問題
雇用保険法におけるマルチジョブホルダー制度(雇用保険マルチジョブホルダー)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
マルチジョブホルダー制度は65歳以上の者のみを対象とした制度であり(第37条の5第1項第1号)、65歳未満の者は週合計20時間以上であっても本制度の対象外です(アが正しい)。65歳未満の者が複数の事業所で働く場合は、それぞれの事業所ごとに通常の被保険者要件(週20時間以上等)を満たすかどうかで判断します。
イは誤りで、合算する各事業所での所定労働時間が「週5時間以上」であることが必要です(施行規則第65条の7)。ウは誤りで、労働者本人が厚生労働大臣に申し出る必要があります。エは誤りで、申出に係る適用事業のうちいずれか一の適用事業を離職した場合の高年齢求職者給付金の額に関する規定があり、両方の離職を必須とするものではありません(第37条の6第2項)。オは誤りで、高年齢被保険者となるのは申出を行った日からです(第37条の5第1項)。
マルチジョブホルダー制度の加入要件(第37条の5第1項):
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 65歳以上 |
| 事業所数 | 2つ以上の事業主の適用事業に雇用されていること |
| 一の事業主の所定労働時間 | 週20時間未満(第2号) |
| 合算対象の各事業所の所定労働時間 | 週5時間以上(第3号・施行規則第65条の7) |
| 合算所定労働時間 | 二の事業主の適用事業の合計で週20時間以上(第3号) |
| 申出の方法・効力 | 労働者本人が厚生労働大臣に申出。申出を行った日から高年齢被保険者(第1項柱書) |
各選択肢の精査:
- ア(正・正答): 65歳以上限定の制度(第1項第1号)。65歳未満は対象外。
- イ(誤): 合算する各事業所は週5時間以上が要件(第1項第3号・施行規則第65条の7)。週5時間未満の事業所は合算できない。
- ウ(誤): 労働者本人の申出が必要(第1項柱書。事業主申請ではない)。
- エ(誤): 第37条の6第2項は、申出に係る適用事業のうちいずれか一の適用事業を離職した場合の高年齢求職者給付金の額の算定について定めており、両方を離職することを受給の前提とする規定ではない。
- オ(誤): 高年齢被保険者となるのは「当該申出を行つた日から」(第1項柱書)。さかのぼらない。
【制度の対象:65歳以上に限った特例】
マルチジョブホルダー制度(2022年1月施行)は、「一の事業所では週20時間に届かないが、二つを合算すると20時間以上」となる65歳以上の人が、本人の申出により高年齢被保険者になれる特例です(第37条の5第1項)。65歳未満の人には同様の特例がなく、一つの事業所ごとに週20時間以上などの通常の要件で判断されます(第6条第1号)。アはこの第1号の年齢要件どおりの記述です。
【申出の効力と、その後の手続き(ウ・オの整理)】
加入は本人が厚生労働大臣に申し出ることで行い、「当該申出を行つた日から」高年齢被保険者となります(第37条の5第1項柱書)。申出をした労働者については、被保険者となったことの確認(第9条第1項)が行われたものとみなされ(同条第3項)、厚生労働大臣は二の事業主に被保険者となったことを通知します(同条第4項)。要件を満たさなくなったときは、本人が申し出なければなりません(同条第2項)。事業主が申請するのではない点(ウ)、さかのぼって被保険者になるのではない点(オ)が、条文から直接読み取れます。
【エの詳細:離職した事業所に基づく給付金の算定】
第37条の6第2項は、マルチジョブホルダー(前条第1項の規定により高年齢被保険者となった者)が、申出に係る適用事業のうちいずれか一の適用事業を離職した場合における高年齢求職者給付金の額の算定について、離職した適用事業において支払われた賃金に限って賃金日額を算定する旨の読替えを定めています。この条文は「一方のみを離職した場合」を前提とした規定であり、両方の適用事業を離職しなければ受給要件を満たさないとするエの記述と整合しません。したがって、マルチジョブホルダーは、いずれか一の適用事業を離職し、かつ第37条の3・第37条の4の要件(離職前1年間に被保険者期間通算6か月以上等)を満たせば、高年齢求職者給付金を受けられる構造になっています。
【休業・時短就業の給付の特例(第37条の6第1項)】
マルチジョブホルダーとして高年齢被保険者となった人が、介護休業給付金・育児休業給付金・出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金を受けるには、休業や時短就業を「全ての適用事業において」した場合であることが必要です(第37条の6第1項の読替え)。離職は一方でよいのに対し、これらの給付は全ての事業所での休業等が前提となる点が、この制度の特徴です。
- 雇用保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第37条の5(高年齢被保険者の特例)・第37条の6(特例高年齢被保険者に対する失業等給付等の特例)・同法施行規則第65条の7(合算対象の事業所の時間数=5時間)(e-Gov 法令検索 現行条文・確認日2026-09-30) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

