社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働者災害補償保険法 問12|葬祭料・葬祭給付

問題

社労士 | 労働者災害補償保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働者災害補償保険法における葬祭料(業務災害)・葬祭給付(通勤災害)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

葬祭料の額は、①330,000円 + 給付基礎日額の30日分と、②給付基礎日額の60日分を比較して、大きい方の額が支給されます(施行規則第17条。2026年4月1日施行の改正で定額部分が315,000円から330,000円に引き上げられました)。アの記述はこの計算式を正確に表しており、正しい記述です。

イは誤りで、葬祭料は「葬祭を行う者」に支給されるもので、遺族補償給付を受ける遺族がいなくても、実際に葬祭を行った者(会社等)がいればその者に支給されます。ウは誤りで、葬祭料の時効は5年ではなく2年です(法第42条)。エは誤りで、葬祭料は遺族補償給付とは独立した給付です。オは誤りで、葬祭給付の時効も葬祭料と同じ2年です(法第42条)。

葬祭料・葬祭給付の計算(重要公式):

葬祭料(業務災害)・葬祭給付(通勤災害)の支給額は次のいずれか大きい額:

計算式金額
① 330,000円 + 給付基礎日額の30日分(例)給付基礎日額1万円なら330,000円+300,000円=630,000円
② 給付基礎日額の60日分(例)給付基礎日額1万円なら600,000円

この例では①(630,000円)>②(600,000円)なので①が適用。給付基礎日額が低い場合は②が上回ることもある点を理解することが試験対策のポイントです。

各選択肢の精査:

  • ア(正): 330,000円+30日分 vs 60日分の「大きい方」という計算式(施行規則第17条・2026年4月1日施行後)を正確に記述。正しい。
  • イ(誤): 葬祭料は「葬祭を行う者」に対して支給される(第12条の8第2項)。遺族補償給付の受給資格者の有無とは関係がなく、遺族がいなくても実際に葬祭を行った者に支給される。
  • ウ(誤): 葬祭料の時効は2年(法第42条・療養補償/休業補償/介護補償/二次健康診断等と同じ短期2年)。障害補償・遺族補償の5年とは異なる。
  • エ(誤): 葬祭料は遺族補償給付と独立した給付。遺族に受給資格者がいない場合でも、実際に葬祭を行った者(会社・友人等)が請求できる。
  • オ(誤): 葬祭給付は第17条を準用し支給額は同一、支給先も「葬祭を行う者」で同じ。時効も葬祭料と同じ2年(第42条)で、「5年」は誤り。

時効の重要整理(法第42条):

給付種類消滅時効
療養補償・休業補償・介護補償・二次健診・葬祭料2年
障害補償・遺族補償5年

【葬祭料の計算式の趣旨:定額+日額加算の二重設計】

330,000円という定額部分(2026年3月までは315,000円)は葬儀に必要な費用の保障という性格を持ちます。一方、給付基礎日額の30日分は、被災者の生前の賃金水準に応じた付加的補償です。給付基礎日額が高い(11,000円超)場合、①330,000円+30日分が②60日分を下回ることがあり、その場合は60日分(②)が支給され、賃金水準の高い被災者にも賃金に見合った額が保障される設計となっています。

【葬祭料の請求権者の実務的解釈】

条文上、葬祭料は「葬祭を行う者」に対し、その請求に基づいて行われます(第12条の8第2項)。受給者は遺族補償給付の受給資格者に限られていません。通常は遺族が葬祭を行いますが、遺族がいない場合などに使用者(会社)や友人等が葬祭を行ったときは、その者に支給されるとされています(行政解釈)。問題のイ・エが誤りである根拠です。

【時効2年と5年の区分(第42条第1項)】

第42条第1項は、療養補償給付・休業補償給付・葬祭料・介護補償給付・二次健康診断等給付(複数事業労働者・通勤災害の各給付を含む)を「行使することができる時から二年」、障害補償給付・遺族補償給付(同)を「五年」としています。傷病補償年金はどちらの列挙にもありません(請求によらず、所轄労働基準監督署長が支給の決定をする仕組み:施行規則第18条の2第1項)。社労士試験では「葬祭料は2年、障害・遺族は5年」という対比が頻出です。

【業務災害「葬祭料」vs 通勤災害「葬祭給付」の対比と実務上の注意点】

比較項目業務災害(葬祭料)通勤災害(葬祭給付)
根拠条文法第17条法第22条の5
支給額計算330,000円+30日分or60日分の大きい方同一(第22条の5第2項で第17条を準用)
時効2年2年
請求先管轄労働基準監督署管轄労働基準監督署
一部負担金なし特になし(通勤の一部負担金は療養給付のみ)

選択肢オの誤りは「時効は5年」とした点です。葬祭給付の時効は葬祭料と同じ2年です(第42条)。

【社労士実務との接続:死亡退職者の手続き一括対応】

労働者が業務上または通勤で死亡した場合、①葬祭料(葬祭給付)の請求、②遺族補償給付(遺族給付)の請求、③未払賃金の精算、④雇用保険の資格喪失届、⑤健保・厚年の資格喪失届といった手続が重なります(社労士は労災の請求を代理できる:社労士法第2条第1項第1号の3)。注意したいのは、同一の死亡について労災保険から葬祭料・葬祭給付を受けられる場合、健康保険の埋葬料は支給されないことです(健保法第55条第1項)。「労災と健保の両方に請求する」わけではありません。

根拠: 労働者災害補償保険法第12条の8第2項・第17条・第22条の5・第42条第1項、同法施行規則第17条(e-Gov 現行条文で確認 2026-09-30)、健康保険法第55条第1項、社会保険労務士法第2条第1項第1号の3。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第12条の8第2項(葬祭料は葬祭を行う者に支給)・第17条(葬祭料)、第22条の5(葬祭給付・第17条を準用)、第42条(消滅時効)、同法施行規則第17条(2026年4月1日施行の改正で31万5千円→33万円) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 葬祭料・葬祭給付(330,000円+給付基礎日額30日 vs 60日分
  • 頻出度A

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