問題
労働者災害補償保険法第33条第6号・第7号及び第36条に規定する海外派遣者の特別加入に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(誤っている記述)です。
第36条第1項は「第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主が、同条第六号又は第七号に掲げる者を…保険給付を受けることができる者とすることにつき申請をし、政府の承認があつたときは…」と定めています。申請するのは第6号の団体又は第7号の事業主であり、派遣される労働者本人ではありません。イはこの申請主体を取り違えており、誤りです。
ア・ウ・エ・オは条文どおりで正しい記述です。
第33条6号・7号と第36条の関係:
| 条項 | 内容 |
|---|---|
| 第33条第6号 | 開発途上地域への技術協力実施団体が、その業務実施のため当該地域で行う事業に従事させるために派遣する者 |
| 第33条第7号 | 施行地内で事業を行う事業主が、施行地外の地域で行う事業に従事させるために派遣する者(特定事業でない場合は労働者として派遣する者に限る) |
| 第36条第1項 | 6号の団体又は7号の事業主が申請し、政府の承認があれば、6号・7号の者は当該事業に使用される労働者とみなされる |
| 第36条第2項 | 第34条第2項・第3項(脱退・取消し)及び第4項(受給権の不変更)を準用 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 7号の文言どおり。
- イ(誤・正答): 申請主体は「6号の団体又は7号の事業主」であり、労働者本人が直接申請する規定ではない。
- ウ(正): 7号の括弧書きどおり。
- エ(正): 6号の文言どおり。
- オ(正): 第36条第2項が第34条第2項(任意脱退)を準用していることによる。準用の読替えで「同号及び同条第二号に掲げる者を包括して」は「同条第六号又は第七号に掲げる者を」とされている。
【申請するのは「派遣する側」の団体・事業主】
第36条第1項は、第33条6号の団体又は7号の事業主が、6号・7号の者を「当該団体又は当該事業主がこの法律の施行地内において行う事業(事業の期間が予定される事業を除く。)についての保険関係に基づき」保険給付を受けることができる者とすることにつき「申請をし、政府の承認があつたとき」に、特別加入の効果が生じると定めています。申請するのは派遣する側(団体・事業主)であり、派遣される本人が単独で申請する規定は置かれていません。また、特別加入の根拠となるのは派遣元が国内で行う事業(期間の定めのある有期事業を除く)の保険関係です。承認があると、6号・7号の者は「当該事業に使用される労働者とみなす」とされます(同項1号)。
【第36条が第34条を準用する範囲】
第36条第2項は「第三十四条第二項及び第三項の規定は前項の承認を受けた第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主について、第三十四条第四項の規定は第三十三条第六号又は第七号に掲げる者の保険給付を受ける権利について準用する。」と定めます。これにより、第34条第2項(承認後も政府の承認を受けて特別加入をやめられること)、第3項(法令違反があったときの政府による承認取消し)、第4項(受給権の不変更)の仕組みが、海外派遣者の特別加入にも及びます。ただし準用の読替えで、第34条第2項の「同号及び同条第二号に掲げる者を包括して」は「同条第六号又は第七号に掲げる者を」と読み替えられており、中小事業主等(1号・2号の者を「包括して」扱う)とは書き方が異なります。オの記述は、この読替え後の第34条第2項の内容を正しく述べたものです。
【7号の括弧書き:「特定事業」該当性による対象者の限定】
第33条7号は「(当該事業が特定事業に該当しないときは、当該事業に使用される労働者として派遣する者に限る。)」という括弧書きを付しています。ここでいう「特定事業」とは第33条1号の「厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業」を指し、要するに中小規模の事業を意味します。派遣先の海外の事業が中小規模(特定事業)に該当する場合は、その事業の事業主自身(中小事業主等に相当する立場の者)も7号の対象になり得ますが、派遣先の事業が特定事業に該当しない(大規模な)場合は、労働者として派遣される者に限って7号の対象になるという書き分けです。この括弧書きの意味を正確に押さえることが、第33条7号を正しく理解する鍵になります。
【6号(開発途上地域への技術協力)と7号の違い】
第33条6号は、施行地外の地域のうち開発途上にある地域に対する技術協力の実施の事業(事業の期間が予定される事業を除く。)を行う「団体」が、その業務の実施のため当該地域で行われる事業に従事させるために派遣する者を対象とします。7号は、施行地内で事業を行う「事業主」が施行地外の地域で行われる事業に従事させるために派遣する者です。派遣元が「団体」か「事業主」か、派遣先が「開発途上にある地域」に限られるかどうかが条文上の違いです。なお、6号・7号とも、保護制度の状況等を考慮して厚生労働省令で定める国の地域は除かれます。6号・7号はいずれも第36条の同じ手続(団体又は事業主による申請と政府の承認)に服します。
根拠: 労働者災害補償保険法第33条第6号・第7号、第36条(e-Gov 法令API v2・2026-09-30時点の現行条文で全文確認)。
- 労働者災害補償保険法第33条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働者災害補償保険法第33条第6号・第7号、第36条 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

