社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働者災害補償保険法 問23|労災保険率とメリット制・保険料の負担者

問題

社労士 | 労働者災害補償保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働保険の保険料の徴収等に関する法律に規定する労災保険率及び労働保険料の負担に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はエ(誤っている記述)です。

第12条第3項のメリット制の発動要件は、連続する3保険年度中の収支率が「100分の85を超え、又は100分の75以下」である場合です。「100分の50を超え、又は100分の30以下」とするエは数値が誤りです。

ア・イ・ウ・オは条文どおりで正しい記述です。労災保険率は過去3年間の災害率等を考慮して厚生労働大臣が定め(12条2項)、メリット制では労災保険率から非業務災害率を減じた率を100分の40の範囲内で増減し(同条3項)、労災保険率に対応する部分の保険料は労働者負担の定めがなく事業主が全額を負担します(31条)。

徴収法12条・31条の整理:

項目内容
一般保険料率(12条1項)労災・雇用両方成立→労災保険率+雇用保険率/労災のみ→労災保険率/雇用のみ→雇用保険率
労災保険率の決定(12条2項)過去3年間の業務災害・複数業務要因災害・通勤災害に係る災害率等を考慮して厚生労働大臣が定める
メリット制の発動要件(12条3項)連続する3保険年度中の収支率が100分の85を超え、又は100分の75以下である場合
メリット制の調整幅(12条3項)労災保険率から非業務災害率を減じた率を、100分の40の範囲内において厚生労働省令で定める率だけ引上げ・引下げ、非業務災害率を加える
労働保険料の負担(31条)1項は雇用保険率に応ずる部分(雇用保険のみの事業は一般保険料)から二事業率分を除いた額の2分の1を被保険者(労働者)の負担とし、2項は日雇労働被保険者の印紙保険料の2分の1。3項で事業主は労働保険料の額から被保険者負担額を控除した額を負担

各選択肢の解説:

  • ア(正): 12条1項1号の文言どおり。
  • イ(正): 12条2項の文言どおり。
  • エ(誤・正答): メリット制の発動要件は「100分の85を超え、又は100分の75以下」であり、「100分の50を超え、又は100分の30以下」ではない。
  • ウ(正): 12条3項の「労災保険率から非業務災害率を減じた率を百分の四十の範囲内において厚生労働省令で定める率だけ引き上げ又は引き下げた率に非業務災害率を加えた率」のとおり。
  • オ(正): 31条1項は雇用保険率に応ずる部分(2項は印紙保険料)のみを対象とし、労災保険率に応ずる部分の被保険者負担は定められていないため、3項により事業主が全額を負担する。

【一般保険料率の「加算」構造(12条1項)】

労災保険と雇用保険の両方の保険関係が成立している事業では、事業主が納付する一般保険料に係る保険料率は「労災保険率」と「雇用保険率」を単純に加算した率になります(12条1項1号)。労災保険に係る保険関係のみが成立している事業では労災保険率のみ(2号)、雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業では雇用保険率のみ(3号)が保険料率になります。労災保険率は12条2項(災害率等を考慮して厚生労働大臣が定める)、雇用保険率は12条4項(失業等給付費等充当徴収保険率・育児休業給付費充当徴収保険率・二事業費充当徴収保険率の合計)と、それぞれ別の項で定められています。

【メリット制の数値要件(12条3項)の構造】

メリット制は、12条2項で定められた労災保険率を、個々の事業の業務災害に関する保険給付の実績(収支率)に応じて増減させる仕組みです。第12条3項は、連続する3保険年度中の各保険年度において一定規模以上(100人以上の労働者を使用する事業等)の事業であって、基準日において労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上経過したものについて、業務災害に関する保険給付の額等と一般保険料の額等との割合(収支率)が「100分の85を超え、又は100分の75以下」である場合に、当該事業についての労災保険率から非業務災害率を減じた率を「100分の40の範囲内において厚生労働省令で定める率」だけ引き上げ又は引き下げることができると定めています。増減後の率は、基準日の属する保険年度の「次の次の保険年度」の労災保険率になります。エはこの85%・75%という基準を50%・30%と誤って置き換えたものです。

なお、具体的な労災保険率は徴収法施行規則第16条・別表第1(労災保険率表)で事業の種類ごとに定められており、2026年9月30日時点の別表第1では、最高が「金属鉱業、非金属鉱業(石灰石鉱業又はドロマイト鉱業を除く。)又は石炭鉱業」の1000分の88、最低が「金融業、保険業又は不動産業」などの1000分の2.5です(本問の正誤には使っていません。労災保険率は改定されることがあるので、受験年度の別表第1で確かめてください)。

【労災保険率に応ずる部分に「労働者負担」の定めがない仕組み(31条)】

第31条1項は「次の各号に掲げる被保険者は、当該各号に掲げる額を負担するものとする」として、1号(労災・雇用両保険成立の事業)は「一般保険料の額のうち雇用保険率に応ずる部分の額」から、2号(雇用保険のみ成立の事業)は「一般保険料の額」(=雇用保険率による額)から、それぞれ二事業率分を除いた額の2分の1を被保険者(労働者)の負担と定めています。労災保険率に応ずる部分については、条文上どの号にも被保険者負担の算定式が置かれていません。第3項は「事業主は、当該事業に係る労働保険料の額のうち当該労働保険料の額から前二項の規定による被保険者の負担すべき額を控除した額を負担するものとする。」と定めており、被保険者負担が定められていない部分(=労災保険率に応ずる部分)は、控除の対象がないため、事業主がその全額を負担する結果になります。「労働者負担を定めた規定がない部分は、3項により事業主の負担になる」という読み方で、条文から直接導けます。

根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第12条、第31条、同法施行規則第16条・別表第1(e-Gov 法令API v2・2026-09-30時点の現行条文で全文確認)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第12条、第31条 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 労災保険率とメリット制・保険料の負担者(徴収法第12条・第31条
  • 頻出度A

この論点をくわしく読む

関連する問題

ページの先頭へ