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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 社会保険一般常識 問15|健康保険組合の設立要件・規約・組合員資格

問題

社労士 | 社会保険一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険組合に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエ(正しい記述)です。

健康保険組合は法定給付(療養の給付・傷病手当金等)に加え、規約で定めることにより付加給付(上乗せ給付)を行うことができます(健保法第53条)。例えば傷病手当金の日額をさらに上乗せする、あるいは法定外の給付(人間ドック費用補助等)を行うケースがあります。付加給付の費用は組合保険料で賄われ、国庫補助の対象とはなりません。

ア(設立人数)は単独700人・共同3,000人が正で誤り、イ(任意継続)は組合管掌の任意継続なら組合員資格が継続するため誤り、ウ(規約変更)は議員定数の2/3以上が必要で「過半数」は誤り、オ(残余財産)は協会けんぽが権利義務を承継するため「組合員に均等分配」は誤りです。

健康保険組合の設立要件(アの誤り):

設立形態被保険者数要件根拠
単独設立(1事業所または同一事業主の複数事業所)常時700人以上健保法第11条第1項・施行令第1条の3第1項
共同設立(複数事業主が共同)合算で常時3,000人以上健保法第11条第2項・施行令第1条の3第2項

ア「単独300人以上・共同1,000人以上」は数値が誤り。設立・合併・解散の認可は厚生労働大臣が行います。

規約変更の要件(ウの誤り):

健康保険組合の規約変更は、組合会議員の定数の3分の2以上の多数による議決(健保法施行令第10条第3項)と厚生労働大臣の認可(健保法第16条第2項。厚生労働省令で定める事項は届出)が必要です。ウの「過半数」は誤り。なお、合併・分割・解散は4分の3以上(第26条)と段階的に重い要件が課されます。

解散と残余財産(オの誤り):

健康保険組合が解散した場合の決議要件は「議員定数の4分の3以上」で正しい記載ですが、解散後の残余財産は全国健康保険協会(協会けんぽ)が解散組合の権利義務を承継します(健保法第26条第4項)。「組合員に均等に分配」という規定はなく、この点でオは誤りです。

任意継続被保険者と組合員資格(イの誤り):

健保組合管掌の被保険者が退職して当該組合の任意継続被保険者となる場合、設立事業所に使用されなくなっても、任意継続被保険者であるときはなお当該健康保険組合の組合員とされます(健保法第17条第2項)。イ「当然に失う」は誤り。

付加給付の内容(エの根拠・正解):

主な付加給付の事例:

  • 傷病手当金の付加(法定額=直近12か月の標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2〔健保法第99条第2項〕への上乗せ)
  • 高額療養費の付加(自己負担限度額をさらに下げる)
  • 出産育児一時金の付加(法定額への上乗せ)
  • 健康診断・人間ドック費用の補助
  • 保養所・健康増進施設の提供

付加給付は健保組合の財政力に依存するため、財政状況が良好な大企業の健保組合では手厚い付加給付を実施している一方、財政困難な組合では付加給付を縮小・廃止するケースも増えています。国庫補助の対象は法定給付等であり、付加給付分は組合保険料で賄います。

【健康保険組合の財政危機と「解散→協会けんぽ移行」問題】

健康保険組合(健保組合)は大企業の被保険者を中心として全国に多数存在します(組合数の最新値は健康保険組合連合会等の公表で確認)が、高齢化・医療費増大・後期高齢者支援金等の負担増により財政の厳しさが指摘されています。

特に問題となっているのは「後期高齢者支援金の総報酬割」(被用者保険者間で全面総報酬割に移行済み)の影響です。総報酬割により、高報酬の被保険者を多く抱える大企業健保組合は支援金負担が増大しました。その結果、保険料率の引上げや、財政悪化を理由とする解散の例も見られます。

健保組合が解散すると、その被保険者は協会けんぽへ移行し、解散組合の権利義務は協会が承継します(健保法第26条第4項)。これにより「財政力のある健保組合が縮小し、相対的に財政困難な協会けんぽの負担が増す」という悪循環が生じます。この問題は社会保障審議会・医療保険部会で継続的に議論されており、健保組合の「合併促進」「財政安定化補助の拡充」等の対策が検討されています。

組合会の議決要件の段階構造(試験頻出):

健保組合の組合会の議決要件は事項の重要度に応じて段階化されています。

議決事項議決要件根拠
通常の議事(予算・決算等)出席した組合会議員の過半数(可否同数は議長が決する)施行令第10条第2項
規約変更議員定数の3分の2以上(厚生労働省令で定める届出事項に係る変更を除く)施行令第10条第3項
合併・分割・解散議員定数の4分の3以上健保法第23条・第24条・第26条

この「過半数→2/3→3/4」の段階構造は社労士試験頻出。

付加給付と「医療費抑制」のインセンティブ設計:

健保組合が付加給付を提供できる背景には、組合員の保険料率設定に一定の裁量があることがあります。健保組合は被保険者の保険料率を政令の範囲内で設定できるため(健保法第160条)、例えば保険料率を高めに設定して付加給付の財源を確保するという選択が可能です。

一方で、健保組合は保健事業(健保法第150条)の一環として「データヘルス計画」(被保険者の健康管理データを分析して予防・重症化防止の施策を実施)に取り組んでいます。これは「付加給付の提供(支出増)」と「医療費の適正化(将来の支出削減)」を組み合わせたインセンティブ設計であり、社労士が健保組合の顧問業務を担う際の重要な知識です。

組合員資格と任意継続被保険者の扱い(イの詳細):

任意継続被保険者制度は、資格喪失日の前日まで継続して2か月以上被保険者であった者が、資格喪失日から20日以内に申し出ることで最長2年間継続加入できる制度です(健保法第3条第4項・第37条・第38条)。退職前に健保組合管掌だった者が任意継続を選択した場合、当該健保組合の組合員とされます(第17条第2項)。したがってイの「当然に失う」は誤りです。

なお、2022年1月施行の改正により、任意継続被保険者は申出によって資格を喪失できるようになりました(健保法第38条第7号:申出が受理された日の属する月の末日が到来したときに、その翌日に喪失)。保険料を納付期日までに納付しなかったときの資格喪失(同条第3号)とは別の仕組みで、国保や家族の被扶養者への切替えを計画的に行えるため、喪失のタイミングの助言は社労士の重要な業務領域です。

社労士と健保組合の実務関係:

社労士は健保組合に加入する事業所の顧問として「資格取得・喪失届の提出代行」「給付請求手続きの代理」「産休・育休取得者の社会保険手続き」「定年再雇用後の同日得喪手続き」等を担います。また、健保組合の「合理化・再設計」のコンサルティング(付加給付の見直し・データヘルス計画の策定支援)も社労士の業務拡大分野として注目されています。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第11条(健康保険組合の設立・人数は政令)・健康保険法施行令第1条の3(700人・3,000人)・健康保険法第16条第2項(規約の変更・厚労大臣認可)・健康保険法施行令第10条第3項(規約変更の議事は組合会議員の定数の3分の2以上)・健康保険法第17条(組合員・任意継続被保険者は引き続き組合員)・第26条(解散・4分の3以上・第4項 協会が権利義務を承継)・第53条(付加給付) 一次ソース: e-Gov 健康保険法 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 健康保険組合の設立要件・規約・組合員資格(700人・3000人基準
  • 頻出度B

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