社労士 雇用保険法 問24:雇用保険法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)
雇用保険法における事業主の届出義務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア事業主は、その雇用する労働者が雇用保険の被保険者となったときは、当該事実があった日の属する月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届を公共職業安定所長に提出しなければならない。正答
- イ事業主は、その雇用する被保険者が離職したときは、当該事実があった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届を公共職業安定所長に提出しなければならない。
- ウ雇用保険被保険者資格取得届の提出を怠った事業主に対しては、雇用保険法第83条に基づき、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する旨の罰則が設けられている。
- エ事業主は、離職した被保険者が基本手当の受給を希望する場合に必要となる離職証明書(離職票の基礎となる書類)を作成し、公共職業安定所長に提出しなければならない。
- オ被保険者が同一の事業主の下で継続して雇用される場合であっても、雇用形態が「正社員」から「有期契約パートタイム」に変更され、被保険者の種類が変わるときは、事業主は「被保険者種別変更届」等の手続きが必要となることがある。
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正答はアです。
雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は「当該事実(被保険者となった日)があった日の属する月の翌月10日」ではなく、当該事実があった日の翌日から起算して10日以内です(雇用保険法施行規則第6条)。「翌月10日」とするアは誤りです。
イは正しく、資格喪失届は当該事実があった日の翌日から起算して10日以内に提出が必要です(法施行規則第7条)。ウは正しく、届出義務違反には雇用保険法第83条に「6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」の罰則が定められています。エは正しく、離職証明書の作成・提出は事業主の義務です。オは正しく、雇用形態変更で被保険者種類が変わる場合は手続きが必要です。
雇用保険の届出スケジュール(主要なもの):
| 届出種類 | 提出期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 被保険者資格取得届 | 当該事実があった日の翌日から10日以内 | 雇保法施行規則第6条 |
| 被保険者資格喪失届 | 当該事実があった日の翌日から10日以内 | 雇保法施行規則第7条 |
| 離職証明書 | 離職事実確認後、速やかに | 雇保法施行規則第17条 |
| 転勤届 | 転勤事実があった日の翌日から10日以内 | 施行規則第13条 |
アの誤りの詳細:
「当該事実があった日の属する月の翌月10日まで」という期限は、健康保険・厚生年金の資格取得届に近いイメージですが、雇用保険の取得届は「事実があった翌日から10日以内」です。健保・厚年との期限の違いを混同させるひっかけです。
ウの補足(刑事罰の根拠):
雇用保険法第83条第1号は、事業主が法第7条の届出をせず、又は偽りの届出をした場合に「6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」を科すと定めています。届出を怠った(不作為)場合も対象です。罰則自体は存在するため、ウの「罰則あり」は正しい記述です。
被保険者種類変更の手続き(オの補足):
一般被保険者から高年齢被保険者(65歳到達)への変更等では、厳密には同一の被保険者番号で「種類変更」となります。正社員からパートへの変更は通常「一般被保険者のまま要件充足か否かの確認」になる場合が多いですが、雇用形態変更によって被保険者要件を満たさなくなる場合は喪失届の提出が必要です。
【雇用保険手続きの「電子申請化」と10日期限の実務的意義】
2020年以降、被保険者資格取得届・喪失届はe-Govまたは雇用保険電子申請(「e-Gov経由の申請」「ハローワークインターネットサービス」)での電子申請が原則化されています。社労士事務所では、顧問先の採用・退職情報を速やかに収集し「10日以内」の電子申請を管理することが基本業務です。10日という期限の厳守は、①新入社員への雇用保険被保険者証の交付が遅れない、②離職後の基本手当受給手続きに遅延が生じない、という実務上の意義があります。資格取得届の提出が遅延すると「被保険者期間の算定に誤りが生じるリスク」があり、特に被保険者期間が給付日数に直結する特定受給資格者判定では致命的な影響を持ちます。
【健保・厚年の「5日以内」との峻別(頻出混同論点)】
社労士試験では「雇用保険の資格取得届は10日以内」「健康保険・厚生年金の資格取得届は5日以内」という違いが頻出混同ポイントです。雇用保険は事業主が事実発生後10日以内に「ハローワーク(公共職業安定所長)」へ届出、健保・厚年は事実発生後5日以内に「日本年金機構(年金事務所長等)」へ届出と、提出先・期限が異なります。これを「4保険ともに5日以内」と誤って記憶している受験生は少なくありません。
【資格取得・喪失届の「事実があった日の翌日から」の計算】
「翌日から起算して10日以内」の計算は、例えば4月1日入社(被保険者資格取得日)の場合、4月2日から起算して4月11日が10日目(最終提出日)です。4月1日入社を「4月1日から起算」と誤って計算すると4月10日が期限となり1日ずれます。「翌日から起算」という点を正確に押さえることが実務の誤りを防ぎます。
【離職証明書の記載内容と紛争予防:社労士実務の価値発揮点】
離職証明書は「離職理由」の記載が重要です。「会社都合(特定受給資格者)」か「自己都合」かで、受給資格者の給付制限・所定給付日数が大きく異なります。事業主が「自己都合退職」として記載した離職票に対して、元従業員が「実質は解雇・退職勧奨」として異議申立てをするトラブルが頻発しています。社労士が離職証明書の作成に関与することで、離職理由の適正な記載と元従業員への正確な情報提供が実現します。ハローワークも「離職理由の相違申立て」を受け付けており、社労士が紛争予防の観点から事業主に「適正な記載」を徹底させることは法的リスク回避の最重要業務の一つです。
根拠: 雇用保険法第7条・第83条、雇用保険法施行規則第6条・第7条・第17条。厚生労働省「雇用保険の手続き(事業主向け)」(確認日2026-04-10)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第7条(被保険者に関する届出)、雇用保険法施行規則第6条・第7条(10日以内)、第83条(罰則) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。