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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働者災害補償保険法 問28|算定基礎日額と特別給付金の関係

問題

社労士 | 労働者災害補償保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働者災害補償保険特別支給金支給規則に規定する「算定基礎日額」および特別支給金に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(誤っている記述)です。

特別年金・特別一時金(障害特別年金・遺族特別年金・傷病特別年金・障害特別一時金・遺族特別一時金)は、「算定基礎日額」を基準として計算されます。設問ウの「給付基礎日額を基準として計算される」は誤りです。

ただし「休業特別支給金」は別で、休業給付基礎日額×20%で計算されます。混同しやすい論点です:

  • 特別年金・特別一時金 → 算定基礎日額が基準
  • 休業特別支給金 → 休業給付基礎日額が基準

算定基礎日額は「被災前1年間に受けた賞与等特別給与の総額÷365」で計算し、特別給与総額(算定基礎年額)の上限は「給付基礎日額×365×20%」と「150万円」です(支給規則第6条)。

算定基礎日額と給付基礎日額の使い分け:

区分基準となる日額給付の種類
保険給付本体給付基礎日額療養補償給付・休業補償給付・傷病補償年金・障害補償給付・遺族補償給付・葬祭料・介護補償給付
特別支給金(特別年金・特別一時金)算定基礎日額障害特別年金・遺族特別年金・傷病特別年金・障害特別一時金・遺族特別一時金(支給規則第7条〜第11条・別表第二・別表第三)
休業特別支給金休業給付基礎日額1日につき休業給付基礎日額の100分の20(支給規則第3条第1項)
定額の特別支給金日額によらない障害特別支給金(342万〜8万円)・遺族特別支給金(300万円)・傷病特別支給金(114万〜100万円)

算定基礎日額の計算(支給規則第6条):

  • 算定基礎年額: 負傷又は発病の日以前1年間に支払われた特別給与の総額(第1項)
  • 上限①: 給付基礎日額 × 365 × 20% を超えるときはその額(第3項)
  • 上限②: 150万円を超えるときは150万円(第5項)
  • 算定基礎日額: 算定基礎年額 ÷ 365(第6項。1円未満切上げ=第7項)

各選択肢の整理:

  • ア(正): 算定基礎日額の定義(特別給与総額〔上限あり〕÷365)は正しい。
  • イ(正): 被災前直前1年間の特別給与総額(上限あり)を365で除する計算は正しい。
  • ウ(誤): 「給付基礎日額を基準として計算される」が誤り。特別年金・特別一時金は算定基礎日額を基準として計算される(休業特別支給金は別系統で休業給付基礎日額が基準)。
  • エ(正): 特別給与総額が「給付基礎日額×365×20%」を超える場合は、その額を算定基礎年額とする(第6条第3項)。
  • オ(正): 特別支給金は保険給付ではなく、社会復帰促進等事業(法第29条)として支給される。

休業特別支給金と算定基礎日額の関係の注意点:

休業特別支給金(休業給付基礎日額の20%相当)は「休業給付基礎日額」が基準であり「算定基礎日額」ではありません。これは特別年金・特別一時金(算定基礎日額が基準)との混同が生じやすい重要な区別です。

【算定基礎日額の制度趣旨:賞与補償の公平性の確保】

労災保険の給付基礎日額は「平均賃金(日常の給与を基準とした1日当たりの賃金額)」が基礎となります(法第8条第1項)。しかし、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(多くのボーナス=特別給与)は「平均賃金」の計算から除外されています(労基法第12条第4項)。

この結果、「高額のボーナスを受けていた労働者」が被災した場合でも、ボーナス部分は給付基礎日額に反映されず、保険給付が実際の収入水準を大幅に下回るという「補償の過少」問題が生じました。

算定基礎日額(特別給与額 ÷ 365)を用いた特別支給金(特別年金・特別一時金)制度は、この問題に対応するために設けられました。「日常の給与部分(給付基礎日額ベース)」と「特別給与部分(算定基礎日額ベース)」を分けて補償することで、被災前の実際の収入水準に近い補償を実現します。

【特別給与の上限規制:2つの上限の関係】

算定基礎年額には2つの上限があります(支給規則第6条)。

1. 給付基礎日額×365×20%(第3項): 算定基礎日額は実質的に給付基礎日額の20%を超えない。特別給与の割合が極端に高い賃金構造でも、特別支給金の年金が保険給付本体と釣り合わないほど大きくならないようにする仕組みと理解できる

2. 150万円(第5項): 特別給与が高額な労働者についての絶対額の上限。算定基礎日額に直すと150万円÷365で、1円未満は切り上げる(第7項)

例えば給付基礎日額が1万円の労働者なら、①は1万円×365×20%=73万円なので、1年間の特別給与が100万円でも算定基礎年額は73万円、算定基礎日額は2,000円になります。

【保険給付でないことの意味:損害賠償との関係】

特別支給金は保険給付ではなく社会復帰促進等事業(法第29条)として支給されます。第三者行為災害の求償・支給調整(法第12条の4)や事業主の損害賠償との調整(附則第64条)が対象としているのは「保険給付」であり、特別支給金はその対象になっていません。判例(最高裁)も、特別支給金は損害の填補を目的とするものではないとして、損害賠償額から控除しない立場をとっています。

被災労働者が民事損害賠償を請求する際に「特別支給金を差し引かずに損害額を計算できる」という点は、実務上重要な意味を持ちます。

【社労士の実務:算定基礎日額の確認と特別支給金申請支援】

社労士が被災労働者の労災申請を支援する際、以下の点が実務上重要です:

1. 算定基礎日額の計算: 被災前1年間の賞与等特別給与の実績を使用者から取得し、上限適用後の算定基礎日額を計算する。特別給与の証明(賞与明細・源泉徴収票等)の収集が必要。

2. 特別支給金の種類と申請タイミング: 障害特別年金(障害補償年金の申請時)・遺族特別年金(遺族補償年金の申請時)等、保険給付本体の申請と合わせて特別支給金の申請書(様式別途)も提出する。

3. 特別給与の総額の届出: 算定基礎年額の基礎となる特別給与の総額は届出の対象とされている(支給規則第12条「特別給与の総額の届出」)。賞与の支給実績を早めに確認しておくことが、特別支給金の額を正しく決めるための前提になる。

根拠: 労働者災害補償保険法第8条(給付基礎日額)・第12条の4・第29条・附則第64条、労働者災害補償保険特別支給金支給規則第2条・第3条・第6条・第7条〜第12条・別表第二・別表第三、労働基準法第12条第4項。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険特別支給金支給規則第2条(特別支給金の種類)・第3条(休業特別支給金)・第6条(算定基礎年額・算定基礎日額)・第7条〜第11条・別表第二・別表第三、労働者災害補償保険法第29条(社会復帰促進等事業) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

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