権利関係33民法債権

宅建士 権利関係 問33:民法債権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介する宅地の売買において、手付に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 売主BがCに宅地を売却し、Cから手付金を受領した。Bが履行に着手した後であっても、Cは手付を放棄することで契約を解除(手付解除)することができる。
  • 買主CがBに手付金を交付した場合において、Bが手付解除する場合はBは手付の倍額を現実に提供して解除することができる。
  • 手付は、特段の合意がない限り、解約手付としての性質を持つ。正答
  • 手付解除は契約書の「相手方が履行に着手した後は手付解除不可」との特約がある場合、当事者の一方が履行に着手した後でも相手方はこの特約を無視して手付解除できる。
正答:手付は、特段の合意がない限り、解約手付としての性質を持つ。

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民法では手付について特段の合意がなければ解約手付(手付放棄・倍返しで解除できる)と推定されます(民法557条1項)。この「解約手付の推定」がウの内容です。よってウが正答です。手付解除は相手方が履行に着手した後はできなくなります(アが誤り)。

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民法557条1項は「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる」と定めます。ウは民法557条の解約手付推定(特段の合意がなければ解約手付)を正確に述べており正答。アについて、相手方(売主B)が履行に着手した後は、買主Cは手付解除できません(民法557条1項)。「履行着手後でも解除できる」とするアは誤り。イについて、売主Bが手付解除する場合は「手付の倍額を現実に提供」が必要です(民法557条1項)。単に「倍額を提供すれば」良いのではなく「現実の提供」(口頭の提供では不足)が必要です。「現実に提供して解除できる」の部分は正確ですが、「提供して」(現実提供を明示)しておりイの内容は概ね正しい記述です。しかし本問の最も適切な正答はウです。エについて、「相手方の履行着手後は手付解除不可」という特約は民法557条1項の要件(相手方が着手した後)を更に限定するものであり(着手前でも特約で制限可能)、当事者を拘束します。「特約を無視できる」とするエは誤り。

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手付(民法557条)は宅建試験の最頻出事項です。手付の種類として①証約手付(契約締結の証拠)、②解約手付(民法557条:放棄または倍返しで解除可)、③違約手付(違約罰・損害賠償額の予定)の3種がありますが、民法557条は「解約手付と推定する」規定であり、特約で違約手付・証約手付として合意することも可能です。「履行の着手」の解釈(民法557条1項の「一方が履行に着手するまで」)は判例で「単に履行の準備をすることを超え、外部から客観的に認識できるような形で履行行為の一部を行い、または履行の提供のための前提行為として不可欠な行為をした場合」(最判昭和40.11.24)とされています。売主の「履行着手」の典型は所有権移転登記の申請・目的物の引渡し準備(引越し・鍵の準備)、買主の「履行着手」は代金の準備(ローン契約締結・資金調達)です。単なる残代金準備(金融機関への融資申込み等)は着手に当たらないとする判例もあります。宅建業者(売主)に対しては宅建業法39条1項の制限があり、宅建業者が売主の場合の手付金額は代金の20%以内に制限されます(民法との特則)。手付解除と損害賠償の関係については、手付解除を選択した場合は損害賠償請求はできない(解約手付は損害賠償額の予定とは別)とする考え方が有力です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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