宅建士 権利関係 問41:民法債権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが仲介する建物建築工事の請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア請負人Bが建物を完成させ注文者Cに引き渡した後に、雨漏りが発見された場合、Cは引渡し後1年以内に限り修補請求(追完請求)をすることができる。
- イ建物の工事が完成する前に契約が解除された場合、請負人Bはすでに完成した部分について一切の報酬を受けることができない。
- ウ注文者Cの提供した材料の欠陥(指図の問題)が原因で建物に不適合が生じた場合、請負人Bは「その不適合を知りながら告げなかった」場合でなければ、不適合責任を負わない。正答
- エ建物の請負代金が定額(500万円)で合意されていたが、工事途中で予想外のコストが発生した場合、請負人Bは追加費用を注文者Cに当然に請求することができる。
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請負における契約不適合責任で、注文者が提供した材料の欠陥や指図が原因の場合は、請負人は原則として責任を負いません。ただし「欠陥を知りながら告げなかった場合」だけは例外として請負人が責任を負います(民法636条ただし書)。よってウが正答です。
請負の契約不適合責任(民法559条・562条以下の売買規定準用・636条)について、民法636条は注文者の提供した材料の性質または注文者の指図によって生じた不適合については、注文者は追完・代金減額・損害賠償・解除の請求ができないとし(免責)、ただし請負人が「材料の性質または指図の不適切さを知りながら注文者に告げなかったとき」は免責されないとしています(民法636条ただし書)。ウは正確であり正答。アについて、請負の契約不適合責任の期間制限は売買と同様(民法559条で準用)であり、民法566条の「不適合を知った時から1年以内の通知」が要件です。「引渡し後1年以内に限り修補請求ができる」は時効期間との混同で不正確な誤りです(「知った時から1年以内の通知」が正確)。イについて、民法634条は「次の各号に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす」と定め、可分な完成部分については相応の報酬を請求できます。「一切の報酬を受けられない」とするイは誤り。エについて、定額(総額固定)での請負契約では、追加費用が発生しても当事者間で合意がなければ追加請求は原則できません(民法632条:報酬額合意が拘束力を持つ)。「当然に請求できる」とするエは誤り。
請負契約(民法632条〜642条)は建設業取引の基本形態であり、宅建実務でも建物の建築・修繕工事において頻繁に登場します。請負と売買の根本的区別は①請負:仕事の完成を目的(民法632条)、②売買:財産権移転を目的(民法555条)。建物の新築は売買的側面もありますが法律上は請負として処理されます(最判昭和46.3.5)。改正民法では請負の「担保責任(瑕疵担保)」が「契約不適合責任」に統一され、売買と同様の規定が準用されます(民法559条)。ただし請負独自の規定として①注文者の指図・材料に起因する不適合責任の制限(民法636条)、②注文者の任意解除権(民法641条:仕事完成前なら損害賠償して解除可)があります。民法634条の既存部分への報酬(改正で明文化)は、①注文者の帰責事由により仕事完成前に契約解除となった場合、②仕事完成前に請負契約が解除(注文者任意解除)となった場合に適用されます。宅建実務では、建設業法との関係(建設業許可・請負契約書面交付義務・瑕疵担保責任保険)と民法上の請負規定の交差が実務上の重要論点です。建物建築後の瑕疵(欠陥)については品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の10年保証(構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分)も宅建取引の重要事項説明対象です。令和2年改正で「請負の担保責任」が「契約不適合責任」に統一されたことで、売買・請負・委任に共通する「追完・代金減額・解除・損害賠償」の体系が整備されました。マンション管理士・一級建築士試験では、建設請負と品確法・住宅瑕疵担保履行法(10年保証の資力確保措置)の相互関係が出題されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。