宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 権利関係 問43|賃貸借・転貸借・無断転貸

問題

宅建士 | 権利関係 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

宅地建物取引業者Aが媒介した建物賃貸借における転貸借(サブリース)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

転貸借が承諾されている場合、賃貸人と賃借人の合意解除(話し合いでの解約)があっても、転借人(サブリース先)には対抗できません(民法613条3項本文)。転借人を保護するための規定です。よってエが正答です。ただし、合意解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を持っていたときは、転借人に対抗できます(同項ただし書)。

民法613条3項は「賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない」と定めます(ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは除く:同項ただし書)。エは「合意解除は転借人に対抗できない場合がある」と正確に述べており正答。アについて、無断転貸(賃貸人の承諾なき転貸)は民法612条2項により解除事由ですが、「直ちに解除できる」のではなく「信頼関係破壊の法理」(最判昭和28.9.25)により、転貸が賃貸人に対する背信的行為でない特段の事情がある場合は解除できないとされます。「直ちに解除できる」とするアは誤り。イについて、賃貸人は転借人に対して直接賃料を請求できます(民法613条1項)が、請求できる額は賃料と転貸料のいずれか「低い」額です(重畳的責任の限度)。「高い額」とするイは誤り。ウについて、承諾転貸の場合に賃貸借が「賃借人の債務不履行で解除」されたときは、転借人は賃貸人に転借権を対抗できず、賃貸人が転借人に返還を請求した時に転貸借は終了します(判例:最判平成9.2.25等)。「合意解除」ではなく「債務不履行解除」なら転借権は消滅しますが、「賃貸借解除」を一律に「転借権消滅」とするウの表現は合意解除と債務不履行解除を混同しており誤り。

転貸借(民法612条・613条)はサブリース業者との関係で宅建試験の重要論点です。無断転貸の効果として①転貸借自体は当事者間(B・C)では有効、②賃貸人AはBを解除できる(信頼関係破壊の場合:最判昭和28.9.25)、③AはCに直接退去を請求できます(所有権に基づく物権的妨害排除請求)。承諾転貸(民法613条)の効果として、①転借人Cは賃貸人Aに対して直接義務を負い(民法613条1項:転貸料または賃料の低い方の額)、②AはCに対して賃料を直接請求できます(民法613条1項)、③賃貸借の合意解除はCに対抗できません(民法613条3項本文)、④賃借人Bの債務不履行による解除はCに対抗でき、Cは退去義務を負います(判例。合意解除でも、その当時Aが債務不履行解除権を有していたときは対抗できる:民法613条3項ただし書)。合意解除と債務不履行解除の区別が重要であり、合意解除がCに対抗不可なのはCを害する目的での合意解除を防止するためです。宅建実務では、サブリース物件(業者が全棟借り上げて転貸)の売買において、買主がサブリース業者との転貸借関係を引き継ぐことになるため、転貸借契約内容(賃料額・期間・更新条件等)の確認が重要事項説明の対象です。また定期借家によるサブリース契約の解除・終了も近年の実務問題です。

条文の細部として、転借人が賃貸人に直接負う義務は「賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として」転貸借に基づく債務を履行する義務であり、転借人は賃借人に賃料を前払いしたことをもって賃貸人に対抗できません(民法613条1項後段)。また、転借人に直接請求できるようになっても、賃貸人が賃借人に対して権利(賃料請求等)を行使することは妨げられません(同条2項)。無断転貸による解除(民法612条2項)は、賃借人が「第三者に賃借物の使用又は収益をさせたとき」が要件なので、転貸の契約を結んだだけで転借人がまだ使用・収益を始めていない段階では、この条文の解除の要件は満たされません。賃借権の無断譲渡も612条の対象ですが、承諾を得た譲渡では譲受人が新たな賃借人となり、元の賃借人は賃貸借関係から離れる点が転貸と異なります。宅建試験では「転借人は賃借人に前払いした賃料を賃貸人に対抗できる」「賃貸人は転借人に請求できる以上、賃借人には請求できない」「無断で転貸の契約を結んだだけで直ちに解除できる」のように、条文の要件をずらした記述がひっかけの典型です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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