労働者災害補償保険法20労働者災害補償保険法

社労士 労働者災害補償保険法 問20:労働者災害補償保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働者災害補償保険法に規定する「特別給付金」(特別支給金)に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 障害特別年金は、障害補償年金(第1級〜第7級)を受ける権利を有する者に対して、算定基礎日額の365日分の額に障害等級別の給付日数を乗じた額が支給される。正答
  • 障害特別一時金は、障害補償一時金(第8級〜第14級)を受ける権利を有する者に対して、算定基礎日額に障害等級別の給付日数(第8級503日〜第14級56日)を乗じた額が一時金として支給される。
  • 障害特別年金・障害特別一時金を支給する「算定基礎日額」は、被災前1年間に支払われた特別給与(ボーナス等)を365で除した額であり、給付基礎日額とは異なる計算基礎を用いる。
  • 遺族特別年金・遺族特別一時金も、算定基礎日額を基礎として支給され、特別給与(ボーナス)を保険給付に反映させる機能を持つ点は障害特別年金と共通である。
  • 特別支給金(特別給付金を含む)は、社会復帰促進等事業として支給されるものであり、労働者の過失(業務上の事故に対する過失相殺)によって減額されることはない。
正答:障害特別年金は、障害補償年金(第1級〜第7級)を受ける権利を有する者に対して、算定基礎日額の365日分の額に障害等級別の給付日数を乗じた額が支給される。

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正答はア(誤っている記述)です。

障害特別年金の計算式について、アでは「算定基礎日額の365日分の額に障害等級別の給付日数を乗じた額」としていますが、これは誤りです。

正しくは、障害特別年金は「算定基礎日額×障害等級別の給付日数分」が年額として支給されます。第1級なら算定基礎日額×313日分/年、第7級なら算定基礎日額×131日分/年というように、等級ごとの定められた日数倍数が直接算定基礎日額に乗じられます。「365日分の額に等級別日数を乗じる」という二重計算は誤りです。

標準試験対策の基準レベル

特別支給金(特別給付金)の体系と計算方法:

| 種類 | 対象者 | 計算式(概要) |

|---|---|---|

| 障害特別年金 | 障害補償年金(第1〜7級)受給者 | 算定基礎日額×等級別日数(第1級313日/年〜第7級131日/年) |

| 障害特別一時金 | 障害補償一時金(第8〜14級)受給者 | 算定基礎日額×等級別日数(第8級503日〜第14級56日)の一時金 |

| 遺族特別年金 | 遺族補償年金受給者 | 算定基礎日額×遺族数別日数/年 |

| 遺族特別一時金 | 遺族補償一時金受給者 | 算定基礎日額×1000日 |

| 傷病特別年金 | 傷病補償年金(第1〜3級)受給者 | 算定基礎日額×等級別日数/年 |

「算定基礎日額」(ボーナス反映)の意義:

給付基礎日額は被災直前3か月の賃金(通常賃金)を基礎としますが、ボーナス等の特別給与は含まれません。特別支給金の「算定基礎日額」は被災前1年間に支払われた特別給与(ボーナス等)を365で除した日額であり、保険給付にボーナス実態を反映させます。

各選択肢の精査:

  • ア(誤): 障害特別年金は「算定基礎日額の365日分の額に等級別日数を乗じる」ではなく「算定基礎日額×等級別日数(313〜131日)」が直接の年額計算。二重計算ではない。
  • イ(正): 障害特別一時金→算定基礎日額×等級別日数の一時金(第8〜14級)。計算式の基本的な説明としては概ね正しい。
  • ウ(正): 算定基礎日額=ボーナス等特別給与÷365→正しい。
  • エ(正): 遺族特別年金・一時金も算定基礎日額ベースでボーナスを反映→正しい。
  • オ(正): 特別支給金は社会復帰促進等事業として支給され、過失相殺の対象外→正しい。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【特別支給金制度の立法趣旨:「ボーナスを受け取れていたはず」の補償】

労災保険の給付基礎日額は「被災前3か月の賃金÷暦日数」で計算されますが、ボーナス(賞与)・歩合給等の「特別給与」は算入されません。その結果、ボーナスが年収の大きな割合を占める労働者(公務員・大企業正社員等)が被災した場合、「実際の年収より低い補償しか受けられない」という不均衡が生じます。特別支給金(特別給付金)制度は、この不均衡を是正するために1976年から段階的に整備されました。

【「算定基礎日額」の具体的計算と上限額】

算定基礎日額の計算:

1. 被災日の属する月の前月末日以前1年間に支払われた特別給与の総額を計算

2. その総額を365で除した額が「算定基礎日額」

ただし算定基礎日額には上限があります。被災時の給付基礎日額×365を「算定基礎日額の上限」とし、それを超える場合は上限額で計算します(給付基礎日額・特別給与の双方が反映された合理的上限)。

【特別支給金と損益相殺・過失相殺の関係:社労士試験と実務のポイント】

特別支給金(特別給付金)は社会復帰促進等事業として支給されるもので、以下の重要な取り扱いの違いがあります:

| | 保険給付(本体) | 特別支給金(付加的) |

|---|---|---|

| 過失相殺 | 適用あり(事業主の過失割合で支給調整) | 適用なし |

| 損益相殺(民事損害賠償との関係) | 損益相殺対象(賠償額から控除) | 損益相殺対象外(2022年最高裁確定) |

| 差額請求 | 補償されない部分は民事請求可 | 独立した給付(民事賠償とは別枠) |

この「特別支給金の損益相殺対象外」の法的位置づけは、2022年の最高裁判決(特別支給金は損害の填補の目的を有さず損益相殺の対象にならない)で確定しています。被災労働者にとっては「保険給付分は民事賠償から控除されるが、特別支給金は控除されない」ということで、実質的に特別支給金分は得になります。社労士実務(労災申請支援・損害賠償額の計算)では、この区別を正確に把握することが不可欠です。

【障害特別年金の実額計算例(等級別の確認)】

等級別の障害特別年金・一時金の日数(参考値):

  • 第1級:313日/年(年金)
  • 第3級:245日/年(年金)
  • 第7級:131日/年(年金)
  • 第8級:503日(一時金)
  • 第14級:56日(一時金)

例:算定基礎日額が5,000円/日で第3級の場合、障害特別年金=5,000×245=1,225,000円/年が特別支給金として受け取れます(保険給付の障害補償年金とは別枠)。

根拠: 労働者災害補償保険法特別支給金支給規則第6条・第7条・第11条・第12条(障害特別年金・一時金・遺族特別年金・一時金)。確認日2026-06-08。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法特別支給金支給規則第6条(障害特別年金)・第7条(障害特別一時金) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): ★2026-06-08修正:旧イも「算定基礎日額の365日分の額に給付日数を乗じる」という同種の誤り計算式となっていたため、「算定基礎日額×等級別日数」と正しい計算式に書き換えて一意性を確保。アが誤り。障害特別年金の正しい計算式は「算定基礎日額×障害等級別日数(第1級=313日分/年・第2級=277日分/年・第3級=245日分/年…第7級=131日分/年)」(特別支給金支給規則第6条)。アの「算定基礎日額の365日分の額に等級別日数を乗じた額」は二重計算となる明確な誤り。イ(一時金・算定基礎日額×等級別日数)・ウ(算定基礎日額=特別給与÷365)・エ(遺族特別年金も算定基礎日額ベース)・オ(特別支給金は過失相殺対象外)はいずれも正しい。正答アで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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