宅建士 法令上の制限 問20:建築基準法(集団規定)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
既存不適格建築物に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ア既存不適格建築物は、建築基準法令の改正等によって法令に違反することになった建築物をいい、建築当初から違反していた建築物も含まれる。
- イ既存不適格建築物に対して増築・改築・大規模修繕・大規模模様替えを行う場合、原則として現行の建築基準法の規定が全面的に適用される。
- ウ既存不適格建築物は、現行法に適合させる義務は生じないため、今後一切の増改築をしなくてよければ現状のまま使用し続けることができる。正答
- エ既存不適格建築物について、単純な修繕(法令上の大規模修繕に当たらないもの)を行う場合でも、現行法の全規定に適合させなければならない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達も明記。
既存不適格建築物とは、建築当時は適法だったが、その後の法令改正によって現行法に適合しなくなった建築物です。このような建築物は、現行法に直ちに適合させる義務はなく、増改築等をしない限りそのまま使用できます。ウが正答です。
ア:既存不適格建築物は「建築当時は適法だったが後の法令改正等で現行法に不適合になった建築物」です。建築当初から違反の建築物は「違反建築物」として区別されます。アは誤り。イ:大規模修繕・模様替え・増築・改築を行う場合は「現行法への適合義務が発生する」(法86条の7等)のは正しいですが、法86条の7の3では「特定の規定について適合義務を緩和するもの(不適格部分についての遡及適用が一部免除)」も規定されており「全面的に適用される」という表現は厳密には不正確です。ウ:法3条2項で「この法律の施行または適用の際現に存する建築物」が既存不適格として現行法の適用を免除(遡及適用除外)される旨が規定されており、増改築等をしない限りそのまま使用できます。正答。エ:大規模修繕に当たらない単純な修繕は現行法全規定への適合義務が生じないので誤り。
既存不適格建築物(法3条2項の既存不適格)の制度は、法改正等によって突然建築物が違法となり、所有者が即時是正を強いられるという不当な不利益を防ぐための「経過措置」として機能しています。法86条の7は増築・改築・大規模修繕・大規模模様替え時の既存部分への遡及適用の範囲を限定しており、一律に全規定が適用されるわけではありません。例えば、既存不適格建築物に増築する場合、既存部分の構造耐力や防火については一定の緩和規定(法86条の7第3項)が適用され、容積率・建蔽率については増築部分のみが現行法に適合すれば足りる場合があります。近年の改正では、老朽化した既存不適格建築物の建替えを促進するため「既存不適格活用型」の特例として、建替え時に現行の容積率・建蔽率を超えて建設できる場合がある(法86条・86条の2等の総合設計制度・一団地認定制度)等、柔軟な活用が可能となっています。宅建業者が既存不適格建築物を取引する際の重要点は、①重要事項説明において「既存不適格建築物である」旨と「増改築時の現行法適合義務」を明示すること、②建替え時の容積率・建蔽率の確認(既存不適格で現行規定の許容範囲を超えている場合、建替え後に同規模の建築ができなくなる可能性がある)、③既存不適格による資産価値への影響(銀行融資・評価額)の説明です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。