権利関係15民法物権

宅建士 権利関係 問15:民法物権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介する担保付き不動産取引における法定地上権(民法388条)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • AがBから担保付き建物を買い受ける際、土地と建物の所有者が別人であっても、土地に抵当権が設定され競売により土地と建物の所有者が分かれた場合は法定地上権が成立する。
  • 土地と建物が同一所有者に属する状態で土地に抵当権が設定された後、建物が滅失し同一所有者が新たに建物を建築した場合、競売時に新建物のために法定地上権が成立する。
  • 土地と建物が同一所有者に属する状態で土地のみに抵当権が設定され、その後に土地と建物が別々の者に所有されることになり、その後に競売がなされた場合、建物のために法定地上権が成立する場合がある。正答
  • 土地に1番抵当権(設定時に建物なし)と2番抵当権(設定時に建物あり)が設定されており、2番抵当権の実行で競売された場合、1番抵当権設定時の状態を基準とするため法定地上権は成立しない。
正答:土地と建物が同一所有者に属する状態で土地のみに抵当権が設定され、その後に土地と建物が別々の者に所有されることになり、その後に競売がなされた場合、建物のために法定地上権が成立する場合がある。

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法定地上権は「抵当権設定時に同一所有者が土地と建物を持っていた」場合に競売で土地・建物が分離したときに建物保護のために成立します。ウは「設定後に所有者が分かれ競売」のケースですが、設定時に同一所有者だった条件を満たす場合は法定地上権成立の余地があります。よってウが正答です。

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法定地上権(民法388条)の成立要件は①抵当権設定時に土地上に建物が存在すること、②抵当権設定時に土地と建物が同一所有者に属すること、③競売によって土地と建物の所有者が異なることになったこと、の3つです。アについて、「土地と建物の所有者が別人」の段階では②の要件を満たさないため、その状態から土地抵当権が設定された場合は法定地上権は成立しません。アは誤り。イについて、抵当権設定時に存在した建物が滅失し、同一所有者が新建物を建てた場合、判例(最判平成9.2.14)は「法定地上権は成立しない」としました(抵当権者は更地価値で評価していたため)。イは誤り。ウについて、設定時に土地と建物が同一所有者に属していれば②の要件を満たします。その後に所有者が分離しても、競売時に②の要件が満たされていなくても、設定時要件さえ満たしていれば法定地上権が成立し得ます(民法388条の解釈として設定時基準を採用する判例群)。ただし設定後の所有者分離が贈与・相続等によるものでも設定時同一性要件が充足されていれば法定地上権成立の余地があり正答。エについて、共同担保(土地・建物)の一括評価問題と1番抵当権基準論は判例(最大判昭和41.5.18等)が詳細に論じており、1番抵当権設定時基準が採用されます。2番抵当権設定時に建物が存在していても1番設定時に建物がなければ法定地上権は成立しません。エは正しい記述です。しかし選択肢の問い方として「最も適切なもの」を聞いており、ウが正答として位置づけられます。

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法定地上権(民法388条)は宅建試験の最難関論点の一つで、複数のパターンを整理して覚える必要があります。基本パターン①同一所有者の土地建物に土地のみ抵当権設定→競売で分離→法定地上権成立。基本パターン②同一所有者の土地建物に建物のみ抵当権設定→競売で分離→法定地上権成立(土地所有者が建物競落者のために法定地上権を設定したとみなされる)。注意パターン③土地建物に別々に抵当権設定→土地抵当権実行→法定地上権成立(最大判昭和37.9.4)。注意パターン④土地に共同担保(土地・建物)設定→土地のみ競売→法定地上権不成立(最判平成6.12.20:共同担保の場合は土地・建物を一括評価して貸し付けているため)。注意パターン⑤1番抵当権(更地)・2番抵当権(建物あり)→2番実行→法定地上権不成立(最大判昭和41.5.18:1番設定時基準)。注意パターン⑥設定時に同一所有者→その後別人所有→競売→法定地上権成立の余地あり(民法388条の解釈)。宅建実務では、融資付き物件の担保評価(土地残余法)において法定地上権の成立可能性が価値に影響するため、登記確認と建物建築時期の確認が重要です。競売不動産の評価では法定地上権の成立が建物の処遇を決定します。また令和3年民法改正による相隣関係・共有規制の見直し(民法247条以下)は、競売後の共有地・法定地上権物件の管理・処分において新たな紛争解決の枠組みを提供しており、不動産鑑定士・司法書士との連携が一層重要になっています。FP2級・不動産鑑定士試験では、法定地上権の成立要件と担保評価への影響を計算式レベルで問う出題も見られます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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