問題
農地法の許可が不要となる場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
相続・遺産分割・農事調停による農地の取得は、農地法3条の許可を要しません。ただし相続や遺産分割で農地を取得した場合は、許可が不要な代わりに農業委員会への届出(農地法3条の3)が必要です。エは「届出も不要」としており誤りで、これが正答です。
ア:農地法3条1項ただし書は許可を要しない場合を各号で列挙しており、「遺産の分割」によって権利が設定・移転される場合は12号に当たります。正しい。イ:「民事調停法による農事調停」によって権利が設定・移転される場合は10号に当たり、許可は不要です。正しい。ウ:相続は当事者の意思による権利の設定・移転ではないため3条の許可を要しませんが、3条の3により、権利を取得した者は遅滞なく農業委員会に届け出なければなりません。正しい。エ:3条の3は、3条1項各号に当たる場合を届出不要としつつ、「第十二号及び第十六号を除く」と定めています。遺産分割(12号)で取得した場合は、許可は不要でも届出は必要です。「届出も不要」は誤りで、正答です。
農地法3条1項ただし書は、権利移動であっても許可を要しない場合を列挙しています。典型例として、国又は都道府県が権利を取得する場合(5号)、民事調停法による農事調停(10号)、土地収用法その他の法律による収用・使用(11号)、遺産の分割・財産の分与に関する裁判若しくは調停・相続財産の分与に関する裁判(12号)などが挙げられます。なお、相続そのものは当事者が権利を設定・移転する行為ではないため、3条の許可の対象になりません。これらは、取得者が国・都道府県である場合や、調停・裁判・収用といった公的な手続を経る場合であり、3条許可による耕作者の適格性審査を別に行う必要が乏しいことから、許可を不要とされています。もっとも、許可が不要とされる場合であっても、農地の所有者が変わったこと自体を行政(農業委員会)が把握できないと、農地の適正な利用・管理に支障が生じます。そこで農地法3条の3は、農地の権利を取得した者に、遅滞なく、農地の所在する市町村の農業委員会への届出を義務付けています。届出が不要となるのは、3条の許可を受けて取得した場合と、3条1項各号に当たる場合(ただし12号と16号を除く)などです。したがって、相続や、遺産の分割・財産分与の裁判等(12号)で取得した者は届出が必要で、農事調停(10号)や収用(11号)で取得した場合は届出の対象外です。「許可は不要」と「届出も不要」を混同しないことが本論点の要です。3条許可(耕作者としての適格性を審査する制度)と3条の3の届出(所有者の異動を行政が把握するための制度)は、目的も効果も異なる別個の制度である点を正確に区別して覚える必要があります。宅建業者が相続・遺産分割後の農地の売買を媒介する際は、農業委員会への届出の有無も物件調査の一環として確認することが望まれます。
- 農地法第3条・第3条の3e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

