社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働基準法 問32|労基法の罰則体系

問題

社労士 | 労働基準法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働基準法の罰則に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア. 強制労働の禁止(第5条)に違反した者は、1年以上10年以下の拘禁刑又は20万円以上300万円以下の罰金に処せられる。 イ. 中間搾取の排除(第6条)に違反した者の罰則は、強制労働の禁止(第5条)違反と同じ「1年以上10年以下の拘禁刑又は20万円以上300万円以下の罰金」である。 ウ. 使用者が、法で定める休憩時間を労働者に与えなかった場合(第34条違反)は、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。 エ. 使用者が労働者名簿・賃金台帳を作成せず、又は虚偽の記載をした場合(第107条・第108条違反)は、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。 オ. 使用者が、労働者を解雇するにあたり解雇予告又は解雇予告手当の支払いをしなかった場合(第20条違反)は、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられる。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正しいものはア・ウ・オの3つです。

アは正しく、強制労働の禁止(第5条)違反は労基法で最も重い「1年以上10年以下の拘禁刑又は20万円以上300万円以下の罰金」です(第117条)。ウは正しく、休憩不付与(第34条違反)は第119条の「6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」です。オも正しく、解雇予告違反(第20条違反)も第119条の対象です。

イは誤りです。中間搾取の排除(第6条)違反の罰則は第117条ではなく第118条の「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」で、強制労働の禁止と同じではありません。エも誤りです。労働者名簿・賃金台帳(第107条・第108条)違反は第120条の「30万円以下の罰金」のみで、拘禁刑は科されません。

労働基準法の罰則の階層(第117条〜第120条):

条文罰則の内容対象条文の例
第117条1年以上10年以下の拘禁刑又は20万円以上300万円以下の罰金第5条(強制労働の禁止)のみ
第118条1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金第6条(中間搾取の排除)・第56条(最低年齢)・第63条(坑内労働の禁止)・第64条の2
第119条6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金第20条(解雇予告)・第32条・第34条(休憩)・第35条・第37条・第61条 等
第120条30万円以下の罰金(拘禁刑なし)第14条・第15条第1項第3項・第57条〜第59条・第89条・第106条〜第109条(労働者名簿・賃金台帳を含む)

各選択肢の精査:

  • ア(正): 第117条は「第五条の規定に違反した者は」と対象を第5条のみに限定する。
  • イ(誤): 第6条(中間搾取の排除)は第118条の対象条文として列挙されており、第117条ではない。罰則の重さも異なる(第118条は上限50万円の罰金で、下限のある拘禁刑ではない)。
  • ウ(正): 第119条第1号に「第三十四条」が明記されている。
  • エ(誤): 第120条第1号に「第百六条から第百九条まで」とあり、第107条・第108条(労働者名簿・賃金台帳)は第120条(罰金のみ)の対象。第119条には列挙されていない。
  • オ(正): 第119条第1号に「第二十条」が明記されている。

正しいものはア・ウ・オの3つ=選択肢ウ「三つ」が正答。

【罰則体系の階層設計とその根拠】

労基法の罰則は、保護法益の重要度に応じて第117条から第120条までの4段階に分かれている。この階層を正確に押さえるには、暗記だけでなく各条文が列挙する対象条文を確認する姿勢が必要である。

第117条(最重罰・下限付き): 「第五条の規定に違反した者は、一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する」。対象は第5条(強制労働の禁止)のみであり、他の条文は含まれない。下限のある拘禁刑(1年以上)は労基法の罰則の中で唯一であり、暴行・脅迫・監禁等の手段によって労働者の意思に反して労働を強制する行為の悪質性の高さを反映している。

第118条: 「第六条、第五十六条、第六十三条又は第六十四条の二の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」。対象は第6条(中間搾取の排除)・第56条(最低年齢)・第63条(坑内労働の禁止)・第64条の2である。中間搾取の排除は、強制労働の禁止と並んで人身の自由に関わる重大な規制だが、第117条ではなく第118条に位置づけられており、罰則の重さ(上限1年の拘禁刑、上限50万円の罰金)は第117条より軽い。「強制労働=中間搾取=同じ最重罰」という理解は誤りであり、条文上明確に区別されている。

第119条: 「六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」対象として、第3条、第4条、第7条、第16条、第17条、第18条第1項、第19条、第20条、第22条第4項、第32条、第34条、第35条、第36条第6項、第37条、第39条(第7項を除く)、第61条、第62条、第64条の3から第67条まで、第72条、第75条から第77条まで、第79条、第80条、第94条第2項、第96条、第104条第2項等が列挙される。労働時間・休憩・休日・割増賃金・解雇予告・年少者や妊産婦の保護等、労働条件の根幹に関わる規定が中心である。

第120条: 「三十万円以下の罰金に処する」(拘禁刑を伴わない)対象として、第14条、第15条第1項若しくは第3項、第18条第7項、第22条第1項から第3項まで、第23条から第27条まで、第39条第7項、第57条から第59条まで、第64条、第68条、第89条、第90条第1項、第91条、第95条第1項若しくは第2項、第106条から第109条まで(法令等の周知義務、労働者名簿、賃金台帳、記録の保存)等が列挙される。手続的な義務・書面の作成保存義務違反はここに分類され、拘禁刑を伴わない点が第119条以上の条文との違いである。

【条文の列挙を確認せずに答えると誤りやすい理由】

社労士試験では「強制労働・中間搾取はどちらも最重罰」「名簿・台帳の不備も6か月以下の拘禁刑を伴う」といった直感的な理解に基づく誤り肢が頻出する。実際には第117条の対象は第5条のみに限定され、第6条は一段階軽い第118条に位置づけられている。また労働者名簿・賃金台帳(第107条・第108条)は拘禁刑を伴わない第120条の対象であり、第119条には含まれない。罰則の重さを問う問題では、対象条文の列挙を条文で確認する習慣が正答への近道である。

根拠: 労働基準法第117条・第118条・第119条・第120条。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )で2026-09-30時点の条文を確認。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第117条・第118条・第119条・第120条(罰則規定)。e-Gov法令検索で2026-09-30時点の現行条文を確認。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 労基法の罰則体系(第117条・第118条・第119条・第120条の対象条文の切り分け
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