社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 社会保険一般常識 問25|介護保険の地域支援事業・包括的支援事業・任意事業・地域包括支援センター

問題

社労士 | 社会保険一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

介護保険法に規定する地域支援事業に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はア(誤っている記述)です。

アの誤りは「任意事業の実施に際しては、厚生労働大臣の個別承認が必要」という部分です。任意事業は、市町村が地域の実情に応じて独自の判断で実施できる事業であり、厚生労働大臣の個別承認は必要ありません(介護保険法第115条の45第3項「厚生労働省令で定めるところにより、…行うことができる」)。

地域支援事業の3構成(エ)は「①介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」「②包括的支援事業」「③任意事業」であり、すべて市町村が実施主体です。地域包括支援センター(ウ)には保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種を置くことが義務付けられており、市町村直営または委託によって設置されます。

地域支援事業の3区分(エの根拠):

区分主な内容対象者
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)訪問型/通所型サービス等(第115条の45第1項第1号)・一般介護予防事業(同項第2号)第1号事業は居宅要支援被保険者等(要支援1・2等)、一般介護予防事業は第1号被保険者(認定を受けていない一般高齢者を含む)
包括的支援事業地域包括支援センターの運営・在宅医療介護連携・認知症施策・生活支援体制整備全高齢者
任意事業介護給付等費用適正化・家族介護支援・成年後見支援等地域の実情に応じた対象者

任意事業の承認不要(アの誤りの核心):

任意事業は介護保険法第115条の45第3項で「市町村は、…厚生労働省令で定めるところにより、地域支援事業として、次に掲げる事業を行うことができる」(第1号 介護給付等費用適正化・第2号 家族介護支援・第3号 その他必要な事業)と定められており、実施するかどうかは市町村の裁量です。厚生労働大臣の個別承認は不要です。

ただし、任意事業の財源(国・都道府県・市町村の公費負担割合)は法令で定められており、市町村が独自に全費用を負担する事業とは異なります。任意事業として列挙されている事業例:

  • 介護給付等費用適正化事業(ケアプラン点検等)
  • 家族介護支援事業(家族介護者の負担軽減)
  • 成年後見制度利用支援事業
  • 認知症サポーター養成講座
  • 地域自立生活支援事業

地域包括支援センターの設置・3職種(ウの根拠):

地域包括支援センターは、市町村が直営または委託(社会福祉法人・医療法人・公益法人・社会福祉協議会等)で設置します。

配置専門職主な役割
保健師(または経験ある看護師)介護予防ケアマネジメント
社会福祉士総合相談・権利擁護
主任介護支援専門員(主任ケアマネ)包括的・継続的ケアマネジメント支援

3職種の配置は、介護保険法第115条の46に基づき地域包括支援センターが遵守する基準(職員の員数等は厚生労働省令で定める基準に従い市町村の条例で定める)によるもので、担当区域の第1号被保険者数に応じて配置人数が決まります。

【地域支援事業の「地域包括ケアシステム」における位置付け】

地域支援事業は、2025年問題(団塊の世代がすべて75歳以上になる年)に向けた「地域包括ケアシステム」構築の実施手段として2006年の介護保険法改正で創設されました。

地域包括ケアシステムの定義:「高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム」(厚生労働省)

地域支援事業が地域包括ケアシステムの中で果たす役割:

  • 総合事業: 要介護・要支援手前の「フレイル予防」を担う(住民主体のサービスも包含)
  • 包括的支援事業: 在宅医療介護連携・認知症施策・生活支援コーディネーター配置で「医療と介護の垣根を越える」
  • 任意事業: 地域の課題に応じた柔軟な対応(介護給付等費用適正化・家族介護支援・成年後見制度利用支援等)

【2015年改正による「総合事業」への移行と「多様なサービス提供者」】

2015年(平成27年)介護保険法改正で、予防給付(要支援1・2向け訪問介護・通所介護)が順次「総合事業」に移行しました。この移行の意義:

1. サービス提供者の多様化: NPO・社会福祉法人に加え、住民ボランティアやシルバー人材センターもサービス提供者となれる(単価・基準が緩和)

2. 費用の抑制: 従来の予防給付より低い単価のサービスを組み合わせることで、財政持続性を確保

3. 批判と課題: 「緩い基準のサービスで要支援者のニーズが充足されるか」という質の問題、専門職確保の課題が指摘されている

【地域包括支援センターの「権利擁護業務」と社労士の連携】

地域包括支援センターの社会福祉士が担う「権利擁護業務」には、成年後見制度の活用支援・高齢者虐待防止・消費者被害防止が含まれます。

社労士との連携が生まれる場面:

1. 雇用問題との複合案件: 高齢者が就労中に認知機能が低下した場合の退職・傷病手当金・労災の判断で社労士が関与

2. 要介護認定と傷病手当金: 健康保険の傷病手当金を受けながら療養している従業員について、介護保険の要介護認定の申請やサービス利用(40〜64歳は特定疾病が原因の場合に限る)の相談を受けることがある

3. 介護休業の活用: 家族が要介護状態になった場合の介護休業(雇用保険・介護休業給付)について、地域包括支援センターと連携して家族に情報提供する機会がある

【社労士試験における介護保険の出題パターンと対策】

社労士試験で介護保険が出題される際の頻出論点:

  • 保険者(市町村・特別区)と国・都道府県の役割分担
  • 第1号・第2号被保険者の要件・保険料の徴収方法(年金天引き・普通徴収)
  • 要介護認定プロセス(申請→一次判定→介護認定審査会→二次判定→認定)
  • 給付の種類(居宅サービス・地域密着型サービス・施設サービス・予防給付)
  • 財源構成(保険料50%・公費50%の構成比と国・都道府県・市町村の内訳)
  • 地域支援事業の3区分(本問の論点): 包括的支援事業・総合事業・任意事業の区分と実施主体

今後の出題傾向:共生社会の実現を推進するための認知症基本法(2024年1月施行)と、同法に基づく認知症施策推進基本計画を踏まえた「認知症の人への支援」が新しい出題軸として注目されます。包括的支援事業の「認知症施策推進事業」に関する細目論点は今後の注目領域です。

【FP・ケアマネジャー資格との接続】

FP2級では「介護保険の仕組み・介護費用の試算・民間介護保険との組み合わせ」が出題されます。ケアマネジャー(介護支援専門員)資格では「地域支援事業の実施体制・ケアプランの作成方法・地域ケア会議への参加」が詳細に問われます。社労士は、企業の従業員が介護休業を取得する際のサポートや、企業の「介護離職ゼロ」施策の設計という形でも介護保険制度と関わります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 介護保険法第115条の45(地域支援事業)・第115条の46(地域包括支援センター)・第115条の47(委託)・地域支援事業実施要綱(厚生労働省) 総合事業の対象: 介護保険法第115条の45第1項第1号(居宅要支援被保険者等)・第2号(第1号被保険者に限る介護予防の事業) 任意事業の実施: 介護保険法第115条の45第3項(「厚生労働省令で定めるところにより…行うことができる」。厚生労働大臣の個別承認の定めはない) 地域包括支援センターの3職種: 介護保険法第115条の46(センターの設置者が遵守する基準は市町村の条例で定め、職員の員数等は厚生労働省令で定める基準に従う。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の配置は厚生労働省令の基準による) 一次ソース: 厚生労働省 地域支援事業の概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/ ・e-Gov 介護保険法第115条の45 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 介護保険の地域支援事業・包括的支援事業・任意事業・地域包括支援センター
  • 頻出度B

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