雇用保険法13雇用保険法

社労士 雇用保険法 問13:雇用保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

雇用保険法における就職促進給付(再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 再就職手当は、受給資格者(基本手当の受給資格者)が安定した職業に就いた場合に支給されるものであり、支給を受けるためには、就職した日の前日において支給残日数が所定給付日数の3分の1以上でなければならない。
  • 再就職手当の支給額は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合には「基本手当日額×支給残日数×70%」、3分の1以上3分の2未満の場合には「基本手当日額×支給残日数×60%」である。
  • 就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた者が、再就職先に6か月以上雇用され、かつ再就職後6か月間の1日当たりの賃金が基本手当日額を下回った場合に支給される。
  • 常用就職支度手当は、所定給付日数の残日数にかかわらず、就職が困難な者(障害者等)が安定した職業に就いた場合に支給され、再就職手当の支給対象にならなかった者も受給できる。
  • 再就職手当の受給後、再就職した企業を早期に離職して基本手当を再申請した場合でも、前回受給した再就職手当の額を基本手当から控除されることはない。正答
正答:再就職手当の受給後、再就職した企業を早期に離職して基本手当を再申請した場合でも、前回受給した再就職手当の額を基本手当から控除されることはない。

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正答はオ(誤っている記述)です。

オは「再就職手当を受給後に離職・再申請しても控除されることはない」としていますが、これは誤りです。再就職手当を受給した後、6か月以内にその再就職先を離職した場合、次の受給資格に基づく基本手当から再就職手当の額が控除されます(法第56条の3第4項)。これは「早期離職を繰り返して再就職手当を何度も受給する」という不正受給的行為を防ぐための規定です。

アは正しく、残日数が3分の1以上必要です。イは正しく、70%(3分の2以上)・60%(3分の1以上)の区分は正確です。ウは正しく、就業促進定着手当の要件(6か月雇用+日額下回り)です。エは正しく、常用就職支度手当は就職困難者向けです。

標準試験対策の基準レベル

就職促進給付の3種類の比較(試験重点):

| 給付名 | 受給要件 | 支給額 | 対象者 |

|---|---|---|---|

| 再就職手当 | 安定した職業に就いた・残日数1/3以上 | 日額×残日数×60%または70% | 基本手当の受給資格者全般 |

| 就業促進定着手当 | 再就職手当受給後・同一企業で6か月以上・再就職後6か月の日額が基本手当日額未満 | (基本手当日額-再就職後6か月の1日賃金)×再就職後6か月の勤務日数(上限あり) | 再就職手当受給者 |

| 常用就職支度手当 | 安定した職業に就いた・就職が困難な者(障害者等)・再就職手当受給不可 | 一定額(所定給付日数と残日数等に基づく計算) | 就職困難な者・再就職手当非対象者 |

オが誤りである根拠(法第56条の3第4項):

再就職手当を受給した後、6か月以内に再就職先を離職してその後に新たな受給資格(基本手当)を取得した場合、その基本手当の所定給付日数が再就職手当受給時の残日数に相当する日数分削減されます。これは「再就職手当を受け取りながら早期離職→再受給」の繰り返しを防ぐ規定です。

イの再確認(70%・60%の区分):

| 支給残日数 | 給付率 |

|---|---|

| 所定給付日数の 2/3以上 | 基本手当日額×支給残日数×70% |

| 所定給付日数の 1/3以上2/3未満 | 基本手当日額×支給残日数×60% |

試験での超頻出誤答: 「1/3以上で60%・2/3以上で70%」を逆転させた選択肢に注意。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【就職促進給付の設計思想:早期再就職インセンティブ】

基本手当は失業中の生活を補填する給付であり、その性質上「就職を遅らせるインセンティブ(もらえる間はもらっておこうという心理)」が働く可能性があります。再就職手当はこれに対抗するため「所定給付日数を残した状態で早期に就職するほど給付が多くなる」という逆インセンティブを提供します。支給残日数が多いほど(より早く就職するほど)支給額が大きくなる設計です。

【就業促進定着手当の意義:「やむなく低賃金就職」への追加補填】

再就職手当を受給して早期就職したものの、再就職先での賃金が前職よりも低く基本手当日額を下回ってしまう場合(キャリアダウン就職)に、就業促進定着手当がその差額を補填します。早期就職を促進しつつ、その後6か月間の生活安定を支援するという二段階設計です。「再就職手当(速やかに就職するインセンティブ)+就業促進定着手当(低賃金就職のセーフティネット)」という組み合わせで政策効果を高めています。

【常用就職支度手当と「就職困難者」の定義】

常用就職支度手当の対象となる「就職が困難な者」は、①身体障害者・知的障害者・精神障害者(障害者手帳保持者等)、②就職困難な状況にある者(刑事施設退所者・薬物依存者等)、③その他所定の者です。再就職手当が対象にならない「所定給付日数の残日数が1/3未満」の者も、就職困難者であれば常用就職支度手当が受給できる点が重要で、就職困難者の保護に厚みを持たせた設計です。

【オの規定の実務的意義:不正受給防止と社労士のアドバイス責任】

法第56条の3第4項の「6か月以内離職時の再就職手当相当額の控除」規定は、雇用保険制度の財政健全性と公平性を維持するためのセーフガードです。社労士実務では、再就職手当を受給した従業員から「転職を考えている」と相談された際に、この6か月ルールを説明し「6か月経過後に転職することで次の基本手当に影響が出ない」というアドバイスをすることがあります。また、企業側からは「採用した社員が再就職手当を受給しているようだが、すぐに辞めさせると問題があるか」という相談もあり得ます(企業に法的義務はありませんが、制度の趣旨を理解した上での説明が必要)。

【再就職手当の受給後の「就業促進定着手当」申請の実務フロー】

再就職手当受給者が6か月後に就業促進定着手当を申請する際の流れ:①再就職後6か月の賃金台帳・出勤簿等を事業主から入手→②「就業促進定着手当支給申請書」を再就職後6か月経過後から1か月以内にハローワークへ提出→③審査・支給。この申請期限(6か月経過後1か月以内)を過ぎると時効(2年以内ではあるが、申請期限規定として機能)の問題が生じます。社労士が在職者の雇用保険手続きを受託している場合、従業員からの「就業促進定着手当の申請をしたい」という相談に対応できることが実務価値につながります。

根拠: 雇用保険法第56条の3(就業促進手当)、第56条の4(就業促進定着手当)、第57条(常用就職支度手当)。厚生労働省「就職促進給付(再就職手当・就業促進定着手当等)」(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第56条の3(就業促進手当)、第56条の4(就業促進定着手当)、第57条(常用就職支度手当) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): オ「再就職手当受給後の早期離職時の控除規定が存在しない」は誤り(法第57条の3により、再就職手当受給後の所定給付日数のみなし減額が行われる)。ア「残日数1/3以上」(則第82条)、イ「2/3以上70%・1/3以上60%」(則第83条)、ウ「就業促進定着手当:6か月以上雇用+日額下回り」(法第56条の4)、エ「常用就職支度手当の対象は就職困難者」(法第57条)はそれぞれ法令通り。正答オで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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