問題
宅地建物取引業者Aが不動産売買の媒介業務を受任した場合の委任契約(準委任)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
委任契約は委任者が死亡すると終了します(民法653条1号)。しかし急迫の事情がある場合には受任者は契約終了後でも必要な処分をとる義務があります(民法654条)。これは委任者の相続人等を保護するためです。よってエが正答です。
民法654条は「委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者(その相続人または法定代理人を含む)は、委任者の相続人または法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない」と定めます。エは正確であり正答。アについて、善管注意義務(民法644条)は「委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定め、有償・無償を問わず適用されます(無償の場合に注意義務を軽減する規定はありません)。「有償に限る」とするアは誤り。イについて、委任契約は各当事者がいつでも解除できます(民法651条1項)が、不利な時期の解除(民法651条2項)ではやむを得ない事由がなければ損害賠償義務が生じます。「損害賠償義務は生じない」とするイは誤り。ウについて、委任者の指示に従っても、Aが自己の注意義務を怠った場合は責任を負います(善管注意義務の問題)。また委任者の指示に従った結果の第三者損害については、指示者(B)が主に責任を負いますがAも故意・過失があれば責任を負い得ます。「一切の責任を負わない」とするウは誤り。
委任契約(民法643条〜656条)は宅建業の媒介契約との関係で重要です。媒介契約(宅建業法34条の2)は法的には準委任(民法656条:事務処理委託であり財産権移転を伴わない)と解されます。善管注意義務(民法644条)は①有償・無償問わず適用、②委任の趣旨に従った注意水準(単なる自己財産管理注意より高い水準)という内容です。解除権(民法651条)については、相手方に不利な時期に解除したとき(1号)と、委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したとき(2号)は、やむを得ない事由がある場合を除き損害賠償義務を負います(民法651条2項。2号は2020年施行の改正で追加)。委任の終了事由は、委任者又は受任者の死亡・破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判です(民法653条1号〜3号)。委任終了後の処置義務(民法654条)は急迫事情下での継続処理義務であり、受任者が「委任が終了した」を理由に即座に手を引くことを禁止します。宅建業者が媒介受任中に委任者(売主・買主)が死亡した場合の処置については、相続人への連絡・引継ぎが急迫の事情として必要となる場合があります。宅建業法上の媒介契約(一般・専任・専属専任)の解除については、宅建業法と民法の交差(法定解除事由・損害賠償)が実務問題です。不動産仲介報酬(媒介手数料)の発生要件(成功報酬)も委任・準委任の報酬規定(民法648条・648条の2)から理解できます。
- 民法第654条・第653条・第644条・第651条・第643条・第656条e-Govで原文を読む
- 宅地建物取引業法第34条の2e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

