宅建士 権利関係 問22:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
制限行為能力者のうち被補助人に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア被補助人が不動産を購入する売買契約を締結する場合、補助人の同意は常に必要であり、同意なく締結した場合は取り消すことができる。
- イ補助開始の審判は、本人以外の者(配偶者・4親等内の親族・検察官等)の請求によっても開始できるが、本人の同意がなければ補助開始の審判をすることはできない。正答
- ウ被補助人が不動産売買を行う場合、補助人は当該売買について同意権を持つが、同意を拒否することはできず、被補助人の意思を尊重しなければならない。
- エ被補助人に対して補助開始の審判がなされた場合、当然に補助人に代理権が付与される。
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被補助人制度は本人の意思を最大限尊重する制度で、補助開始には必ず本人の同意が必要です(民法15条2項)。本人の同意なく強制的に補助開始の審判はできません。よってイが正答です。
被補助人(民法15条以下)は成年後見・保佐に比べて最も軽い支援が必要な状態の人に適用されます。補助開始の審判(民法15条)の要件は「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者」であり、本人・配偶者・4親等内の親族・検察官等が申立て可能ですが、本人以外の者が申し立てる場合は本人の同意が必要です(民法15条2項)。イは正確に述べており正答。アについて、被補助人に対して同意権が付与されるのは申立ての範囲内で審判が定めた特定の法律行為に限られます(民法17条1項)。不動産売買が同意権の対象として審判で指定されていない限り、同意不要で締結できます。「常に必要」とするアは誤り。ウについて、補助人は同意するか否かを判断できる権限(同意権)を持ち、同意を拒絶することもできます(民法13条・17条の準用)。「同意拒否できない」とするウは誤り。エについて、補助開始の審判で当然に代理権が付与されるわけではありません。代理権は別途「補助人に代理権を付与する旨の審判」が必要です(民法876条の9)。「当然に付与される」とするエは誤り。
後見・保佐・補助の3類型(民法7条・11条・15条)は判断能力の程度によって区別され、宅建試験では特に「同意権の要否」と「取消権の有無」が出題されます。後見(民法7条)は精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある者が対象で、成年後見人は法定代理人として包括的代理権を持ちます(民法859条1項)。被後見人は原則として単独で有効な法律行為ができません(民法9条・日用品購入等を除く)。保佐(民法11条)は事理弁識能力が著しく不十分な者が対象で、被保佐人は民法13条1項各号の重要行為(不動産処分・借財・保証・不動産購入等)には保佐人の同意が必要です。補助(民法15条)は事理弁識能力が不十分な者が対象で、被補助人への同意権・代理権は審判で個別に定められ(民法17条・876条の9)、対象行為は民法13条1項各号の一部に限定されます。本人同意主義(民法15条2項・17条2項・876条の9第2項)は補助制度の核心原則であり、制限行為能力制度の中で補助のみが本人同意を不可欠とします。宅建取引実務では、高齢者・認知症進行者との取引において後見・保佐・補助のいずれが開始されているか(登記事項証明書で確認可能)を確認し、必要な同意・代理を取得することが重要です。後見登記制度(後見登記等に関する法律)による公示内容の確認も実務上必須です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。