問題
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者資格に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はエ(誤っている記述)です。
個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者(又は有していた者)は、個人型年金加入者と「しない」と定められています(確定拠出年金法第62条第2項第1号)。すでに老齢給付金を受け取る権利を得た人が改めて加入者に戻ることはできず、「改めて個人型年金加入者となることができる」とするエは誤りです。
ア〜ウは正しく、企業型DCの加入者はマッチング拠出ができる(第19条第3項)一方、マッチング拠出を行っている企業型年金加入者はiDeCoに同時加入できません(第62条第1項第2号かっこ書き)。第1号被保険者(保険料免除者を除く)はiDeCoに加入できます(同項第1号)。オも正しく、老齢給付金の受給権者となった時点で個人型年金加入者の資格を喪失します(第62条第4項第7号)。
個人型年金(iDeCo)加入資格の構造(確定拠出年金法第62条):
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 第1項第1号 | 国民年金第1号被保険者(保険料免除者を除く)は加入できる |
| 第1項第2号 | 国民年金第2号被保険者は加入できるが、企業型掛金拠出者等(マッチング拠出を行う企業型年金加入者等)を除く |
| 第1項第3号 | 国民年金第3号被保険者は加入できる |
| 第1項第4号 | 国民年金の任意加入被保険者(国民年金法附則第5条第1項。同項第1号に掲げる者を除く)は加入できる |
| 第2項第1号 | 個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者又は有していた者は加入者としない |
| 第4項第7号 | 個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者となったときに資格喪失 |
マッチング拠出(第19条第3項):
企業型年金加入者は、企業型年金規約で定める基準に従い、年一回以上定期的に自ら掛金(企業型年金加入者掛金)を拠出できる。
各選択肢の精査:
- ア(正): 第19条第3項のとおり。
- イ(正): 第62条第1項第2号かっこ書き「企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者……を除く」のとおり、マッチング拠出者はiDeCo加入不可。
- ウ(正): 第62条第1項第1号のとおり(保険料免除者を除く)。
- エ(誤・正答): 第62条第2項第1号は「個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者又はその受給権を有する者であった者」を加入者としないと定める。
- オ(正): 第62条第4項第7号「個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者となったとき」に資格喪失。
【マッチング拠出とiDeCoの排他性(第62条第1項第2号)の仕組み】
第62条第1項第2号は、国民年金第2号被保険者について「企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者その他政令で定める者(……「企業型掛金拠出者等」という。)を除く」という括弧書きを置き、iDeCo(個人型年金)に加入できる対象から明確に除外している。すなわち、企業型確定拠出年金の加入者がマッチング拠出(第19条第3項に基づき自ら掛金を上乗せ拠出する制度)を選択している場合、その者はiDeCoの加入者となることができない。企業型DCの加入者であっても、マッチング拠出を利用していなければiDeCoへの同時加入が可能という整理になる。この「マッチング拠出とiDeCoはどちらか一方しか選べない」という排他性は、企業型DCの制度内で拠出限度額の管理が完結する仕組み(規約に基づく事業主掛金・加入者掛金の合算管理)と、iDeCoという個人が金融機関を通じて別途開設する制度とを併存させた場合の限度額管理の複雑化・二重管理を避けるための立法上の整理と理解できる。
【第1号被保険者・第3号被保険者の加入資格】
第62条第1項第1号は国民年金第1号被保険者(自営業者等)を対象とするが、括弧書きで、国民年金法第89条第1項(第2号に係る部分に限る)・第90条第1項・第90条の3第1項により保険料を納付することを要しないとされている者と、第90条の2第1項〜第3項により保険料の一部の額を納付することを要しないとされている者(まとめて「保険料免除者」)を除外している。法定免除のうち除外されるのは第89条第1項第2号に係る者に限られる点も条文上の特徴である。第3号被保険者(第2号被保険者に扶養される配偶者)は第1項第3号により、国民年金の任意加入被保険者(国民年金法附則第5条第1項の被保険者。同項第1号に掲げる者を除く)は第1項第4号により、それぞれ加入資格が認められている。
【老齢給付金受給権者の加入資格の排除(第62条第2項)】
第62条第2項は、第1項の規定にかかわらず個人型年金加入者としない者として、①個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者又は有していた者、②国民年金法又は厚生年金保険法による老齢を支給事由とする年金その他政令で定める老齢・退職を支給事由とする年金の受給権を有する者、の2類型を定める。確定拠出年金は老後の資産形成を目的とする制度であり、既に老齢給付金の受給を開始した(又はその権利を得た)者が重ねて新規加入することは制度趣旨に反するため、明確に排除されている。
【資格喪失事由(第62条第4項)の全体像】
第62条第4項は、個人型年金加入者が資格を喪失する事由として、①死亡したとき、②国民年金の被保険者資格を喪失したとき、③個人型年金運用指図者となったとき、④保険料免除者となったとき、⑤農業者年金の被保険者となったとき、⑥企業型掛金拠出者等となったとき(マッチング拠出を始めたとき)、⑦個人型年金の老齢給付金の受給権を有する者となったとき、⑧第2項第2号に掲げる者(老齢・退職の年金受給権者)となったとき、の8つを列挙する。第6号は、企業型DC加入者が途中でマッチング拠出を選択した場合、それまでiDeCoに加入していても資格を喪失することを意味し、第1項第2号の排他性規定と整合的に設計されている。
根拠: 確定拠出年金法第19条・第62条。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000088 )で2026-09-30時点の条文を確認。
- 確定拠出年金法第62条・第19条e-Govで原文を読む
- 国民年金法第89条e-Govで原文を読む
- 厚生年金保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確定拠出年金法第19条第3項(企業型年金加入者掛金)・第62条(個人型年金加入者・資格喪失事由)。e-Gov法令検索で2026-09-30時点の現行条文を確認。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

