宅建士 法令上の制限 問36:農地法(違反・罰則)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
農地法の違反行為に対する措置に関する次の記述のうち、農地法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ア農地法の許可なく農地を転用した者に対し、都道府県知事は許可なく転用した農地について農地への原状回復を命ずることができる。正答
- イ農地法3条の許可を受けずに農地を売買した場合、当該売買契約は取り消すことができる(取り消し得る行為)に過ぎない。
- ウ農地法4条・5条の許可を受けずに農地を転用した場合であっても、既に建築物が完成している場合は工事停止命令を出すことができない。
- エ農地法の許可を要する農地取引で許可を受けずに契約を締結した場合、当事者双方に刑事罰(懲役または罰金)は科されない。
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農地法違反(無許可転用等)に対して、都道府県知事は原状回復命令(農地に戻すよう命ずること)を発することができます。これは既に建築が完了していても発動できる強力な権限です。アが正答です。
ア:法51条1項で「農地法4条・5条の許可を受けずに転用を行った者等に対し、都道府県知事は工事の停止・除却・移転・その他原状回復命令を発することができる」と規定されており正しい。正答。イ:農地法3条の許可なき権利移転は「その効力を生じない」(法3条6項)です。「取り消し得る行為」は誤り(取り消せる=当初は有効だが取り消せる、という意味。農地法では最初から効力が生じない)。ウ:法51条は「農地転用工事が既に完了していても原状回復命令等が出せる」趣旨の規定であり、「完成後は停止命令不可」は誤り(原状回復命令は可能)。エ:農地法違反(無許可転用等)については法64条で「3年以下の懲役または300万円以下の罰金(無許可転用)」等の刑事罰が規定されています。誤り。
農地法の違反に対する行政的措置(法51条)は都道府県知事(4ヘクタール超は農林水産大臣・政令指定都市長)が行使します。具体的な処分内容は①工事の停止命令、②工事の除却・移転命令、③原状回復命令(農地への復元命令)です。これらは行政上の不利益処分(行政手続法による事前聴聞等が必要)として実施されます。原状回復命令の実効性は、違反転用者が命令に従わない場合の代執行(行政代執行法)による強制執行が可能である点にありますが、建築物を完成させてしまった後の原状回復は現実的には困難な場合も多く、課徴金制度(法51条の2:2009年改正で創設)として「不当利得の収奪」を目的とした金銭的制裁も設けられています。刑事罰(法64条・65条):無許可転用・虚偽許可申請は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法64条1号・2号)、法人の両罰規定(法67条)では1億円以下の罰金が法人に科されることがあります。この「1億円以下」という罰金の高額設定(2009年改正)は農地違反の抑止力として注目されています。宅建業者が農地の転用・売買を媒介する際に農地法違反が発生した場合、宅建業法上の処分(業務停止・免許取消等)だけでなく農地法上の刑事罰の対象となる可能性もあるため、農地法の適法確認は宅建業者のリスク管理上の必須事項です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。