問題
労働者災害補償保険法第29条及び第34条に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオ(誤っている記述)です。
社会復帰促進等事業の実施基準は、実施主体が独立行政法人労働者健康安全機構である場合も含めて、第29条第2項により厚生労働省令で定めるとされています。機構が自ら基準を定めるという規定はなく、オは誤りです。
ア・イは29条2項・3項の文言どおりで正しい記述です。ウ・エは、中小事業主等の第一種特別加入について、特別加入保険料の滞納中の事故や事業主本人の故意・重大な過失による事故を政府が不支給とできる旨を定めた第34条第1項第4号の文言どおりで正しい記述です。
第29条(実施基準・実施主体)と第34条第1項第4号(給付制限)の整理:
| 条項 | 内容 |
|---|---|
| 第29条第2項 | 社会復帰促進等事業(1号〜3号)の実施基準は厚生労働省令で定める |
| 第29条第3項 | 社会復帰促進等事業のうち、独立行政法人労働者健康安全機構法第12条第1項に掲げるものは、独立行政法人労働者健康安全機構に行わせる |
| 第34条第1項第4号前段 | 中小事業主等(第一種特別加入)の事故が、第一種特別加入保険料の滞納期間中に生じたものであるときは、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができる |
| 第34条第1項第4号後段 | 中小事業主等の業務災害の原因である事故が、第33条第1号の事業主の故意又は重大な過失によって生じたものであるときも、同様(不支給とできる) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 29条2項の文言どおり。実施基準の委任先は「厚生労働省令」。
- イ(正): 29条3項の文言どおり。実施主体の一部が独立行政法人労働者健康安全機構であること。
- ウ(正): 34条1項4号前段の文言どおり。特別加入保険料滞納中の事故は不支給とできる。
- エ(正): 34条1項4号後段の文言どおり。事業主本人の故意・重過失による事故も同様に不支給とできる。
- オ(誤・正答): 実施基準は機構が独自に定めるのではなく、29条2項により厚生労働省令で定められる。機構は実施主体であって基準の制定主体ではない。
【29条2項と3項が別事項を定めていること】
第29条2項は「基準を何で定めるか」、3項は「実施を誰が行うか」という、別の事項を定めています。2項は「前項各号に掲げる事業の実施に関して必要な基準は、厚生労働省令で定める。」とし、社会復帰促進等事業のすべて(1号〜3号)について基準を厚生労働省令に委ねています。3項は「政府は、第一項の社会復帰促進等事業のうち、独立行政法人労働者健康安全機構法第十二条第一項に掲げるものを独立行政法人労働者健康安全機構に行わせるものとする。」とし、事業の一部(同機構法12条1項が定める範囲)について実施主体を機構に指定しています。オのように「機構が自ら基準を定める」とすると、この2項と3項の役割分担を取り違えることになります。2項は機構が行う事業を除外していないため、機構が実施する事業も、基準は厚生労働省令によります。
【34条1項4号が「保険給付を行わないことができる」とする2つの場合】
第34条1項は、中小事業主等(第33条1号・2号)について包括して特別加入が承認された場合の効果を1号から4号までで定め、その4号で保険給付を制限できる場合を2つ定めています。前段は、当該中小事業主等の事故が「徴収法第十条第二項第二号の第一種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるとき」です。後段は「これらの者の業務災害の原因である事故が前条第一号の事業主の故意又は重大な過失によつて生じたものであるとき」で、対象は業務災害に限られ、故意・重過失の主体は被災した本人ではなく第33条1号の事業主です。いずれも「行わないことができる」という裁量の規定であり、「行わない」とする第12条の2の2第1項(労働者本人の故意による支給制限)とは書きぶりが異なります。
【中小事業主等の特別加入者にかかる2種類の給付制限】
第34条1項1号は、承認があったときは第33条1号・2号の者を「当該事業に使用される労働者とみなす」と定め、このみなしは第三章第一節から第三節まで(第12条の2の2を含む保険給付の通則・業務災害・通勤災害)の適用について働きます。そのため中小事業主等の特別加入者には、①第12条の2の2(労働者の故意・故意の犯罪行為・重大な過失・療養指示違反による支給制限)がかかるうえに、②第34条1項4号(特別加入保険料の滞納・事業主の故意重過失による支給制限)という特別加入に固有の制限が加わります。②は、事業主に使用される通常の労働者には置かれていない規定です。
根拠: 労働者災害補償保険法第29条、第34条第1項、第12条の2の2(e-Gov 法令API v2・2026-09-30時点の現行条文で全文確認)。
- 労働者災害補償保険法第29条e-Govで原文を読む
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第10条・第十条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第29条第2項・第3項、第34条第1項第4号、第12条の2の2 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

