き30日以上職業に就けないこと |
| 延長できる上限 | 当該理由の継続期間(最大3年) |
| 延長後の最大期間 | 原則1年+最大3年=最大4年 |
各選択肢の精査:
- ア(誤): 原則受給期間は「離職の翌日から起算して1年」(法第20条第1項)。「2年間」は誤り。
- イ(誤): 延長加算の上限は「最大3年」、原則1年+3年=最大4年(法第20条第1項括弧書き)。「最大2年・合計3年」は誤り。
- ウ(誤): 則第31条第3項では、申出は「理由に該当するに至った日の翌日から、基準日の翌日から起算して4年を経過する日まで(加算後の期間が4年未満ならその最後の日まで)」に行う。「理由が終了した後30日以内」は誤り。
- エ(正・正答): 受給期間の延長は「いつまでに受給を完了しなければならないか」という期限の延長であり、所定給付日数(何日分受給できるか)は変わらない(法第20条第1項括弧書き)。
- オ(誤): 親族の介護は「管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの」(則第30条第2号)として受給期間の延長の対象になる。
延長申出の手続き(施行規則第31条):
- 申出期間:理由に該当するに至った日の翌日から、基準日の翌日から起算して4年を経過する日まで(第3項。天災等やむを得ない理由があれば例外)
- 提出書類:受給期間延長等申請書に、理由を証明する書類(医師の証明書等)と受給資格者証(未交付なら離職票)を添える(第1項)
【受給期間延長制度の立法趣旨:「失業」認定の前提を満たせない期間への対応】
基本手当を受給するためには「失業の認定」(就職意思・就職能力・求職活動の事実)が必要です。疾病・出産・育児・介護中の者は「就職できない状態」(積極的な求職活動が実質的に不可能)であり、本来の「失業」認定を受けられません。しかし、これらの理由が解消されれば就職活動を再開できる見込みがあります。受給期間延長制度は「今は就職できないが、理由が解消されれば求職活動を再開できる」という潜在的求職者を保護するために設計されています。
【延長期間中の「認定日」と「受給開始時期」の関係】
受給期間を延長した場合、延長中は基本手当を受給しません(求職活動も不要)。延長の申出は理由に該当している間に行い(則第31条第3項)、理由が解消した後に求職の申込み・受給資格の確認・失業の認定を経て初めて基本手当の受給が開始されます。「延長≠自動的に受給開始」という点は実務・試験ともに重要な理解です。
【育児を理由とした延長と育児休業給付との関係】
育児休業中に育児休業給付金を受給している場合、雇用保険の「被保険者」としての地位を継続しているため、基本手当の受給資格自体がありません(離職していない)。受給期間延長が問題になるのは「育児を理由に離職した者」が育児終了後に基本手当を受給する場合です。在職中に育児休業を取得している者は対象外です。この「育児休業(在職)vs育児を理由とした離職(受給期間延長)」の区別が試験で問われます。
【介護離職と延長制度の政策的重要性】
少子高齢化の進展に伴い、親等の介護を理由とした離職(介護離職)が社会問題となっています。介護離職した労働者が介護終了後にスムーズに再就職できるよう、受給期間延長制度を活用して「離職後数年経ってから求職活動を開始」するケースが増えています。社労士はこのような相談者に対し、①受給期間延長の申請タイミング、②介護支援制度の活用、③再就職支援(マザーズハローワーク等)の情報提供を組み合わせた支援が求められます。
【受給期間と時効の混同:よくある誤解】
受給期間(原則1年・延長後最大4年)と基本手当の「時効」(2年・法第74条)は別の概念です。「受給期間が過ぎた場合」は受給する機会が失われ、「時効2年」は一度成立した基本手当の請求権の消滅時効です。受給期間内に認定日を設定して受給を開始した場合、その認定日ごとの基本手当は2年以内に請求できます(ほぼ問題にならないが条文上の整理として重要)。
根拠: 雇用保険法第20条(受給期間)、同法施行規則第30条(延長の理由)・第31条(延長の申出)。
- 雇用保険法第20条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第20条第1項(受給期間・延長)、同法施行規則第30条(延長の理由)・第31条(受給期間延長の申出) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

