宅建士 権利関係 問24:民法物権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが媒介する土地取引において、地役権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア地役権は、要役地の所有権と独立して処分することができ、要役地の所有権を移転しても地役権だけを留保することができる。
- イ承役地の所有者Bが地役権の設定を受けた後に土地を第三者Cに売却した場合、地役権は登記なしにCに対抗することができる。
- ウ地役権は継続的に行使され、かつ外形上認識できるものに限って時効取得が認められる(民法283条)。正答
- エ要役地の所有権が共有の場合、各共有者が個別に地役権の存続期間を更新できる。
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地役権の時効取得(民法283条)は、「継続的に行使」かつ「外形上認識できるもの」(例:通路としての客観的形状)に限って認められます。単なる通行をしていただけでは不十分で、道を設けるなど外形上の痕跡が必要です。よってウが正答です。
地役権(民法280条以下)は、他人の土地(承役地)を自己の土地(要役地)の便益のために利用する物権です(通行地役権・引水地役権等)。ウは民法283条(地役権の時効取得の要件:継続的行使かつ外形上認識可能性)を正確に述べており正答。アについて、地役権は要役地の所有権に従属し(付従性)、要役地から分離して処分することはできません(民法281条2項)。「独立して処分可能」とするアは誤り。イについて、地役権を第三者に対抗するには登記が必要です(民法177条・282条)。「登記なしにCに対抗できる」とするイは誤り。エについて、共有の要役地において、地役権の時効中断・取得等の行為は共有者の一人がすれば全員のためにも効力が及びますが(民法284条)、各共有者が「個別に」存続期間を更新できるわけではありません。「各共有者が個別に更新できる」とするエは誤り。
地役権(民法280条〜294条)は宅建試験での出題頻度は高くありませんが、隣地利用・通路設定・電線路・上水道引込み等の実務頻出テーマです。地役権の特徴は①付従性(要役地所有権に従属・分離処分不可:民法281条)、②不可分性(要役地・承役地の分割に際して地役権は分割部分全体に及ぶ:民法282条)、③継続性(承役地所有者が変わっても地役権は追及可:ただし登記が対抗要件)です。時効取得の要件(民法283条)として「継続的行使」と「外形上認識可能性」が必要とされます。判例(最判昭和33.2.14)は通行地役権の時効取得について、単なる通行事実だけでなく道路として使用されていることが外形上明らかな状態(草刈り・舗装・側溝設置等)が必要としています。地役権の登記(不動産登記法80条以下)は要役地の登記記録(甲区・乙区)と承役地の登記記録(乙区)の双方に記録されます。登記の効力として、承役地の承継人に対して登記なしには対抗できません(民法177条)。通行地役権と囲繞地通行権(民法210条)の違いは、囲繞地通行権が法律上当然に成立するのに対し、通行地役権は設定合意が必要であり、より広い通行範囲を確保できる場合があります。宅建実務では、購入予定地に通行地役権の設定がある場合は重要事項説明(民法280条以下の権利制限として)が必要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。