社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 社会保険一般常識 問21|児童手当の支給額体系と2024年10月改正後の制度

問題

社労士 | 社会保険一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

児童手当の支給額および支給対象に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度(2024年10月改正後)を前提とすること。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイ(誤っている記述)です。

イの誤りは「第1子・第2子の3歳未満については第3子以降と同じ月3万円が支給される」という点です。正しくは、3歳未満の月額は第1子・第2子の場合は月1万5千円、第3子以降の場合は月3万円(`30,000円/月`)です。第1子・第2子の3歳未満が月3万円になるわけではありません。

2024年10月改正のポイントをまとめます。①対象年齢が中学生まで→高校生年代までに拡大、②所得制限撤廃(特例給付廃止)、③第3子以降月額が1万5千円→3万円に増額、④第3子カウント基準を22歳まで拡大、⑤支給が年3回→年6回(偶数月)に変更、が主な改正内容です。

2024年10月改正後の支給月額一覧(最重要):

年齢区分第1子・第2子第3子以降
3歳未満1万5千円3万円(`30,000円/月`)
3歳〜小学校修了前1万円3万円(`30,000円/月`)
中学生1万円3万円(`30,000円/月`)
高校生年代(新設)1万円(`10,000円/月`)3万円(`30,000円/月`)

イの誤りの詳細:「第1子・第2子の3歳未満は1万5千円(≠3万円)」です。3万円は第3子以降のみに適用されます。

改正前後の比較(重要):

項目改正前(〜2024年9月)改正後(2024年10月〜)
支給対象年齢中学生まで(15歳到達後最初の3月31日まで)高校生年代まで(18歳到達後最初の3月31日まで)
所得制限あり(特例給付5,000円あり)撤廃(特例給付廃止)
第3子以降月額1万5千円(3歳以上小学校修了前のみ)3万円(全年齢区分・中学/高校も含む)
第3子カウント基準18歳到達後最初の3月31日まで22歳到達後最初の3月31日まで
支給回数年3回(2/6/10月)年6回(偶数月=2/4/6/8/10/12月)

第3子カウント基準の22歳への拡大(ウの根拠):

第3子カウントの基準年齢が「18歳到達後最初の3月31日まで(旧基準)」から「22歳到達後最初の3月31日まで(新基準)」に拡大されました。大学在学中(22歳)の子どもまでカウントできるため、例えば「大学4年・高校2年・小学生」の3人家族では小学生が第3子として3万円の対象になります。

所得制限撤廃の意義(エの根拠):

改正前は所得制限超過者には「特例給付(一律5,000円)」が支給されていましたが、2022年10月には高所得者への特例給付が廃止(その後2024年10月改正で所得制限自体を完全撤廃)されました。所得制限撤廃により、すべての保護者が本則給付を受給できます。

【2024年10月改正の政策背景:「異次元の少子化対策」と財源問題】

2024年10月の児童手当改正は、2023年6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」に基づく「加速化プラン」の一環です。主な政策目標は「3歳未満の支援強化・高校生年代までの拡大・多子加算の抜本強化」の3本柱でした。

財源の一部には「子ども・子育て支援金(`0.23%`:2026年4月から徴収開始・協会けんぽで労使合計0.23%)」が充当されます。この支援金は医療保険(健保組合・協会けんぽ・国保・後期高齢者医療)を通じて徴収されるもので、「実質的に社会保険の負担が増える」として議論が続いています。

【第3子カウント基準22歳化の実務的含意】

第3子カウント基準を22歳まで拡大したことで、「大学生がいる家庭の下の子どもが第3子・第4子に繰り上がる」効果が生じます。

具体例:

  • 子ども: 22歳(大学4年)・19歳(大学1年)・16歳(高校1年)の3人
  • 改正後: 3人目(高校1年)は第3子扱い → 月3万円の対象(改正前は3人目でも高校生は対象外かつ18歳超のカウント対象外)

この「大学生のカウント継続」は、実子・養子・事実上の養子関係にある者が混在する複雑な家族構成にも適用されます。社労士が企業で育児休業給付・家族手当の計算支援を行う際、児童手当の第3子カウントの仕組みを正確に説明できることが求められます。

【支給回数年6回化の実務上の影響】

改正前の年3回(2/6/10月)から年6回(偶数月=2/4/6/8/10/12月)に変更されたことで、1回あたりの支給額は半減します(4か月分→2か月分)が、受給者の資金繰りが安定します。

年6回化の実務上の論点:

  • 条文上の支払期月: 毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う(児童手当法第8条第4項)
  • 支給の始期と終期: 認定請求をした日の属する月の翌月から、支給事由が消滅した日の属する月まで(同条第2項)。請求が遅れた月の分は原則として遡って支給されない
  • 支給日: 支払期月の中の具体的な支給日は市町村(公務員は所属庁)ごとに定められるため、勤務先ではなく各市町村の案内で確認する

【社労士が企業で関与する「家族手当と児童手当の関係」】

多くの企業では就業規則・賃金規程に「家族手当(配偶者・子ども手当)」を規定しています。社労士が実務上注意すべき点:

1. 家族手当の「年齢要件」の見直し: 児童手当の対象年齢が18歳まで拡大されたことで、企業の家族手当の支給対象年齢(中学卒業まで・高校卒業まで・22歳まで等)との整合性確認が求められます

2. 同一労働同一賃金(パート有期法)との関係: 正社員のみに家族手当を支給している場合、合理的な理由がなければ非正規労働者との格差が問題になる可能性があります

3. 扶養控除との整合性: 所得税の扶養控除(16歳以上の子どもが対象)と児童手当の支給対象年齢(18歳まで)が異なるため、従業員への説明が必要です

【FP試験・上位資格への接続】

FP2級・1級でも「児童手当の支給月額・所得制限廃止後の体系・第3子加算」は重要なテーマです。2024年10月改正は令和8年度社労士試験の重要改正論点の一つです。「支援金0.23%(`0.23%`)が医療保険料とあわせて徴収される」という財源の仕組みも含め、社労士・FPの両資格保持者にとって「財源の仕組み→企業の保険料負担増→労使の費用分担」という一連の理解が求められます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 児童手当法第4条(支給対象・年齢要件)・第6条(支給額)・2024年10月改正(こども家庭庁 令和6年度児童手当制度改正) 第3子カウント基準: 22歳到達後最初の3月31日まで(改正前は18歳まで) 支給月額(改正後): - 3歳未満(第1子・第2子): 1万5千円 - 3歳未満(第3子以降): 3万円 - 3歳〜小学校修了前(第1子・第2子): 1万円 - 3歳〜小学校修了前(第3子以降): 3万円 - 中学生(第1子・第2子): 1万円 / 中学生(第3子以降): 3万円 - 高校生年代(第1子〜第2子): 1万円(新設) - 高校生年代(第3子以降): 3万円(新設) 注意: 3歳未満の月額は第1子・第2子の場合1万5千円・第3子以降は3万円。イの記述「3歳未満が3万円」は第1子・第2子について誤り。 一次ソース: こども家庭庁 児童手当制度のご案内 https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。