宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 権利関係 問13|詐欺・強迫による意思表示の取消し

問題

宅建士 | 権利関係 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

宅地建物取引業者Aが関与する不動産売買において、詐欺または強迫を理由とする意思表示の取消しに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

強迫による意思表示(民法96条2項)の取消しは、善意の第三者にも対抗できます。これは詐欺(善意かつ無過失の第三者には対抗できない:民法96条3項)との大きな違いです。強迫は被害者の意思の自由が完全に奪われるため、より強く保護されます。よってウが正答です。

民法96条は詐欺・強迫による意思表示を取消し可能と定めます。詐欺(民法96条1項)による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません(民法96条3項)。強迫(民法96条1項)による取消しは第三者の善意・悪意に関わらず対抗できます(民法96条3項は詐欺のみを対象とし、強迫には第三者保護規定なし)。ウは強迫取消しを善意無過失の第三者にも対抗できると正確に述べており正答。アについて、2020年施行の改正民法96条3項は、詐欺による取消しを対抗できない第三者を「善意でかつ過失がない第三者」に限っています。善意でも過失がある第三者Dには取消しを対抗できるため、「過失があるときでも対抗できない」とするアは誤り。イについて、第三者による詐欺(民法96条2項)は「相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り」取消し可能です。相手方(C)が善意無過失の場合は取消しができないため、「善意無過失でも取消し可能」とするイは誤り。エについて、取消しは法律行為の効力を消滅させる意思表示であり、相手方に対して行えば足ります。第三者に対する主張の問題は対抗可否の問題であり、「主張できない」とするエは誤り。

詐欺・強迫の取消しと第三者保護の関係は、民法総則の中でも最も細かい知識が求められる論点です。詐欺取消し後の第三者問題は、取消し後に現れた第三者(民法96条3項の「第三者」)なのか取消し前の第三者なのかで結論が変わります。民法96条3項の「第三者」は取消し前の転得者を指し、取消し後の第三者との関係は民法177条の対抗問題として処理されます(大判昭和17.9.30)。強迫の場合、第三者保護規定が設けられていない(民法96条3項は詐欺のみ)理由は、強迫は被強迫者の意思決定の自由が完全に奪われた状態であり、その犠牲の上で取引をした第三者を保護するより被強迫者保護を優先する政策判断によります。第三者による詐欺(民法96条2項)の「第三者」は取引に直接関与しない者を指し、共謀の場合は第三者ではなく相手方の詐欺として処理されます。宅建取引実務では、宅建業者が媒介する取引で買主に虚偽の事実を告げることは宅建業法47条違反(禁止行為)であり、詐欺取消し(民法96条)と宅建業法違反の両方の問題を生じます。また、相手方の代理人による詐欺は相手方自身の詐欺として処理されます(代理行為の効果は本人に帰属するため)。2020年施行の改正民法では、第三者による詐欺の取消要件に「相手方が知ることができたとき」が加わり(96条2項)、詐欺取消しを対抗できない第三者が「善意でかつ過失がない第三者」に限定された(96条3項)点が重要な変更です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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