労働者災害補償保険法12労働者災害補償保険法

社労士 労働者災害補償保険法 問12:労働者災害補償保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働者災害補償保険法における葬祭料(業務災害)・葬祭給付(通勤災害)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 葬祭料の額は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額であるが、この額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分が支給される。正答
  • 葬祭料は、実際に葬祭を行った者に支給されるため、被災労働者の遺族が葬祭を行った場合でも、葬儀費用を実際に支出した第三者(会社等)に優先支給権はない。
  • 葬祭料の請求権の時効は5年であり、死亡した日の翌日から起算される。
  • 葬祭料を受ける権利は、遺族補償給付の受給資格者の順位に従って支給され、遺族補償給付が支給される場合にのみ葬祭料も支給される。
  • 通勤災害による死亡の場合に支給される「葬祭給付」は、業務災害の「葬祭料」と支給額・請求権者・時効すべてが同一である。
正答:葬祭料の額は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額であるが、この額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分が支給される。

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正答はアです。

葬祭料の額は、①315,000円 + 給付基礎日額の30日分と、②給付基礎日額の60日分を比較して、大きい方の額が支給されます。アの記述はまさにこの計算式を正確に表しており、正しい記述です。

イは誤りで、葬祭を行った者に支給されますが、実際に葬祭費用を負担した第三者(会社・組合等)も「葬祭を行った者」として請求可能です。ウは誤りで、葬祭料の時効は5年ではなく2年です(法第42条)。エは誤りで、葬祭料は遺族補償給付とは独立して請求でき、遺族が葬祭料受給資格者でない場合もあります。オは誤りで、葬祭給付と葬祭料は支給額は同一ですが、請求権者等の扱いは細部で異なります。

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葬祭料・葬祭給付の計算(重要公式):

葬祭料(業務災害)・葬祭給付(通勤災害)の支給額は次のいずれか大きい額:

| 計算式 | 金額 |

|---|---|

| 315,000円 + 給付基礎日額の30日分 | (例)給付基礎日額1万円なら315,000円+300,000円=615,000円 |

| 給付基礎日額の60日分 | (例)給付基礎日額1万円なら600,000円 |

この例では①(615,000円)>②(600,000円)なので①が適用。給付基礎日額が低い場合は②が上回ることもある点を理解することが試験対策のポイントです。

各選択肢の精査:

  • ア(正): 315,000円+30日分 vs 60日分の「大きい方」という計算式を正確に記述。正しい。
  • イ(誤): 「葬祭を行った者」の解釈は実質的・経済的な意味で広く解される。会社が費用を実際に負担したのであれば「葬祭を行った者」として請求権が生じる場合がある(行政解釈・通達あり)。
  • ウ(誤): 葬祭料の時効は2年(法第42条・療養補償/休業補償/介護補償/二次健康診断等と同じ短期2年)。障害補償・遺族補償の5年とは異なる。
  • エ(誤): 葬祭料は遺族補償給付と独立した給付。遺族に受給資格者がいない場合でも、実際に葬祭を行った者(会社・友人等)が請求できる。
  • オ(誤): 葬祭給付と葬祭料は支給額の計算式は同一だが、一部負担金の扱いや請求手続きに差異がある場合がある。

時効の重要整理(法第42条):

| 給付種類 | 消滅時効 |

|---|---|

| 療養補償・休業補償・介護補償・二次健診・葬祭料 | 2年 |

| 障害補償・遺族補償 | 5年 |

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【葬祭料の計算式の趣旨:定額+日額加算の二重設計】

315,000円という定額部分は葬儀に必要な最低限の費用保障という性格を持ちます。一方、給付基礎日額の30日分は、被災者の生前の賃金水準に応じた付加的補償です。低賃金労働者(給付基礎日額が低い)の場合、①315,000円+30日分が60日分を下回ることがあり、その場合は60日分(②)を下限として保障することで、低賃金者が不利にならない設計となっています。

【葬祭料の請求権者の実務的解釈】

「葬祭を行った者」の意義について、厚生労働省の解釈では実際に葬祭を施行し、葬祭に要する費用を負担した者とされます。通常は遺族が施行しますが、遺族がいない・遺族が施行できない場合に使用者(会社)や友人等が施行した場合も受給権者となります。問題のイが誤りである根拠です。実務では、会社が社員の葬儀費用を立替払いした後に葬祭料を請求するケースがあり、社労士がその手続き支援を行います。

【時効2年と5年の区分の立法理由】

療養補償・休業補償・葬祭料等の2年時効は「比較的短期間で請求の要否が判明し、医療費・休業損失・葬儀費用は発生時点から速やかに請求が必要」という性格に基づきます。これに対し、障害補償・遺族補償の5年時効は「症状固定まで時間がかかる障害・生涯にわたる補償である遺族年金の性格から、長期の時効が必要」という根拠があります。社労士試験では「葬祭料は2年、障害・遺族は5年」という対比が頻出です。

【業務災害「葬祭料」vs 通勤災害「葬祭給付」の対比と実務上の注意点】

| 比較項目 | 業務災害(葬祭料) | 通勤災害(葬祭給付) |

|---|---|---|

| 根拠条文 | 法第17条 | 法第22条の5 |

| 支給額計算 | 同一(315,000+30日or60日の大きい方) | 同一 |

| 請求先 | 管轄労働基準監督署 | 管轄労働基準監督署 |

| 一部負担金 | なし | 特になし(通勤の一部負担金は療養給付のみ) |

選択肢オの誤りは「すべてが同一」という断定です。法的根拠条文・手続き番号(様式)等は異なります。ただし支給額の計算式は同一です。

【社労士実務との接続:死亡退職者の手続き一括対応】

労働者が業務上または通勤で死亡した場合、社労士は事業主側から以下の手続きを一括依頼されるケースが多い実務場面です:①葬祭料の請求代行、②遺族補償年金・一時金の請求代行、③未払賃金の確認・精算、④雇用保険の資格喪失届、⑤健保・厚年の資格喪失届。特に業務上死亡では葬祭料・遺族補償の「申請先は監督署(労災)」と「健保組合(健保側の埋葬料)」の両方への申請が必要であり、漏れがないか確認するチェックリスト運用が実務上重要です。

根拠: 労働者災害補償保険法第17条・第22条の5・第42条、同法施行規則第17条。厚生労働省「労災保険給付の概要(葬祭料)」(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第17条(葬祭料)、第22条の5(葬祭給付)、第42条(消滅時効)、同法施行規則第17条 <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): アの計算式「315,000円+給付基礎日額30日分」「ただし60日分が下限」は労災則第17条と整合。葬祭料の時効2年(法第42条)、遺族補償・障害補償の5年との対比も法令通り。正答ア(正しい)で一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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