権利関係17民法総則

宅建士 権利関係 問17:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介する不動産売買に付された条件・期限に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 売買契約に「買主Bが転職に成功した場合に所有権を移転する」との停止条件が付されている場合、条件成就前はBは所有権を持たないが、条件成就に向けた期待権(条件付き権利)は有し、これを侵害した者に対して損害賠償を請求できる。正答
  • 売買契約に「買主Bが転職に成功しなかった場合に売買契約を解除する」との解除条件が付されている場合、条件が成就したときは契約は将来に向かって消滅する。
  • 不動産売買において買主が「住宅ローンが承認された場合」という条件を付けた場合でも、当事者間に別段の合意がない限り当該条件は有効であり停止条件付き売買契約となる。
  • 期限付き法律行為において、到来が確実な期限(確定期限)の場合、期限到来前に当事者が期限の利益を放棄することは一切認められない。
正答:売買契約に「買主Bが転職に成功した場合に所有権を移転する」との停止条件が付されている場合、条件成就前はBは所有権を持たないが、条件成就に向けた期待権(条件付き権利)は有し、これを侵害した者に対して損害賠償を請求できる。

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停止条件付き売買では、条件が成就するまで効力は生じません。しかし、条件成就を期待する「期待権(条件付き権利)」は条件成就前から存在し、保護されます。これを侵害した者に対して損害賠償請求ができます(民法128条)。よってアが正答です。

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条件付き法律行為については民法127条以下が定めます。停止条件(民法127条1項)は条件成就で効力が生じ、解除条件(民法127条2項)は条件成就で効力が消滅します。アは民法128条(条件の成就が未定である間における当事者の権利の保護)を正確に述べており正答。条件付き権利は侵害に対して損害賠償・保全処分で保護されます。イについて、解除条件が成就した場合、法律行為は条件成就時に遡って消滅するのではなく(原則)、将来に向かって消滅します(民法127条2項)。「将来に向かって消滅する」の部分は正しいですが、実務上「条件が成就したとき」の問題は遡及効の有無(民法129条で当事者の別段の意思表示が可能)が絡むため、単純に「将来消滅」とするイの記述は正確ですが解除条件の効果として「条件成就前の法律関係はどうなるか」の論点が含まれており正答としては不完全。ウについて、住宅ローン特約は宅建業法上の取扱い(37条の2の自己都合解除との関係)とともに、民法上の停止条件付き契約として有効です(民法127条1項)。当事者が合意していれば有効であり、ウは正しい内容を述べていますが本問の最も適切な正答はアです。エについて、期限の利益(民法136条1項)は債務者のためにあるものとされ、債務者は期限の利益を放棄することができます(民法136条2項)。ただし放棄によって相手方の利益を害することはできません。「一切認められない」とするエは誤り。

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条件付き法律行為は宅建実務との関連で重要です。特に住宅ローン特約(融資利用の特約:宅建業法35条の2参照)は民法上の停止条件付き売買として機能します。住宅ローン不承認時の取扱い(手付金返還・違約金不発生)は条件の成就・不成就の結果として説明できます。条件の成就の擬制(民法130条)は条件の成就を故意に妨害した場合に相手方が条件成就とみなす権利を有することを定め、売主が買主の住宅ローン申請を妨害した場合などに類推適用できます。改正民法は民法130条に2項を追加し、「条件の成就から利益を受ける当事者が不正に条件を成就させた場合、相手方は条件が成就しなかったものとみなすことができる」と定めました。期限の利益(民法136条)については、①債務者は相手方の同意なく放棄できる(ただし相手方の損害を賠償する義務あり)、②期限の利益の喪失事由(民法137条)として倒産・担保滅失・担保提供義務不履行がある点が実務上重要です。ローン特約を有する売買契約において、買主がローン審査中に資産状況を悪化させた場合(期限の利益喪失事由に相当)の対応も論点になり得ます。条件成就に向けた当事者の行動規範については、条件成就を妨害・促進する行為を禁止する信義則が適用され、一方当事者が不誠実に条件不成就を招いた場合は民法130条1項の類推適用も検討されます。令和2年改正民法(民法130条2項新設)で「不正な条件成就のみなし不成就」が明文化された点は、FP・行政書士試験でも頻出の改正ポイントです。宅建業法35条の2(住宅ローン特約解除)と民法上の停止条件の交差を正確に理解することが、上位資格取得後の実務対応に直結します。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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