宅建士 権利関係 問28:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが媒介する不動産取引において、相続欠格・相続放棄・限定承認に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア相続を放棄した者は、初めから相続人でなかったとみなされるため、相続放棄した者の子が代襲相続することはない。正答
- イ相続放棄は家庭裁判所に対して申述する方法によるほか、相続人全員の合意による協議での放棄も認められる。
- ウ限定承認とは、相続財産の限度において被相続人の債務を引き受ける制度であり、相続人の一人が単独で申述することができる。
- エ相続欠格(民法891条)事由に該当した者は、家庭裁判所の審判がなくても当然に相続権を失い、欠格者の子は代襲相続できない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達も明記。
相続放棄をした者は最初から相続人ではなかったとみなされます(民法939条)。そのため、放棄した者の子は「被代襲者が相続権を失った」ことによる代襲相続の対象にはなりません(代襲相続は死亡・欠格・廃除の場合のみ)。よってアが正答です。
民法939条は「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」と定めます。代襲相続(民法887条2項)は被代襲者が「死亡」・「欠格」・「廃除」の場合に発生し、「放棄」は代襲原因に含まれていません(民法887条2項参照)。アは正確であり正答。イについて、相続放棄は家庭裁判所への申述(民法938条)が必須であり、相続人間の合意のみによる放棄は法律上の効力を持ちません。「協議での放棄も認められる」とするイは誤り(相続分の無償譲渡等は別の問題)。ウについて、限定承認(民法922条以下)は相続人全員が共同して行わなければなりません(民法923条)。一人が単独で申述することはできないためウは誤り。エについて、相続欠格は民法891条所定の事由(遺言書偽造・相続人殺害等)に該当すれば法律上当然に相続権を失い(審判不要)という部分は正確ですが、欠格者の子は代襲相続できます(民法887条2項:欠格は代襲原因に明記)。「代襲相続できない」とするエは誤り。
相続の承認・放棄・限定承認の制度(民法915条〜940条)は宅建試験での重要事項です。特に「相続放棄と代襲相続の関係」「限定承認の手続要件」が頻出です。相続の熟慮期間(民法915条1項)は相続開始を知った日から3か月以内。正当事由(財産調査が複雑等)で家裁に延長申請可能。放棄・限定承認は家裁への申述が要件。相続放棄の効果として①遡及効(初めから相続人でなかったもの:民法939条)、②代襲相続の不発生(民法887条2項)があり、多数の相続人が次々に放棄した場合(しり抜け相続放棄問題)は最終的に全員が放棄すると相続財産が法人化(民法951条)されます。2021年改正で相続財産清算人への名称変更(相続財産管理人→相続財産清算人)もなされました(民法952条改正)。限定承認(民法922条)は相続財産の範囲で债務を負担するものですが、相続人全員で行う必要があり(民法923条)、実務上は活用しにくいとされてきました。限定承認後は相続財産の清算(民法927条以下)が行われ、清算後に余剰があれば相続人が取得します。宅建実務では、売主が相続により取得した物件について、相続人全員の合意・放棄・限定承認の状況確認と正確な相続登記が前提として必要であり、相続関係の不明確な物件は売買に際して注意が必要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。