権利関係13民法総則

宅建士 権利関係 問13:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが関与する不動産売買において、詐欺または強迫を理由とする意思表示の取消しに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 売主Bが買主Cに対して詐欺を行い、CがBに騙されて売買契約を締結した場合、Cは当該契約を取り消すことができるが、その取消しは善意の第三者Dに対抗することができない。
  • 第三者Eが売主Bを詐欺して、BがCに宅地を売却した場合、CがEの詐欺を知らなかった(善意)でも、Bは詐欺を理由として売買契約を取り消すことができる。
  • 強迫によって締結された売買契約を取り消した場合、善意無過失の第三者Dがその宅地を取得していても、取消しをDに対抗することができる。正答
  • 詐欺による取消しの意思表示は相手方に対して行う必要があり、第三者に対して取消しの主張をすることはできない。
正答:強迫によって締結された売買契約を取り消した場合、善意無過失の第三者Dがその宅地を取得していても、取消しをDに対抗することができる。

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強迫による意思表示(民法96条2項)の取消しは、善意の第三者にも対抗できます。これは詐欺(善意の第三者には対抗できない)との大きな違いです。強迫は被害者の意思の自由が完全に奪われるため、より強く保護されます。よってウが正答です。

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民法96条は詐欺・強迫による意思表示を取消し可能と定めます。詐欺(民法96条1項)による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません(民法96条3項)。強迫(民法96条1項)による取消しは第三者の善意・悪意に関わらず対抗できます(民法96条2項・3項参照=強迫には第三者保護規定なし)。ウは強迫取消しを善意の第三者にも対抗できると正確に述べており正答。アについて、詐欺取消しは善意の第三者に対抗できないとする点は正しいですが(民法96条3項)、問題文では売主Bが詐欺を行ったとしており、「Cが取消しを善意第三者Dに対抗できない」のは詐欺の類型として正しい内容ですが、同時に詐欺をした売主Bの関与があるケースと区別が必要であり、本問はウの方が正確な正答。イについて、第三者による詐欺(民法96条2項)は「相手方がその事実を知り、または知ることができたときに限り」取消し可能です。相手方(C)が善意の場合は取消しができないため「善意でも取消し可能」とするイは誤り。エについて、取消しは法律行為の効力を消滅させる意思表示であり、相手方に対して行えば足ります。第三者に対する主張の問題は対抗可否の問題であり、「主張できない」とするエは誤り。

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詐欺・強迫の取消しと第三者保護の関係は、民法総則の中でも最も細かい知識が求められる論点です。詐欺取消し後の第三者問題は、取消し後に現れた第三者(民法96条3項の「第三者」)なのか取消し前の第三者なのかで結論が変わります。民法96条3項の「第三者」は取消し前の転得者を指し、取消し後の第三者との関係は民法177条の対抗問題として処理されます(最判昭和49.9.26)。強迫の場合、第三者保護規定が設けられていない(民法96条3項は詐欺のみ)理由は、強迫は被強迫者の意思決定の自由が完全に奪われた状態であり、その犠牲の上で取引をした第三者を保護するより被強迫者保護を優先する政策判断によります。第三者による詐欺(民法96条2項)の「第三者」は取引に直接関与しない者を指し、共謀の場合は第三者ではなく相手方の詐欺として処理されます。宅建取引実務では、宅建業者が媒介する取引で買主に虚偽の事実を告げることは宅建業法47条違反(禁止行為)であり、詐欺取消し(民法96条)と宅建業法違反の両方の問題を生じます。また、相手方の代理人による詐欺は相手方自身の詐欺として処理されます(代理行為の効果は本人に帰属するため)。改正民法では錯誤の要件・効果が整備されましたが、詐欺・強迫については大きな改正はなく旧来の法理が維持されています。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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