雇用保険法30雇用保険法

社労士 雇用保険法 問30:雇用保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

雇用保険の適用事業に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 雇用保険法においては、農業、林業、水産業は常時5人未満の労働者を使用する事業であっても、当然に強制適用事業となり、任意加入の余地はない。
  • 農林水産業を営む事業主が、常時5人未満の労働者を使用する場合、雇用保険への加入は任意であり、被保険者となることを希望する労働者の2分の1以上の同意と事業主の申請に基づき、厚生労働大臣の認可を受けることで任意加入が認められる。正答
  • 雇用保険の暫定任意適用事業について、事業主が被保険者となることを希望する労働者の過半数の同意を得た場合には、強制的に任意加入手続きが開始され、事業主の意思にかかわらず保険関係が成立する。
  • 雇用保険の暫定任意適用事業の事業主が任意加入の申請をした場合に、当該申請に係る認可があった日の翌日から保険関係が成立するとされている。
  • 労働保険の保険関係において、個人経営の農業事業で常時5人以上の労働者を使用する事業は、雇用保険の強制適用事業となるが、5人未満であれば任意加入の道は一切存在しない。
正答:農林水産業を営む事業主が、常時5人未満の労働者を使用する場合、雇用保険への加入は任意であり、被保険者となることを希望する労働者の2分の1以上の同意と事業主の申請に基づき、厚生労働大臣の認可を受けることで任意加入が認められる。

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正答はイです。

農林水産業を営む事業主が常時5人未満の労働者を使用する場合、雇用保険は暫定任意適用事業(強制適用ではなく任意で加入できる)となります。任意加入の手続きは「被保険者となることを希望する労働者の2分の1以上の同意」と「事業主の申請」に基づき、厚生労働大臣の認可が必要です。イはこれを正確に述べており正しいです。

アは誤りで、農林水産業で5人未満の場合は強制適用ではなく暫定任意適用事業です。ウは誤りで、過半数の同意があっても事業主の申請が必要であり、強制的に保険関係が成立するわけではありません。エは誤りで、任意加入の認可があった日(翌日ではなく認可日)から保険関係が成立します。オは誤りで、5人未満でも任意加入(暫定任意適用)の道があります。

標準試験対策の基準レベル

雇用保険の適用事業の区分(雇用保険法第5条・附則):

| 区分 | 対象 |

|---|---|

| 強制適用事業 | 農林水産業を除くすべての事業(労働者を1人でも使用すれば自動的に適用) |

| 強制適用(農林水産) | 農業・林業・水産業で常時5人以上の労働者を使用する事業 |

| 暫定任意適用事業 | 農業・林業・水産業で常時5人未満の労働者を使用する個人事業 |

暫定任意適用事業の任意加入手続(雇用保険法附則第2条):

1. 同意取得: 被保険者になることを希望する労働者の2分の1以上の同意を得る

2. 事業主申請: 事業主が都道府県労働局長(厚生労働大臣委任)に申請

3. 認可: 認可を受けた日に保険関係成立(翌日ではなく当日)

各選択肢の精査:

  • ア(誤): 農林水産業の5人未満は暫定任意適用事業。強制適用ではない。
  • イ(正・正答): 2分の1以上の同意+事業主申請+厚生労働大臣認可の要件を正確に記述。
  • ウ(誤): 過半数の同意があっても、事業主が申請しない限り保険関係は成立しない。労働者が強制的に加入させることはできない。
  • エ(誤): 認可があった日の翌日からではなく認可があった日(当日)から保険関係成立(徴収法と異なる可能性に注意)。
  • オ(誤): 5人未満でも暫定任意適用事業として任意加入が可能。「任意加入の道は一切存在しない」は誤り。

「2分の1以上」と「過半数(半数超)」の区別:

2分の1以上(50%以上)≠ 過半数(50%超・過半数は50%超を意味する)という細かい区別も押さえること。本制度は「2分の1以上」(ちょうど半数でもOK)です。

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【暫定任意適用事業の「暫定」の意味:立法経緯と存続理由】

「暫定任意適用事業」の「暫定」とは、雇用保険制度が創設された1974年(昭和49年)当初から、農林水産業の零細事業者への強制適用は行政コスト・事業主の負担能力の観点から困難として「将来的に強制適用に移行することを前提に、暫定的に任意適用とする」措置を指します。しかし50年以上経過した現在も「暫定」のまま存続しており、農林水産業の零細事業者保護という観点から事実上恒久化しています。社労士試験ではこの「暫定任意適用事業が現行法でも存在すること」を問う問題が出ており、「全事業が強制適用」という誤認を排除することが重要です。

【2分の1以上同意要件の実務的機能:労使関係の均衡】

任意加入に労働者の2分の1以上の同意を要求するのは、「事業主が一方的に判断して加入する」または「事業主が加入したくない中で労働者が強制する」という両方向の問題を防ぐためです。労働者の過半数(50%超)ではなく「2分の1以上(50%以上)」である点は立法技術上のポイントで、同数の賛否が割れた場合でも加入申請が可能な設計です。一方、逆に任意脱退(加入後の任意解除)は「労働者の4分の3以上の同意」が必要とされ、脱退はより高いハードルが設定されています。これは「一旦加入した労働者の給付受給権を容易に剥奪しない」という保護原理に基づきます。

【農業事業主と雇用保険:実務上の重要性】

農業を営む事業主(農業法人・個人農家)にとって、雇用保険への加入は「農業従事者の季節的雇用」「農繁期の臨時雇用」との関係で複雑な問題をはらみます。農業の場合、雇用保険の「季節的受給」や「短期雇用特例」が適用されるケースも多く、社労士は農業事業主向けに「常時使用労働者数の判断」「任意加入か強制適用かの判定」「短時間被保険者・高齢者の取扱い」を総合的にアドバイスする必要があります。特に近年の農業法人化(農業生産法人・農事組合法人)の増加に伴い、「法人化後は5人未満でも種類によっては強制適用になるか」という判断が実務で頻繁に問われています。農業法人の法人形態(株式会社・有限会社・農事組合法人)によって適用関係が異なるため、法人設立時の社労士関与の重要場面となっています。

根拠: 雇用保険法第5条(強制適用事業)・附則第2条(暫定任意適用事業)。厚生労働省「雇用保険制度の概要」(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第5条(適用事業)、第6条(暫定任意適用事業の要件)、附則第2条(農林水産業の暫定任意適用) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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