宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 法令上の制限 問20|既存不適格建築物の定義と、施行後に着手する増改築等への現行法適用

問題

宅建士 | 法令上の制限 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

既存不適格建築物に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

既存不適格建築物とは、建築された当時は適法だったものの、その後の法令改正等によって現行の規定に適合しなくなった建築物のことです。建築当初から法令に違反していた建築物(違反建築物)とは区別されます。イはこの区別を誤って説明しているため誤りで、正答はイです。ア・ウ・エはいずれも建築基準法3条の内容と一致する正しい記述です。

建築基準法3条2項は「この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物…がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物…に対しては、当該規定は、適用しない」と規定しており、アはこの内容と一致し正しい記述です。イ:既存不適格建築物は、3条2項が対象とする「規定の施行又は適用の際現に存する建築物」であり、その時点では適法だったものが事後の法令改正等によって不適合となったものです。建築当初から違反していた建築物はこの2項の対象ではなく「違反建築物」として扱われるため、イは誤りです。正答。ウ:3条3項は「前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物…に対しては、適用しない」とし、その3号に「工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地」を掲げています。これは、規定の施行後に着手する増改築等には2項の適用除外が及ばず、現行の規定が適用されることを意味し、ウはこの内容と一致し正しい記述です。エ:2項により現状の建築物に対しては適合しない規定が適用されず、3条3項3号の増改築等の工事に着手しない限りその状態が続くので、正しい記述です(別の理由による命令、たとえば著しく保安上危険な建築物に対する10条の命令などは別問題です)。

建築基準法3条は、法令改正等によって建築物が事後的に不適合となった場合に、既存の建築物や敷地に対して直ちに現行規定への適合を強制しない「経過措置」を定めた規定です。3条2項の適用除外(既存不適格としての取扱い)は、法令改正の遡及適用によって適法に建築された建築物の所有者が不当な不利益を被ることを防ぐ趣旨ですが、3条3項各号はこの適用除外をさらに除外する場合を列挙しています。3号(施行後に着手する増築・改築・移転・大規模の修繕又は大規模の模様替)により、既存不適格建築物に増改築等をするときは、原則として現行の規定が適用されます。ただし、86条の7(既存の建築物に対する制限の緩和)は、政令で定める範囲内の増築等について、構造耐力(20条)や防火関係の規定などの一部を引き続き適用しないとする緩和を設けているため、3条3項3号の原則を前提に、個別の緩和規定に当たるかを確認する必要があります。3条3項にはこのほか、①改正後の規定の適用の際すでに相当する従前の規定に違反していた建築物(1号)、②都市計画区域の指定や用途地域等の都市計画の決定・変更などにより制限に変更があった場合に、変更後の制限に相当する従前の制限にすでに違反していた建築物(2号)、③3号に該当する建築物又はその敷地の部分(4号)、④規定に適合するに至った建築物(5号)が列挙されています。つまり、もともと違反していた建築物(1号・2号)は、既存不適格として保護されません。宅建業者が既存不適格建築物を取引する際は、現状のまま使用する分には適法である一方、増改築等を行う場合は現行法への適合義務が発生する点を重要事項説明で明確に伝える必要があります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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