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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働者災害補償保険法 問15|通勤災害の「住居」・「就業の場所」・「合理的な経路および方法」の精密定義

問題

社労士 | 労働者災害補償保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働者災害補償保険法に規定する通勤災害の「住居」・「就業の場所」・「合理的な経路および方法」に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(誤っている記述)です。

ウの誤りは「届け出た経路以外の経路はいかなる理由があっても合理的な経路とは認められない」という部分です。「合理的な経路」は届出経路に限定されるものではありません。厚生労働省の説明では、通勤のために通常利用する経路が複数あればいずれも合理的な経路となり、当日の交通事情により迂回した経路や、マイカー通勤者が駐車場を経由して通る経路なども合理的な経路となります。届出経路への限定は法律上の要件ではありません。

アは正しく、住居は住民票上の住所に限りません。イは正しく、外勤の場合は最初の用務先・最後の用務先が就業の場所になります。エは正しく、通常用いられる交通方法は平常用いているかどうかにかかわらず合理的な方法です。オは正しく、飲酒は通勤の中断に当たり、施行規則第8条の例外にも当たらないため、その後の帰路は通勤と認定されません(第7条第3項)。

通勤の定義(法第7条第2項)の3要件:

要件内容注意点
住居労働者が居住している家屋などの場所で、本人の就業のための拠点となるところ住民票上の住所に限らない。就業の必要上、家族と別に就業の場所の近くに借りたアパートも住居
就業の場所業務を開始し、または終了する場所外勤で特定区域の用務先を受け持つ場合は、最初の用務先・最後の用務先
合理的な経路・方法移動を行う場合に、一般に労働者が用いると認められる経路・方法届出経路への限定なし

「合理的な経路」の解釈(ウの誤りの根拠):

厚生労働省「労災保険給付の概要」(R8.7)は、「合理的な経路」を次のように説明しています。

状況扱い
通勤のために通常利用する経路が複数あるいずれも合理的な経路
当日の交通事情により迂回した経路合理的な経路
マイカー通勤者が駐車場を経由して通る経路など、通勤のためにやむを得ず通る経路合理的な経路
合理的な理由もなく、著しく遠回りとなる経路合理的な経路とはならない

各選択肢の解説:

  • ア(正): 「住居」は住民票上の住所に限定されない。就業のための拠点となる場所であれば、単身赴任先の宿舎・寮なども住居になり、天災や交通ストライキなどでやむを得ず会社近くのホテルに泊まる場合はそのホテルが住居になります(厚生労働省「労災保険給付の概要」)。
  • イ(正): 外勤業務で特定区域の数か所の用務先を受け持ち自宅との間を往復している場合は、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所、最後の用務先が業務終了の場所になります(同)。
  • ウ(誤・正答): 合理的な経路は届出経路への限定がありません。「いかなる理由があっても届出経路以外は認めない」という一律の規制は法律上存在しません。
  • エ(正): 通常用いられる交通方法(公共交通機関の利用、自動車・自転車などを本来の用法に従って使用、徒歩など)は、平常用いているかどうかにかかわらず合理的な方法になります(同)。
  • オ(正): 通勤の途中で飲酒する場合は「中断」に当たります(同)。飲酒は施行規則第8条の日常生活上必要な行為(日用品の購入等・職業訓練等・選挙権の行使等・診察や治療・一定の家族の介護)に当たらないため、中断の後の移動は通勤となりません(第7条第3項)。

【「住居」の概念の精密化と通勤認定の実務的問題】

通勤災害の「住居」の概念は一見単純に見えますが、実務では以下のような複雑な問題が生じます。

複数住居を持つ労働者の住居認定:

状況住居の扱い
就業の必要上、家族の住む場所とは別に就業の場所の近くにアパートを借りて通勤そのアパートが住居
通常は家族のいる所から通勤しているが、天災や交通ストライキなどでやむを得ず会社近くのホテルに泊まったそのホテルが住居
単身赴任者(赴任先住居と帰省先住居)赴任先住居と就業の場所の往復は通勤。赴任先住居と帰省先住居の間の移動は、転任に伴う配偶者等との別居など施行規則第7条の要件に当たる場合に通勤(第7条第2項第3号)

(上の2行は厚生労働省「労災保険給付の概要」の説明)

「就業の場所」の範囲と外勤の扱い:

就業形態就業の場所
通常の通勤(自宅→会社→自宅)会社(事業場)が就業の場所
外勤で特定区域の数か所の用務先を受け持ち、自宅との間を往復自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所、最後の用務先が業務終了の場所
複数の事業場で就業(本業→副業先)就業の場所から他の就業の場所への移動も通勤(第7条第2項第2号・施行規則第6条)

「合理的な経路」の解釈と届出経路の位置づけ:

労働者が事業主に届け出た通勤経路(通勤手当の算定等に用いるもの)は、「合理的な経路」の一つの目安にはなりますが、法律上の要件ではありません。

問題となる具体的なケース:

1. 引越後、届出を変更する前の新経路で事故: 届出の有無ではなく、その経路が一般に労働者が用いると認められる経路かどうかで判断されます

2. 電車の遅延で異なるルートを選択中に事故: 当日の交通事情により迂回した経路は合理的な経路です(厚生労働省「労災保険給付の概要」)

3. 合理的な理由もなく著しく遠回りの経路を選択: 合理的な経路とはなりません(同)

社労士実務:通勤災害の申請支援における「住居」・「就業の場所」・「経路」の確認ポイント:

通勤災害の申請支援では、以下を最初に確認します。

1. 災害発生場所が「住居と就業の場所の往復経路上」にあるか: 住居と就業の場所の位置関係・使用交通手段・通常経路と災害発生場所の位置関係を地図で確認

2. 「住居」の認定: 住民票住所以外(単身赴任先・寮等)から出発していた場合の取扱い

3. 「就業の場所」の認定: 外勤・複数就業などの勤務形態の場合

4. 逸脱・中断の有無: 経路から外れた行為の有無とその理由(施行規則第8条の行為を、やむを得ない事由により最小限度の範囲で行ったものか)

これらを丁寧に確認し、「通勤」の要件を満たすかどうかの判断を行うことが、社労士の通勤災害支援の出発点です。特に単身赴任者の住居間移動は施行規則第7条の要件(転任に伴う配偶者・子・要介護の父母等との別居など)の確認が欠かせません。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第7条第1項第3号・第2項(通勤の定義)・第7条第3項(逸脱・中断)・同法施行規則第7条(住居間移動の要件)・第8条(日常生活上必要な行為)、厚生労働省「労災保険給付の概要」(R8.7)「労災保険法における通勤の要件」 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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