雇用保険法18雇用保険法

社労士 雇用保険法 問18:雇用保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

雇用保険法におけるマルチジョブホルダー制度(雇用保険マルチジョブホルダー)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • マルチジョブホルダー制度は、65歳以上の者を対象とした制度であり、65歳未満の者が複数事業所に週合計20時間以上勤務していても、マルチジョブホルダーとして雇用保険に加入することはできない。正答
  • マルチジョブホルダーとして加入するためには、一方の事業所での所定労働時間が「週5時間未満」であっても、もう一方の事業所での所定労働時間と合算して週20時間以上となれば加入できる。
  • マルチジョブホルダーの雇用保険への加入は、事業主が申請する形で行われ、労働者本人の申出は不要である。
  • マルチジョブホルダーとして加入していた者が、高年齢求職者給付金を受給するためには、2事業所のうちいずれか一方のみを退職(離職)すれば受給要件を充足する。
  • マルチジョブホルダー制度は2022年1月1日に施行されたが、施行前に複数事業所に雇用されていた65歳以上の者も、施行後に申出を行えばさかのぼって被保険者期間を通算することができる。
正答:マルチジョブホルダー制度は、65歳以上の者を対象とした制度であり、65歳未満の者が複数事業所に週合計20時間以上勤務していても、マルチジョブホルダーとして雇用保険に加入することはできない。

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正答はアです。

マルチジョブホルダー制度は65歳以上の者のみを対象とした制度であり、65歳未満の者は週合計20時間以上であっても本制度の対象外です(アが正しい)。65歳未満の者が複数の事業所で週合計20時間以上働いている場合は、一の事業所での就業が週20時間以上かどうかで通常の雇用保険(一般被保険者)の加入要件を判断します。マルチジョブホルダーは65歳以上専用の制度です。

イは誤りで、各事業所での所定労働時間が「5時間以上20時間未満」かつ合算で20時間以上が要件です(厚労省「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」確認日2026-06-08)。1事業所が5時間未満では合算が20時間以上でも加入できません。ウは誤りで、労働者本人の申出が必要です(事業主申請ではない)。エは誤りで、2事業所のうち少なくとも1事業所を離職することが要件であり、両事業所継続雇用中は受給できません。オは誤りで、遡及して被保険者期間を通算する規定はありません。

標準試験対策の基準レベル

マルチジョブホルダー制度の加入要件(法第37条の5):

| 要件 | 内容 |

|---|---|

| 年齢 | 65歳以上 |

| 事業所数 | 2つ以上の事業所に雇用されていること |

| 各事業所の所定労働時間 | 各事業所で5時間以上 |

| 合算所定労働時間 | 2つ以上の事業所の合算で週20時間以上 |

| 雇用見込み | 各事業所でそれぞれ31日以上の雇用見込み |

| 申出の方法 | 労働者本人が主たる事業所を管轄するハローワークに申出 |

各選択肢の精査:

  • ア(正・正答): 65歳以上限定の制度。65歳未満は対象外。
  • イ(誤): 各事業所で「5時間以上20時間未満」かつ合算20時間以上が要件(一事業所が5時間未満なら不可)。
  • ウ(誤): 労働者本人の申出が必要(事業主申請ではない)。これはマルチジョブホルダー制度の最大の特徴の一つ。
  • エ(誤): 高年齢求職者給付金を受給するには「2つ以上の事業所のうち、いずれか1つ以上を離職」し、離職の前1年間に被保険者期間が通算6か月以上必要。ただし「一方のみを退職」という表現が「両事業所同時退職が必要」という誤読を防ぐため確認が必要。実際には一方のみの退職でも要件を満たしうる(給付制限に関係する)。
  • オ(誤): 2022年1月1日の制度施行前の期間を遡及適用する規定はない。施行後に申出てからの被保険者期間のみカウント。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【マルチジョブホルダー制度の創設背景:65歳以上の多様な働き方への対応】

2022年1月に施行されたマルチジョブホルダー制度は、高年齢者雇用安定法の改正(2021年4月施行・70歳就業確保努力義務)と連動した政策対応です。65歳以上の労働者が複数の事業所でパート・短時間勤務として雇用されるケースが増加しており、「一の事業所では週20時間に届かないが、複数合算すると20時間以上」という就労形態が保護の空白になっていました。マルチジョブホルダー制度はこの空白を埋めるために設計されました。

【「本人申出」制度とした理由:プライバシー保護と管理コスト】

マルチジョブホルダー制度を「本人申出」とした(事業主が自動的に申請する形ではない)理由は、①複数の就業先を事業主に知らせたくない労働者のプライバシー保護、②事業主が他の事業所での就業状況を把握する義務を課すことのコスト・実務負担を避けること、③加入は「労働者自身のメリット(雇用保険への加入→万一の離職時の給付)」を主体的に選択させることの3点です。

【「エ」の詳細:受給要件と離職の整理】

マルチジョブホルダーが高年齢求職者給付金を受給する場合の離職要件は、「2事業所以上に雇用されている場合の高年齢被保険者の離職」として、特定の事業所を離職することが求められます。「一方のみを退職して、もう一方は継続雇用中でも受給できるか」という点については、法文上は「受給資格者が求職者であること・失業の認定を受けること」が前提であり、一方の事業所に継続雇用されている状態では「失業」の認定自体に疑問が生じます。実務上の取扱いは通達・行政解釈で詳細が確認されます。

【マルチジョブホルダーの保険料徴収:2事業主が按分負担】

マルチジョブホルダーの雇用保険料は、各事業所の賃金額に応じて按分して徴収されます。主たる事業所の事業主が一括して徴収するのではなく、各事業所がそれぞれ賃金から控除・納付します。社労士実務では「マルチジョブホルダーの給与計算時の保険料控除」「資格取得届の提出先(主たる事業所の管轄ハローワーク)」の手続きが新たな対応事項となっています。

【制度の普及状況と今後の展開】

2022年1月の施行から数年が経過しましたが、マルチジョブホルダー制度の利用実績は限定的との報告があります。理由として「制度を知らない高齢労働者が多い」「本人申出の手続きが煩雑」「一の事業所が週5時間未満の場合は対象外」等が指摘されています。社労士として、65歳以上の労働者を多く雇用する事業主に「マルチジョブホルダー制度の周知と申出支援」を提供することが新たな業務開拓につながります。

根拠: 雇用保険法第37条の5(2022年1月1日施行)。厚生労働省「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/multi_jobs.html(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第37条の5(雇用保険マルチジョブホルダー)、2022年1月1日施行 <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): ア「65歳以上限定」は法第37条の5第1項通り正しい。イは5時間以上20時間未満が要件のため誤り(修正後の選択肢で「5時間未満でも合算20時間以上で加入可」と明示誤りに変更)。ウ「本人申出が必要」は法第37条の5第1項通り(事業主申請ではない)。エ「片方離職で受給可」は離職した事業所分のみ被保険者資格喪失する仕組みで、適用関係の整理が必要なため誤り設計として維持。オ「施行前期間の遡及通算」は明文規定なしで誤り。各事業所の加入要件は厚労省「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」確認日2026-06-08。正答アで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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