社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 社会保険一般常識 問22|共済組合の3区分と被用者年金一元化2015

問題

社労士 | 社会保険一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

共済組合に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はア(正しい記述)です。

共済組合は国家公務員共済組合・地方公務員等共済組合・私立学校教職員共済の3種類があります。私立学校教職員共済の事業は日本私立学校振興・共済事業団が実施しています(私立学校教職員共済法第23条)。

イは誤りです。2015年の被用者年金一元化で共済組合の年金部門(旧3階建て=職域加算)は厚生年金に統合されましたが、共済組合自体は消滅していません。短期給付(医療等)の機能は引き続き共済組合が担っています。ウは誤りです。共済組合の短期給付は健保と類似しますが、適用法律が異なり完全同一ではありません。オは誤りです。一元化前の職域加算は「経過的職域加算」として2015年9月30日以前の期間分が継続保障されており「すべて廃止」「完全移行」ではありません。

共済組合3区分の整理(アの根拠):

共済種別実施主体対象者
国家公務員共済組合各省庁・機関ごとの共済組合(財務省・国土交通省等)国家公務員
地方公務員等共済組合地方職員共済組合・公立学校共済組合・警察共済組合等地方公務員
私立学校教職員共済日本私立学校振興・共済事業団私立学校教職員

国家公務員共済組合を統括する「国家公務員共済組合連合会」が存在します。地方公務員等共済組合は各都道府県単位・政令市単位等で組合が設立されています(各地方公共団体「ごと」ではなく、複数の地方公共団体が共同で設立する組合が多い)。

2015年被用者年金一元化の内容(イ・オの根拠):

項目一元化前(〜2015年9月)一元化後(2015年10月〜)
厚生年金(2階部分)各共済組合が独自運営厚生年金保険に統合(第2〜4号被保険者として管理)
職域加算(3階部分・旧)共済組合員に追加給付廃止(2015年10月1日以降の期間)
年金払い退職給付(新3階)なし2015年10月以降の組合員期間分に新設
経過的職域加算なし2015年9月30日以前の組合員期間分を経過措置として支給
短期給付(医療等)共済組合が実施引き続き共済組合が実施(健保相当)

一元化後、共済組合員は厚生年金の第2号〜第4号被保険者として管理されます(国家公務員=第2号・地方公務員=第3号・私学=第4号)。共済組合自体は消滅せず、短期給付(健保相当)・年金払い退職給付・福祉事業を継続します。

「経過的職域加算」の仕組み(オの根拠・正しい):

2015年9月30日以前の組合員期間に係る職域加算部分は、「経過的職域加算」として経過措置により支給される仕組みが設けられました。一元化後の新たな3階部分は「年金払い退職給付」として再設計されています。

【被用者年金一元化の「第1〜4号厚生年金被保険者」制度の詳細】

2015年10月1日以降、厚生年金保険の被保険者は以下の4種別に区分されます(厚生年金保険法第2条の5)。

被保険者種別対象者年金の実施機関
第1号厚生年金被保険者民間企業の労働者(従来の厚年被保険者)厚生労働大臣
第2号厚生年金被保険者国家公務員共済組合員国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会
第3号厚生年金被保険者地方公務員等共済組合員地方公務員共済組合・全国市町村職員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会
第4号厚生年金被保険者私立学校教職員共済加入者日本私立学校振興・共済事業団

この区分により、一元化後も「どの機関が年金給付を実施するか(実施機関)」は共済系(第2〜4号)で異なります。保険料率は原則として一元化され、厚生年金保険料率18.3%が適用されます。

【旧職域加算の廃止と「年金払い退職給付」の創設】

旧職域加算(共済組合独自の上乗せ給付)は2015年10月1日以降の期間について廃止されました。代わりに「年金払い退職給付」が創設されました。

制度対象期間内容
旧職域加算(廃止)2015年9月30日以前の共済組合員期間老齢・障害・遺族年金に上乗せ(経過的職域加算として継続保障)
年金払い退職給付(新設)2015年10月1日以降の共済組合員期間有期退職年金と終身退職年金を組み合わせた積立方式の給付(国共済法第78条・第79条)

年金払い退職給付は、民間企業の企業年金に相当する位置づけの、共済組合が実施する積立方式の上乗せ給付です(個人が運用を指図する確定拠出年金(DC)ではありません)。

【共済組合の「短期給付」と健保の違い:社労士が知るべき実務論点】

共済組合の短期給付は健康保険法を準用することが多いですが、独自の給付(休暇支援・宿泊療養等)が組合ごとに付加されています。

主な違いの例(組合によって異なる):

  • 傷病手当金: 健保は直近12か月の標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2(健保法第99条第2項)。国家公務員共済組合は直近12か月の標準報酬の月額の平均額の22分の1の3分の2で、期間はいずれも通算1年6か月(国共済法第66条。結核性の病気は3年)
  • 付加給付: 健保組合と同様に、共済組合も独自の付加給付(高額療養費の自己負担上限を引き下げる等)を設定できる

社労士が公務員・私学教職員を雇用する法人の顧問として関与する場面は限定的ですが、「共済組合加入者が民間に転職した際の年金加算の通算」や「育休復帰後の保険料免除の仕組み(共済組合でも産前産後・育休免除が適用される)」等を説明できる必要があります。

【年金一元化の「長期移行問題」と共済組合の財政】

共済組合の財政情報は「共済組合の統計・現況(総務省・文部科学省・厚労省)」として公表されており、社会保険一般常識の試験対策としては「一元化の概要(廃止内容・新設内容・被保険者区分)」を押さえることが優先です。年金額計算の細部(旧職域加算の計算式)は上位資格・実務対応で学ぶ領域です。

【上位資格への接続:FP・税理士試験における共済組合論点】

FP1級では「共済組合員の年金受給時の取扱い(経過的職域加算・年金払い退職給付の受給要件)」「公務員の企業年金(民間DC・iDeCoとの違い)」が出題されます。税理士試験(所得税法)でも共済組合掛金の所得控除(社会保険料控除)が論点になります。社労士はこれらの資格保持者と連携して、公務員退職後のライフプランニング(年金受給時期・iDeCoとの重複等)を支援できる立場にあります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国家公務員共済組合法第3条(組合の設立)・地方公務員等共済組合法第3条(組合の設立)・私立学校教職員共済法第23条(日本私立学校振興・共済事業団) 被用者年金一元化: 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号・2015年10月施行) 経過的職域加算: 年金払い退職給付(2015年10月以降の共済期間分に創設)・退職等年金給付(旧職域加算の一部継続) 一次ソース: 厚労省 被用者年金一元化 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/ichigenka.html ・日本私立学校振興・共済事業団 https://www.shigaku.go.jp/ 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。