社労士 雇用保険法 問16:雇用保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
雇用保険法における基本手当の受給手続(離職票・求職申込・失業認定)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア離職者は、離職票(雇用保険被保険者離職票)をハローワークに提出することで、直ちに基本手当の受給が開始される。
- イ離職者がハローワークに求職の申込みを行い、受給資格の決定を受けた後、最初の認定日(第1回失業認定日)は、求職申込みから7日間の待期期間が経過した翌日以降に設定される。
- ウ失業の認定は、原則として4週間に1回ずつ「失業認定日」に行われ、受給者はこの日にハローワークに来所して認定を受けることが求められる。正答
- エ自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて「給付制限期間」が設けられ、給付制限期間中は基本手当が支給されない。令和7年4月1日以降の離職者については、この給付制限期間は原則として「1か月」に短縮されている(ただし5年以内に3回以上自己都合離職した者は3か月)。
- オ離職証明書(雇用保険被保険者離職証明書)は、被保険者が離職後に自ら作成してハローワークに提出するものであり、事業主が関与する必要はない。
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正答はウです。
失業の認定は原則として4週間に1回ずつ、あらかじめ指定された「失業認定日」にハローワークに来所して受けます(法第15条)。認定日には求職活動の状況(何社に応募したか等)を申告し、認定されれば直前の4週間分の基本手当が支給されます。ウは正しい記述です。
アは誤りで、離職票提出だけでは不十分で、求職申込→受給資格決定→待期→認定という手続きが必要です。イは誤りで、第1回認定日の設定は待期7日に加えて初回認定対象期間が設定されます。エは正しく、令和7年4月1日以降の離職者から給付制限期間が2か月→1か月に短縮されています(5年以内3回以上自己都合は3か月)。オは誤りで、離職証明書は事業主が作成してハローワークに提出するものです。
基本手当受給手続の流れ:
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 事業主が離職証明書作成・提出 | 事業主がハローワークに「雇用保険被保険者離職証明書」を提出 |
| ② ハローワークが離職票を交付 | 事業主を通じて(または直接)離職者に「雇用保険被保険者離職票」を交付 |
| ③ 離職者がハローワークに求職申込 | 住所地のハローワークで求職申込・受給資格確認 |
| ④ 7日間の待期 | 待期期間中は基本手当支給なし |
| ⑤ 給付制限(自己都合等) | 特定受給資格者以外・正当理由なし離職者は給付制限期間 |
| ⑥ 第1回失業認定日 | 認定対象期間の求職活動を申告・認定後に支給 |
| ⑦ 以後4週間ごとに認定日 | 原則28日ごとに認定・支給を繰り返す |
エの給付制限期間(令和7年4月1日施行):
2020年10月改正で従来の3か月が2か月(通算5年以内に3回以上の自己都合退職の場合は3か月)に短縮され、さらに令和7年(2025年)4月1日以降の離職者については原則「1か月」(5年以内3回以上は3か月)に短縮されました。あわせて、離職前後1年以内に自身のキャリア形成に資する教育訓練(雇用安定・再就職に役立つもの)を受講した場合は給付制限が解除される措置も新設されています(2025年4月以降受講開始分)。R8年度試験(基準日2026-04-10)は施行後の「1か月」が出題対象です。
オが誤りの根拠:
離職証明書は事業主が作成し、事業主を通じてハローワークに提出します(施行規則第25条)。事業主は離職者が求める場合・59歳以上の被保険者が離職する場合は必ず作成義務があります。離職者本人が作成するものではありません。
【失業認定の法的性格:「積極的な求職活動」の証明】
失業の認定を受けるためには、①就職の意思・就職の能力(健康状態等)・積極的な求職活動の事実が必要です。「求職活動」の認定要件は厚生労働省の「失業の認定に関する基準」で定められており、認定日前の指定期間内に「2回以上の求職活動」が標準的な要件です(認定対象期間の週ごとに活動回数が設定)。単なる「就職したくない状態」では認定されない点が重要です。
【第1回認定日の特殊性:「28日」より短い初回認定期間】
通常の認定対象期間は28日(4週間)ですが、第1回の認定対象期間は「受給資格決定日から7日間の待期期間を経た翌日から、第1回認定日の前日まで」となります。この期間は7日を超えることが多いですが、28日より短いことが通常です(待期7日+初回認定期間=28日に達しない場合も)。
【自己都合退職の給付制限:2020年改正と2025年改正の経緯】
| 改正前(〜2020年9月) | 2020年10月〜2025年3月 | 2025年4月〜(令和7年改正) |
|---|---|---|
| 原則3か月の給付制限 | 原則2か月(5年以内3回以上は3か月) | 原則1か月(5年以内3回以上は3か月)。教育訓練受講で給付制限解除も新設 |
この変遷は「転職・副業・学び直しを促進する政策」の反映です。社労士試験では直近の「令和7年4月改正後の1か月」が出題対象となるため、改正の最新動向の把握が不可欠です(基準日2026-04-10時点で施行済み)。
【離職証明書と離職票の実務的ミス:3日以内提出義務と電子申請】
事業主は被保険者が離職した翌日から起算して10日以内(施行規則第7条・電子申請システム利用時は14日以内等の特例あり)に離職証明書を提出する義務があります。提出遅延は雇用保険法違反であり、離職者が基本手当の受給開始が遅れることで損害を受ける場合があります。社労士実務では「経理が離職証明書の提出を忘れていた」「離職票が発行されなかった」という相談が定期的にあり、適切な対応と遅延時の手続き(後発提出・ハローワークへの事情説明等)が求められます。
【失業認定のリモート化・オンライン化の動向】
コロナ禍以降、一部の失業認定手続きのオンライン化が進展しています。認定日のオンライン申告や、一部の認定については来所不要となるケースが拡大しています。社労士として「従業員が離職した後の雇用保険手続き」を支援する際に、こうした最新の手続き変更を把握することが顧客満足度・業務効率化につながります。
根拠: 雇用保険法第15条・第21条・第33条、同法施行規則第22条・第25条。厚生労働省「基本手当の受給手続き」(確認日2026-04-10)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第15条(失業の認定)、第21条(待期)、第33条(給付制限)、同法施行規則第25条(離職証明書) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): ウ「失業認定は原則4週間に1回」(法第15条第3項・則第22条)は正しい。エ「自己都合給付制限はR7/4以降1か月」は2025年4月1日施行の改正後の数値で確定(厚労省・岩手労働局・ハローワーク資料 確認日2026-06-08)。基準日2026-04-10で施行済み。旧2か月→1か月への短縮、教育訓練受講で給付制限解除(R7/4新設)の事実関係も最新。オ「離職証明書は離職者本人が作成」は誤り(事業主が作成・則第7条)。正答ウで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。