問題
雇用保険法における育児休業給付金の賃金日額の上下限額に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
出生時育児休業給付金(産後パパ育休給付金)の賃金日額の上下限は、育児休業給付金と同一の上下限額が適用されます。「産後パパ育休は独自の高い上限額がある」とするエは誤りです。両給付は賃金日額の上下限を共通して適用しており、上下限額は毎年8月1日に改定されます(16,540円/日(令和8年8月改定))。
アは正しく、育児休業給付金の賃金日額の上下限は基本手当と同様に毎年8月1日改定です。イは正しく、育休開始から180日まで67%・180日超は50%の支給率を正確に述べています。ウは正しく、上限額を超える賃金日額の場合は上限額に支給率を乗じた額が支給されます。オは正しく、育児休業給付金の下限額は基本手当の賃金日額下限と同じ基準が適用されます。
育児休業給付金の賃金日額上下限(16,540円/日(令和8年8月改定)・毎年8月改定):
育児休業給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額(上限・下限の範囲内)× 支給日数 × 支給率
| 支給率 | 期間 | 条件 |
|---|---|---|
| 67% | 育休開始〜180日(6か月)まで | 原則(出生時育休期間を含む場合あり) |
| 50% | 育休開始から181日以降 | 180日経過後 |
| 80% | 出生後8週間以内・14日以上両親育休 | 出生後休業支援給付金と合算で80% |
賃金日額の上下限(16,540円/日(令和8年8月改定)):
育児休業給付金の賃金日額上下限は、雇用保険法第17条に基づく基本手当の賃金日額算定と同様の仕組みで設定されます。毎年8月1日に厚生労働大臣が公示する自動変更対象額に連動して改定されます。上限額×67%が育休給付金の実質上限額となります。
各選択肢の精査:
- ア(正): 毎年8月1日改定の事実を正確に記述。
- イ(正): 180日で67%→50%に変わる支給率を正確に記述。
- ウ(正): 上限額超の場合は上限額に支給率を乗じる計算方法を正確に記述。
- エ(誤・正答): 産後パパ育休(出生時育児休業給付金)の上下限は育児休業給付金と同一。「独自の高い上限」は存在しない。
- オ(正): 下限額は基本手当の賃金日額下限と同基準。
出生時育児休業給付金との支給率の違い:
産後パパ育休は育休開始後8週間以内・28日以内。この期間中の給付率は通常67%ですが、両親ともに14日以上取得した場合は「出生後休業支援給付金」が上乗せされ、合計80%(手取り10割相当)になります(13%の上乗せ)。
【賃金日額の上下限設定の法的根拠と実務的意義】
育児休業給付金の賃金日額(休業開始時賃金日額)は、雇用保険法第17条と同様の計算式で求めます。原則は「育休開始前6か月間の賃金総額÷180日」です。この日額が上限額を超えている高収入者は、実際の日額にかかわらず上限額が適用されます。逆に下限額を下回る最低賃金水準の労働者は、下限額が保障されます。毎年8月1日改定は、物価・賃金水準の変化に連動して給付水準を自動調整する仕組みです(16,540円/日(令和8年8月改定))。
【育休給付の実質「手取り10割」制度:2025年4月新設の出生後休業支援給付金との連動】
2025年4月(令和7年4月)から施行された「出生後休業支援給付金」(雇用保険法第61条の10・新設)は、子の出生後8週間以内(産後休業をした者は16週間以内)に両親ともに14日以上育児休業を取得した場合に、通常の育休給付金67%に13%を上乗せし、合計80%とするものです。さらに育休期間中は健保・厚年の保険料が免除されるため、「給付80%+保険料免除=手取り約100%」という訴求が政府・企業向けに展開されています。この新制度の上下限額は育児休業給付金と共通であることがポイントです。
【産後パパ育休(出生時育児休業)の制度設計と給付の関係】
2022年10月に施行された「産後パパ育休」(出生時育児休業)は、産後8週間以内に最大28日間・2回に分割して取得できる新制度です。対応する給付が「出生時育児休業給付金」であり、通常の育児休業給付金(育休開始から180日間67%・181日以降50%)とは別に、産後8週間の期間中は産後パパ育休の期間として計上されます。2025年4月以降、両親ともに産後パパ育休(14日以上)を取得した場合に上乗せの「出生後休業支援給付金」が加わることで、男性育休の促進効果が期待されています(男性育休取得率:30.1%)。社労士試験では「育休給付金・産後パパ育休給付金・出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金」の4種類の給付の支給要件・支給率・期間をセットで整理することが合格の鍵です。
【育児時短就業給付金(10%)との連続性】
育休復帰後、子が2歳未満の期間に時短勤務している場合は「育児時短就業給付金」(時短勤務中の賃金の10%・雇用保険法第61条の12・2025年4月新設)が支給されます。育休中の給付から育休復帰後の時短給付へ、シームレスに給付が続く制度設計は、「0歳〜2歳の子育て期間における親の経済的保護を切れ目なくカバーする」という政策意図を反映しています。社労士は従業員の育休・復帰計画の相談対応で、これら給付の全体像を説明できることが実務で求められます。
根拠: 雇用保険法第61条の7(育児休業給付金)・第61条の8(出生時育児休業給付金)・第61条の10(出生後休業支援給付金)・第61条の12(育児時短就業給付金)・第17条(賃金日額)。
- 雇用保険法第17条・第61条の10・第61条の12・第61条の7e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条の7(育児休業給付金)、雇用保険法施行規則第101条の20〜第101条の22、雇用保険法第17条(賃金日額) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

