社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 雇用保険法 問28|高年齢再就職給付金

問題

社労士 | 雇用保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

雇用保険法における高年齢再就職給付金に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。

ウの「75%未満である場合には支給されない」は誤りです。高年齢再就職給付金は、再就職後の賃金月額が、基本手当の算定の基礎となった賃金日額×30の75%未満に低下した場合に支給される給付金です(第61条の2第1項)。したがって「75%未満なら支給されない」はまったく逆で、正しくは「75%以上の場合に支給されない(75%未満に低下した場合に支給される)」です。

アは正しく、60歳到達後・65歳未満の年齢要件を正確に記述しています。イは正しく、残日数100日以上の要件を正確に記述しています。エは正しく、支給率の上限は10%(旧15%から縮減。第61条の2第3項で準用する第61条第5項)です。オは正しく、残日数200日以上→最長2年間、100日以上200日未満→最長1年間を正確に記述しています。

高年齢再就職給付金の支給要件(雇用保険法第61条の2):

要件内容
年齢要件60歳に達した日以後に安定した職業に就いたこと(65歳に達する月まで支給)
残日数要件就職日前日の基本手当残日数が100日以上
賃金低下要件再就職後の賃金月額が、基本手当の算定基礎の賃金日額×30の75%未満
雇用保険被保険者再就職により被保険者となること

支給率(第61条の2第3項で準用する第61条第5項):

賃金月額の水準支給率
64%未満に低下10%(上限)
64%以上75%未満低下率に応じて逓減
75%以上支給なし

各選択肢の精査:

  • ア(正): 60歳到達後・65歳未満の年齢要件を正確に記述。
  • イ(正): 残日数100日以上の要件を正確に記述。
  • エ(正): 支給率上限は10%(旧15%から縮減)。
  • ウ(誤・正答): 「75%未満なら支給されない」は逆。正しくは「75%以上なら支給されない」(75%未満に低下した場合に支給される。第61条の2第1項)。
  • オ(正): 残日数200日以上→最長2年間、100日以上200日未満→最長1年間を正確に記述。

高年齢再就職給付金と高年齢雇用継続基本給付金の違い(頻出):

給付金対象者
高年齢再就職給付金基本手当を受給した後に60歳以降に再就職した者
高年齢雇用継続基本給付金基本手当を受給せずに60歳以降も継続雇用(または初めて雇用)されている者

両者とも「75%以上なら支給されない」点は共通ですが、比較の基準は異なります(基本給付金=60歳到達時等のみなし賃金日額×30、再就職給付金=基本手当の算定基礎の賃金日額×30)。混同しないよう注意が必要です。

【令和7年4月改正による支給率縮減の政策的背景】

高年齢雇用継続給付(基本給付金・再就職給付金とも)は、60歳以降の賃金低下を補填し高齢者の就労継続を支援する制度です。令和7年4月(2025-04-01)から支給率の上限が15%から10%に縮減されました。この縮減は「賃金補填による就労促進から、雇用慣行・職場環境の整備による就労促進へ」とシフトする政策転換を反映しています。

【75%という不支給基準の設計思想】

「賃金月額が60歳到達時の75%以上であれば支給しない」という基準は、「賃金の低下幅が25%未満(75%以上維持)の場合は補填の必要性が低い」という政策判断を反映しています。逆に言えば、この給付金が必要とされる状況は「60歳到達時の賃金から25%以上の大幅な賃金ダウンが生じた場合」です。60歳定年後の再雇用(嘱託・契約社員等への移行)では賃金が大幅に下がるケースが多く、特に「管理職→一般職への移行で年収が大きく下がる」場面でこの給付金が実務上重要な意味を持ちます。

【高年齢再就職給付金の支給期間設計:残日数200日の閾値】

支給期間が「残日数200日以上→最長2年」「100日以上200日未満→最長1年」と設計されている理由は、「残日数が多いほど基本手当を長く受給できたはずの受給機会損失が大きい」ためです。再就職手当(一時金)と高年齢再就職給付金(月次給付)は、同一の就職について両方の要件を満たしても一方しか支給されず(第61条の2第4項)、受給資格者が「一時金で受け取るか、月次で受け取るか」を選択することになります(残日数の規模や賃金低下幅によって有利な方が異なる)。

【厚年との在職老齢年金調整との連携:社労士実務の核心】

60歳以降に在職しながら老齢厚生年金と高年齢再就職給付金を同時に受給する場合、厚生年金保険法第38条の2により、老齢厚生年金の一部が支給停止されます。停止率は「標準報酬月額に対して最大4%(令和7年4月以後・旧6%から縮減)」です。高年齢雇用継続給付の縮減に連動して、この年金停止率も同時に6%→4%に引き下げられており、「雇用保険の縮減=年金停止の緩和」という両制度の連動が重要です。社労士は顧問先の60歳以降の処遇設計において「高年齢雇用継続給付受給額」「在職老齢年金支給停止額」「手取り賃金」を総合的にシミュレーションする役割を担います。この実務スキルが社労士資格の市場価値の一つです。

根拠: 雇用保険法第61条・第61条の2、厚生年金保険法第38条の2。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条の2(高年齢再就職給付金。第1項=基本手当の算定基礎の賃金日額×30の75%未満で支給・残日数100日以上、第2項=支給期間2年/1年・65歳到達月まで、第3項=第61条第5項・第6項の準用、第4項=就業促進手当との選択) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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