問題
宅地建物取引業者Aが媒介する抵当権付き不動産の売買に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
抵当不動産を買い受けた第三者は、抵当権者から代価の支払を求められてそれに応じて支払えば、抵当権が消滅する制度があります(代価弁済、民法378条)。ウはこの条文どおりで正答です。この制度は抵当権者からの「請求」があって初めて動く仕組みであり、第三者からの一方的な申出だけで抵当権が消滅するわけではありません(エが誤り)。
民法378条は「抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する」と定めます。ウはこの条文どおりで正答です。イは、民法383条1号が、抵当権消滅請求のために送付すべき書面に「取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面」を求めており、代価の記載が必要であるため誤りです。アは、民法384条1号が「その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後2箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき」に承諾があったものとみなすと定めており、1か月ではなく2か月であるため誤りです。エは、代価弁済が「抵当権者の請求に応じて」行うものであり(378条)、第三取得者からの申出だけで抵当権者の意思にかかわらず消滅するわけではないため誤りです。
抵当不動産の第三取得者が抵当権の負担を免れる手段として、民法は代価弁済(378条)と抵当権消滅請求(379条以下)の2つの制度を用意しています。代価弁済は、抵当権者の側から第三取得者に対して代価の弁済を「請求」し、第三取得者がこれに応じて弁済したときに抵当権が消滅する仕組みであり、抵当権者のイニシアティブと承諾が前提となります。これに対し抵当権消滅請求は、第三取得者の側から動く手続で、登記をした各債権者に対し、取得の原因・年月日、譲渡人及び取得者の氏名住所、抵当不動産の性質・所在・代価その他の負担を記載した書面(383条1号)、抵当不動産の登記事項証明書(同条2号)、及び債権者が2か月以内に競売の申立てをしないときは記載した代価又は金額を弁済又は供託すべき旨を記載した書面(同条3号)の3つの書面を送付して行います。これを受けた債権者が2か月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき、その申立てを取り下げたとき、申立てを却下する決定が確定したとき等は、記載された代価又は金額を承諾したものとみなされます(384条各号)。逆に、債権者が消滅請求に応じたくない場合は、この2か月以内に抵当権を実行して競売の申立てをすることになります(384条1号)。抵当権消滅請求ができるのは抵当不動産の第三取得者に限られ、主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人はすることができません(民法380条)。宅建実務では、抵当権付き物件の売買における抵当権の抹消方法(残債務の弁済・代価弁済・消滅請求)と決済時の同時抹消手続の調整が、担保付き不動産の仲介業務の要となります。
- 民法第378条・第383条・第384条・第380条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

