社会保険一般常識13社会保険に関する一般常識(社一)

社労士 社会保険一般常識 問13:社会保険に関する一般常識(社一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

介護保険の保険給付に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

  • 介護保険の保険給付は、「介護給付」と「予防給付」の2種類のみで構成される。市町村が独自に上乗せ・横出しサービスを提供する場合は、介護保険の「給付」ではなく、市町村の一般財源による「地域支援事業」として行われる。
  • 介護給付は、要介護認定(要介護1〜5)を受けた者が対象であり、居宅介護サービス費・施設介護サービス費・地域密着型介護サービス費等が含まれる。正答
  • 予防給付は、要支援認定(要支援1・2)を受けた者に加え、要介護1の認定を受けた者も対象となる。要介護1の者には予防的観点から予防給付が優先して適用される。
  • 市町村特別給付は、全国の市町村が同一の基準で実施することが法令上義務付けられており、その費用は介護保険の保険料によって賄われる。国の定める給付基準に従う必要がある。
  • 介護給付には「居宅介護サービス費」「地域密着型介護サービス費」「居宅介護福祉用具購入費」「居宅介護住宅改修費」「居宅介護サービス計画費(ケアマネジメント費)」等が含まれるが、施設介護サービス費は含まれない。
正答:介護給付は、要介護認定(要介護1〜5)を受けた者が対象であり、居宅介護サービス費・施設介護サービス費・地域密着型介護サービス費等が含まれる。

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正答はイ(正しい記述)です。

介護保険の保険給付は3種類(介護給付・予防給付・市町村特別給付)に区分されます。アは「2種類のみ」としている点で誤りです。

イは正しく、「要介護1〜5の認定を受けた者が介護給付の対象」であり、居宅介護サービス費・施設介護サービス費・地域密着型サービス費等が含まれます。

ウは誤りで、予防給付は要支援1・2の者が対象です。要介護1の者は予防給付ではなく介護給付の対象になります。エは誤りで、市町村特別給付は各市町村が独自に上乗せ・横出しできる給付であり、全国統一基準ではありません。オは誤りで、介護給付には施設介護サービス費も含まれます。

標準試験対策の基準レベル

介護保険の保険給付 3区分(最重要整理):

| 給付区分 | 対象者 | 主な給付内容 | 根拠条文 |

|---|---|---|---|

| 介護給付 | 要介護1〜5の認定者 | 居宅介護サービス費・施設介護サービス費・地域密着型介護サービス費・福祉用具購入費・住宅改修費・ケアマネジメント費 | 第40条〜51条 |

| 予防給付 | 要支援1・2の認定者 | 介護予防サービス費・地域密着型介護予防サービス費・介護予防福祉用具購入費・介護予防住宅改修費・介護予防ケアマネジメント費 | 第52条〜61条 |

| 市町村特別給付 | 要介護1〜5または要支援1・2の認定者(市町村が独自設定) | 市町村が独自に定める上乗せ・横出しサービス(例: 移送サービス・配食サービス・紙おむつ支給) | 第62条 |

各選択肢の誤りの核心:

  • : 「2種類のみ」は誤り。市町村特別給付を含む3種類が正しい。
  • : 要介護1は「介護給付」の対象。予防給付は要支援1・2限定。
  • : 市町村特別給付は各市町村の独自判断で設定。国の統一基準はなく、費用は当該市町村の第1号被保険者(65歳以上)の保険料で賄われる(第62条・全国一律ではない)。
  • : 施設介護サービス費(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院等)も介護給付に含まれる(第48条)。

「介護給付」内の居宅系と施設系の対比(イの内容の深掘り):

  • 居宅系: 訪問介護・通所介護・短期入所(ショートステイ)等
  • 施設系: 特養(介護老人福祉施設)・老健(介護老人保健施設)・介護医療院
  • 地域密着型: 小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)等
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【介護保険給付の3区分の成立経緯と「地域支援事業」との境界】

介護保険制度は2000年(平成12年)4月に施行されました。当初は「要介護認定者への介護給付」のみでしたが、2006年(平成18年)改正により「要支援認定者への予防給付」と「地域支援事業」が創設・再編されました。この改正の背景には「軽度要介護者(要介護1相当)の増加を予防的に抑制する」という政策目的がありました。

「予防給付」と「地域支援事業」の峻別(試験頻出の混同ポイント):

2015年改正(介護保険法改正・2015〜2018年段階実施)において、「要支援1・2向けの訪問介護・通所介護」が予防給付から地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)へ移管されました。

| 区分 | 根拠 | 財源 | サービス基準 |

|---|---|---|---|

| 予防給付 | 介護保険法第52条〜 | 保険料+公費(全国均一) | 国が定める基準のサービス(訪問リハビリ・居宅療養管理等) |

| 総合事業(地域支援事業) | 介護保険法第115条の45〜 | 保険料+公費+市町村裁量 | 市町村が基準を柔軟に設定可能(住民ボランティアも担い手に) |

現在では「要支援1・2の訪問介護・通所介護」は総合事業として実施されており、予防給付ではありません。この変更が社労士試験の出題上で混乱を招くことがあるため、「予防給付に残るもの(訪問リハビリ・居宅療養管理等)」と「総合事業に移ったもの(訪問介護・通所介護)」の区別が重要です。

市町村特別給付の運用実態(エの誤りの深掘り):

市町村特別給付(介護保険法第62条)は市町村が条例で定める独自給付です。費用は当該市町村の第1号被保険者の保険料のみで賄われ(国庫補助なし・他市町村の保険料も使われない)、全国統一基準はありません。代表的な事例は以下の通りです。

  • 移送サービス費: 通院・外出困難な要介護者への送迎費用補助(多くの市区町村が実施)
  • 配食サービス: 自力調理が困難な要介護者への宅配食支給(独居高齢者への見守り機能も兼ねる)
  • 紙おむつ等衛生材料費: 在宅要介護者への衛生材料支給

この「市町村の裁量」という点が、全国統一基準で運営される介護給付・予防給付と大きく異なります。一方で、市町村によって給付の有無・水準が異なるため、居住地によって受けられるサービスが変わるという「地域格差」の問題も生じます。

施設介護サービス費の種類(オの誤りの深掘り):

施設介護サービスには以下の3施設が対象です(介護保険法第48条)。

1. 介護老人福祉施設(特養): 要介護3以上が入所要件(一部例外あり)。入所者が多く、待機者問題が社会問題化。

2. 介護老人保健施設(老健): リハビリを中心とした中間施設。在宅復帰を目指す。

3. 介護医療院: 2018年創設。介護と医療の複合ニーズに対応(旧・介護療養型医療施設の転換先)。

社労士試験では「介護療養型医療施設(2024年3月で廃止・介護医療院へ完全移行)」の改正が出題されることがあります。介護医療院の創設は2018年施行ですが、令和8年度試験時点では介護療養型医療施設はすでに廃止されているため、現行の3施設(特養・老健・介護医療院)を基準として学習します。

FP・ケアマネジャー資格との接続:

社労士は従業員の介護離職防止(育介法の介護休業・介護休暇の活用)と合わせて、介護保険の給付体系を理解する必要があります。FP試験では「介護費用のライフプラン見積もり」で施設介護サービスの費用水準が問われます。ケアマネジャー(介護支援専門員)資格では介護給付・予防給付のサービス種類の実務的な理解が試験の核心となります。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 介護保険法第18条(保険給付の種類・3区分:介護給付・予防給付・市町村特別給付)・第40条〜第51条(介護給付の内容・施設介護サービス費含む)・第52条〜第61条(予防給付の内容)・第62条(市町村特別給付)・第7条(要介護状態・要支援状態の定義) 一次ソース: e-Gov 介護保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): 一次ソース突合。①介護保険給付は介護給付・予防給付・市町村特別給付の3区分(介保法第18条)→ア「2種類のみ」誤り。②介護給付の対象は要介護1〜5の認定者、内容に施設介護サービス費・居宅介護サービス費・地域密着型介護サービス費等を含む(第40条)→イ正解。③予防給付の対象は要支援1・2の認定者で要介護1は介護給付の対象(第52条)→ウ誤り。④市町村特別給付は市町村が条例で独自に定め、全国統一基準ではなく当該市町村の第1号被保険者保険料で賄う(第62条)→エ誤り。⑤介護給付には施設介護サービス費が含まれる(第48条)→オ誤り。正答イで確定。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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