権利関係21民法物権

宅建士 権利関係 問21:民法物権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介する抵当権付き不動産の売買に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 抵当不動産の第三取得者Bは、抵当権者に対して代価弁済の申出をすることができ、申出によって抵当権者が任意に承諾すれば抵当権は消滅する。正答
  • 抵当不動産の第三取得者Bが抵当権消滅請求(民法379条)をする場合、Bは弁済期到来後に行う必要があり、弁済期前に抵当権消滅請求をすることはできない。
  • 抵当権者が代価弁済(民法378条)を受けた場合、抵当権は第三取得者に対して消滅するが、被担保債権が残存する場合、抵当権者の残額請求権は消滅しない。
  • 第三取得者Bによる抵当権消滅請求が認められる額は、債権者の請求額でなく裁判所が定める額であり、増価競売で定めた額との差額が評価される。
正答:抵当不動産の第三取得者Bは、抵当権者に対して代価弁済の申出をすることができ、申出によって抵当権者が任意に承諾すれば抵当権は消滅する。

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抵当不動産を購入した第三取得者(抵当権設定者以外)は、抵当権の負担を免れるために「代価弁済」と「抵当権消滅請求」の2つの方法があります。代価弁済は、抵当権者が承諾した場合に限り有効で、抵当権者の任意承諾が必要です。よってアが正答です。

標準試験対策の基準レベル

代価弁済(民法378条)は第三取得者が抵当権者に対して自己の取得代価を弁済または供託することで抵当権を消滅させる制度です。ただし、抵当権者の任意の承諾(合意)がなければ強制的に消滅させることはできません。アは「抵当権者が任意に承諾すれば」という要件を正確に述べており正答。イについて、抵当権消滅請求(民法379条)は弁済期「前」でも行うことができます(弁済期限定なし)。「弁済期到来後に限る」とするイは誤り。ウについて、代価弁済が行われた場合、第三取得者に対する抵当権は消滅しますが、代価が被担保債権を下回る場合は差額について元の主債務者(債務者)に対する残債権は消滅しません。「抵当権者の残額請求権は消滅しない」部分は正確な内容ですが、「抵当権は第三取得者に対して消滅する」のは代価を受け取ることの反射効であり、被担保債権自体は残るという意味でウは概ね正しいですが本問の最も適切な正答はアです。エについて、抵当権消滅請求の金額は第三取得者が「自ら提示した価額」であり、裁判所が定めるわけではありません(民法379条以下)。「裁判所が定める額」とするエは誤り。

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抵当権消滅請求(民法379条〜387条)は2003年改正(旧法の「滌除(じょくじょ)」を廃止して新設)により現在の形になりました。第三取得者が自ら提示する価額(取得代価・最低競売価格等を参考)を各抵当権者に通知し、抵当権者が2か月以内に増価競売の申立てをしなければ提示額で抵当権は消滅します(民法380条・384条)。抵当権者が増価競売(提示額の10分の1以上増額した競売:民法384条)を申し立てた場合は競売で決まった価格で処理されます。抵当権消滅請求ができる者は「抵当不動産の第三取得者」に限られ、主債務者・保証人・抵当権設定者はできません(民法380条)。また、抵当権消滅請求は弁済期の前後を問わず行うことができます(民法379条)。代価弁済(民法378条)と抵当権消滅請求(民法379条以下)の違いは、代価弁済が抵当権者の任意承諾を要件とするのに対し、抵当権消滅請求は第三取得者の一方的申請で手続きが開始し抵当権者が増価競売を申し立てなければ消滅する点で相違があります。宅建実務では、抵当権付き物件の媒介において抵当権の抹消方法(残債務の弁済・代価弁済・消滅請求)を買主に説明し、決済時の同時抹消手続き(売買代金の決済と同時に抵当権登記の抹消)を調整することが業務の核心の一つです。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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