社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 社会保険一般常識 問9|介護保険料率・第1号被保険者の保険料賦課と生活保護受給者の適用除外

問題

社労士 | 社会保険一般常識 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

介護保険の保険料に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はウ(誤っている記述)です。

ウの前半「生活保護受給者は介護保険の被保険者とはなれない」が誤りです。第1号被保険者は「市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者」(介護保険法第9条第1号)で、生活保護受給者を除く規定はありません。65歳以上の生活保護受給者も第1号被保険者となり、介護保険から給付を受けます(利用者負担分は介護扶助、保険料は生活扶助の介護保険料加算で対応)。

後半の「40歳以上65歳未満であれば医療保険に加入している限り第2号被保険者となる」は正しい記述です。40歳以上65歳未満の生活保護受給者の多くは国民健康保険の適用除外(国保法第6条第9号)で医療保険に加入していないため、第2号被保険者とならず、介護が必要な場合は介護扶助で対応します。

生活保護受給者と介護保険の関係(最重要の整理):

年齢区分被保険者資格介護サービスの財源
65歳以上の生活保護受給者第1号被保険者となる(介護保険法第9条第1号に除外規定なし)介護保険から給付。利用者負担分は介護扶助、保険料は生活扶助の介護保険料加算
40〜64歳の生活保護受給者(医療保険なし)第2号被保険者とならない(医療保険加入が要件)介護扶助(生活保護法)
40〜64歳の生活保護受給者(医療保険あり)第2号被保険者となる介護保険から給付

第1号被保険者の保険料の仕組み(アの根拠):

  • 65歳以上の第1号被保険者の保険料は市町村が条例で定める(全国一律でない)
  • 所得段階別の保険料額(最低段階〜最高段階に区分)
  • 年金年額18万円以上 → 特別徴収(年金からの天引き)
  • 年金年額18万円未満 → 普通徴収(自ら納付書・口座振替等で納付)

費用負担の構成(エの根拠・概数):

  • 第1号被保険者の保険料: 約23%
  • 第2号被保険者の保険料(介護納付金): 約27%
  • 公費(国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%): 約50%

令和8年度の第2号介護保険料率(イの根拠):

  • 協会けんぽ: 1.62%(1.62%・労使折半で各0.81%)

【介護保険の「保険」としての設計と生活保護受給者の制度的位置づけ】

介護保険の第1号被保険者は住所と年齢(65歳以上)だけで決まり(介護保険法第9条第1号)、生活保護受給者も含まれます。一方、第2号被保険者は「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」(同条第2号)であり、医療保険に加入していない生活保護受給者(国保の適用除外)は第2号被保険者になりません。

65歳以上の生活保護受給者は他法優先の考え方(生活保護法第4条第2項)により介護保険から給付を受け、利用者負担分は介護扶助、保険料は生活扶助の介護保険料加算で賄われます。

【第1号被保険者の「所得段階別保険料」制度の深層】

第1号被保険者(65歳以上)の保険料は「所得段階別の定額保険料」ですが、これは「応能負担の変形型」です。通常の社会保険(健保・年金等)は「保険料=標準報酬×保険料率」という「応能負担(収入に比例)」ですが、介護保険の第1号保険料は「基準額(市町村ごとに設定)×所得段階ごとの乗率」という仕組みです(標準段階と乗率は政令で定められ、介護保険事業計画の期ごとに見直される)。

所得段階は政令の標準段階を基に市町村が条例で定め、最も低い段階には生活保護受給者や世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者等が該当します(段階数・乗率は本問の範囲外)。

この所得段階別保険料の「基準額」は市町村ごとに異なり(全国一律ではない)、介護給付費の見込み・地域の財政状況に応じて3年ごとの介護保険事業計画で設定されます。

【低所得者保険料軽減措置(オの根拠)の財源と設計】

消費税率の引上げ(2019年10月の10%への引上げを含む)に合わせて、消費税財源を使った「介護保険料の低所得者軽減措置」が段階的に強化されてきました(軽減後の乗率は政令で確認)。

条文上の仕組みは次のとおりです(介護保険法第124条の2):

  • 市町村は、所得の少ない者について条例で行う保険料の減額賦課による減額分を基礎に算定した額を、一般会計から介護保険特別会計に繰り入れなければならない(第1項)
  • 国はその繰入金の2分の1(第2項)、都道府県は4分の1(第3項)を負担する(残り4分の1は市町村の一般会計の負担)

この軽減措置は「保険料による賄い分を公費で補完する」という仕組みであり、低所得高齢者の介護保険料負担を軽減しつつ、保険財政の安定を保つ設計です。社労士試験では「軽減措置の財源は保険料ではなく公費」という点が確認事項です。

【第2号被保険者の介護納付金(「加入者割」から「総報酬割」への移行)】

第2号被保険者(40〜64歳)分の介護保険費用は、各医療保険者が「介護納付金」として社会保険診療報酬支払基金に拠出し、市町村に交付金として配分されます。

この介護納付金の算定方式は:

  • 2017年以前: 「加入者割」(保険者の加入者数×一人当たり単価)
  • 2017年度〜2020年度: 段階的に「総報酬割(加入者の報酬総額に比例)」に移行
  • 2020年度以降: 「全面総報酬割」(加入者数ではなく総報酬額に比例して各保険者が拠出)

全面総報酬割への移行により:

  • 大企業健保組合(高報酬加入者が多い)→ 介護納付金の負担増
  • 協会けんぽ(中小企業・低報酬加入者が多い)→ 負担減
  • 国保 → 総報酬割は被用者保険者の間での按分方法であり、国保の介護納付金は引き続き第2号被保険者数に応じて算定されるため、この見直しの対象外

【利用者負担の見直し議論と「介護保険の持続可能性問題」との接続】

介護保険の財政的持続可能性を高めるために「2割負担の対象拡大」が審議会で検討されていますが、第9期(2024年度〜)に向けた見直しでは結論が持ち越されました。令和8年度試験基準日時点では「現役並み所得者3割・一定以上所得者2割・その他1割」(介護保険法第49条の2)が現行制度です。

第2号介護保険料率(協会けんぽ)は令和8年度1.62%(1.62%)で、毎年度見直されます。今後の高齢化進行に伴う料率の動向は社労士実務で常に注目すべき論点です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 介護保険法第9条(被保険者。第1号=市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者・生活保護受給者の除外規定なし/第2号=40歳以上65歳未満の医療保険加入者)・第129条(保険料)・第135条(特別徴収) 介護保険料率(第2号・協会けんぽ): 1.62%(令和8年度・協会けんぽ) 出典: 厚生労働省「介護保険制度の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 介護保険料率・第1号被保険者の保険料賦課と生活保護受給者の適用除外
  • 頻出度B

関連する問題

ページの先頭へ