宅建士 権利関係 問38:民法債権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが関与する不動産担保付き債権の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア抵当権付きの貸金債権をBからCに譲渡した場合、債権譲渡の通知または承諾をしなければ、抵当権の移転登記だけでは債権譲渡をDに対抗することができない。正答
- イ債権譲渡の通知は、譲受人Cが譲渡人Bに代わって行うことができ、Cの通知で第三者への対抗要件を具備することができる。
- ウ債権譲渡の対抗要件は、譲渡人BによるCへの通知または債務者の承諾であり、通知や承諾が確定日付のある証書によらなくとも第三者への対抗要件が具備される。
- エ譲渡禁止特約がある債権でも、善意無過失の譲受人には特約を対抗することができないが、善意有過失の譲受人にも特約を対抗することはできない。
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抵当権付き債権を譲渡する場合、抵当権の移転登記だけでは不十分であり、債権譲渡の対抗要件(通知または承諾)を備えなければ第三者に対抗できません。よってアが正答です。
債権譲渡の対抗要件(民法467条)は①譲渡人から債務者への通知または②債務者の承諾であり、確定日付のある証書によるものでなければ第三者(他の譲受人・差押え債権者等)に対抗できません(民法467条2項)。アについて、抵当権付き債権の譲渡においても、抵当権は債権に随伴しますが(随伴性)、第三者への対抗要件は債権譲渡の対抗要件(確定日付ある通知・承諾)によります。「抵当権移転登記だけでは第三者に対抗できない」という内容は正確で正答。イについて、債権譲渡の通知は「譲渡人」(B)が行わなければならず、譲受人(C)が通知しても対抗要件としての効力はありません(民法467条1項)。「Cの通知で対抗要件を具備できる」とするイは誤り(改正前後共通)。ウについて、第三者への対抗要件は確定日付のある証書による通知・承諾が必要です(民法467条2項)。「確定日付によらなくとも第三者対抗要件を具備できる」とするウは誤り(債務者との関係のみ通常の通知・承諾で足り、第三者には確定日付が必要)。エについて、改正民法466条1項・2項は譲渡禁止特約付き債権でも「有効に譲渡できる」(特約は外部効なし)とし、ただし「特約について悪意または重過失の譲受人」には特約を対抗できます(民法466条3項)。「善意有過失には対抗できない」とするエは誤り(重過失の場合は対抗できる)。
債権譲渡(民法466条〜469条)は2020年改正民法で大幅に変更されました。主な改正点は①譲渡禁止特約の効力変更(民法466条2項:特約に反した譲渡も原則有効)、②将来債権譲渡の明文化(民法466条の6)、③債権譲渡登記制度の整備です。譲渡禁止特約(民法466条2〜3項)は改正前は「物権的効力(特約知りながら取得した者には対抗可)」でしたが、改正後は「特約に反する譲渡も原則有効、悪意・重過失の譲受人に限り対抗可」となりました(特約の物権的効力の廃止・債権的効力のみ)。抵当権付き債権の譲渡については、抵当権の随伴性(債権に追随して抵当権も移転)から抵当権移転登記が必要ですが、これは「抵当権の変動の対抗要件」であり「債権譲渡の対抗要件」とは別です。金融実務(CMBS等の不動産担保証券化)では債権譲渡通知の確定日付取得(公証役場での確定日付付与・内容証明郵便)と抵当権移転登記を同時に行います。将来債権譲渡(民法466条の6)の明文化により、将来発生する賃料債権・リース料債権の包括的な譲渡(証券化・担保化)が法的に明確になりました。宅建実務では、担保付きローンの残債ある物件の売買において、抵当権付き債権の譲渡が金融機関間で行われる際の権利関係把握が必要です。令和2年改正で将来債権譲渡(民法466条の6)が明文化され、不動産賃料の包括的証券化(CMBS・不動産ファンド)が法的に整備されました。司法書士・不動産証券化マスター試験ではデット構造(優先・劣後ローン)と債権譲渡通知の確定日付実務が問われます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。