宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 権利関係 問36|連帯債務・絶対効・相対効

問題

宅建士 | 権利関係 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

宅地建物取引業者の媒介により売主Aとの間で締結された不動産売買において、買主B・Cが連帯して売買代金1,000万円の支払義務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

連帯債務では、一人が全額を支払うと他の連帯債務者の義務も消滅します(弁済)。全額を支払ったBはCに対してその負担割合(各500万円)の求償ができます。求償権はBがAに弁済した後に取得します。よってイが正答です。なお、現行民法では請求・免除・時効の完成は、原則として他の連帯債務者に効力が及びません(民法441条)。

改正民法(2020年施行)は連帯債務の「絶対効」を大幅に縮小し、弁済等の債務を消滅させる行為のほかは、更改(民法438条)・相殺(民法439条1項)・混同(民法440条)のみを他の連帯債務者にも効力が及ぶ事由とし、その他(請求・免除・時効の完成等)は相対効(当該債務者のみに効力が及ぶ:民法441条本文)としました。イについて、連帯債務者の一人Bが弁済をして共同の免責を得たときは、他の連帯債務者Cに対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を取得します(民法442条1項)。求償権は弁済等によって共同の免責を得たときに生じるため、支払前に求償することはできず、イは正確であり正答。アについて、改正民法では「請求」は相対効となり(民法441条本文)、BへのAの請求はCの時効の完成猶予・更新には原則影響しません(民法441条ただし書:債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示したときを除く)。「双方に時効更新の効力が生じる」とするアは改正後の原則(相対効)では誤り。ウについて、AがBの債務を免除した場合、免除は相対効(民法441条)です(改正前は絶対効:現行法では相対効)。CはAから1,000万円全額の請求を受けた後にBへの求償(500万円)を行うことになります。「免除の相対効」によりCは全額義務を負うため「全額免除を主張できる」とするウは誤り。エについて、期限猶予(履行期限の変更)は相対効(民法441条)であり、Bへの猶予はCに影響しません。「Cについても猶予される」とするエは誤り。

連帯債務の絶対効・相対効の整理(改正民法438条〜441条)は宅建試験の重要改正論点です。改正民法では、弁済等の債務消滅行為のほかに他の連帯債務者に効力が及ぶのは、①更改(民法438条)、②相殺(民法439条1項。反対債権を有する連帯債務者が相殺しない間は、他の連帯債務者はその者の負担部分の限度で履行を拒める:同条2項)、③混同(民法440条)のみです。相対効(民法441条本文)となったもの:④請求(旧法の絶対効を廃止)、⑤免除(同)、⑥時効の完成(同)。ただし民法441条ただし書により、債権者と他の連帯債務者が別段の意思を表示したときはその意思に従います。求償権(民法442条〜445条)については、弁済等をした連帯債務者は他の連帯債務者に対して各自の負担部分に応じた額を求償できます(民法442条1項。負担部分は特約がなければ平等と解されています)。宅建実務では、共有不動産の共同購入者の代金債務や、複数名義の賃貸借の滞納回収において、改正後の相対効原則の正確な理解が必要です。特に「請求の相対効(民法441条本文)」により時効管理が複雑になった点(連帯債務者全員への個別の時効更新措置が必要)は実務上の重要ポイントです。令和2年改正の絶対効縮小は行政書士・司法書士試験でも重要な改正論点であり、旧法との対比(請求・免除・時効完成の絶対効廃止)を表にして記憶することが上位試験対策として有効です。

求償の細部も確認しておきます。求償権は、免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず生じるため(民法442条1項)、たとえばBが300万円だけ弁済した場合でも、Cに対して負担割合に応じた150万円を求償できます。求償には、弁済その他免責があった日以後の法定利息と、避けることができなかった費用その他の損害の賠償も含まれます(同条2項)。他の連帯債務者があることを知りながら、事前に通知しないで弁済した場合、他の連帯債務者は債権者に対抗できた事由を、その負担部分について弁済者に対抗できます(民法443条1項)。弁済後の通知を怠ったために他の連帯債務者が善意で弁済をしたときは、その者は自分の弁済を有効であったものとみなすことができます(同条2項)。また、AがBの債務を免除しても免除は相対効のためCは全額の債務を負い続け、全額を弁済したCは免除を受けたBに対しても求償権を行使できます(民法445条)。このほか、連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務の効力は妨げられません(民法437条)。「免除を受けた者には求償できない」「負担部分を超えて弁済しなければ求償できない」は、旧法の知識や思い込みから作られるひっかけの典型です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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